kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

繋がる部分

2019-12-04 | 陸上競技
偶然見かけた書籍を買ったという記事を書きました。アフィリエイトをしているわけではないのでクリックしてお金が発生するという話ではありません。純粋に面白いと思ったので紹介したというだけです。

「偶然」だったのかもしれませんが興味を抱いていることに関して本当にタイムリーに「必要な情報」を手にすることができました。自分からアンテナを広げておけばいつの間にか必要な情報が手に入るようになる。必然だと思いますね。今の自分に必要なことが集まってくる。

この数週間で色々と考えています。テスト期間なので少し気持ちに余裕があるというのもあります。1時間しか練習をしていませんがだからこそ「やらないといけないこと」が見えてくる気がします。そこに加えて様々なことが後押ししてくれている。

「モノの見方」というのはその時の「考え」に大きく左右されます。そのようなバイアスがかかっているというのもあると思います。物事の繋がりを意識しながら一つ一つの動きを見てみると「やるべきこと」が見えてくる。全く同じ動きであっても「意識する部分」が明確になれば中身が変わってくるのだと。

長距離について考えることで「方向性」の確認ができる。今回の書籍は「漫画家」が書いているモノなので「読んでみよう」と思われる。我々は知名度も実績もないのでこうやって言ってきても「また何か書いている」というレベルで終わってしまいます。まー別に認められようと思っているわけではないので良いですが。

何度か書いていますがハンマーウォークは「長距離の強豪校」がやっているとマスコミが取り上げました。たまたま見ていたのですがそれは「長めの鎖」でやっていました。それを見て「スイングハンマー」を回す練習が流行る。重いメディシンハンマーを手首で回して進む動きをする。いや、それ意味ないやろ?と思いながらも小心者なので言えず。

結果を出しているチームがやっている練習は正しい。それが大前提にあります。我々が何か言っても病院の医者が「2週間安静」といえばそれが信じられる。本当に大したことがなくても医者が言えばそれが「正しい」ことになるのです。強いチームが何を意識してそういう練習をしているのかが重要ではなく「何をやっているか」という部分が求められる。

それを今回の書籍は全て外して見ていました。バイオメカニクスも否定(笑)。「支持脚にのみ着目して議論する」事に関して「運動はそんなモノじゃない」と書いていました。まさに。複雑な要素が絡み合ってやっている事ですから「一部分」の「一箇所」を抜き出して話をしても正確な話にはならないのです。そこに気付けるかどうか。

「もも上げ」は速く走るために必要ない。これもよく言われます。この言葉自体、以前の「ももを腰よりも高く上げてやる」という部分に対しての否定だったと思います。実際にそこまで膝が上がって走ることはないですから。そこは間違いないと思います。それが「もも上げ」自体が良くないという論調にもなる。表面的な「言葉」だけを捉えて話をしても意味はないのです。

「何故やるのか」という部分が本当に大切だと思います。「後付け」の理由ではなく「〜がやりたい」からその練習をするという考え方でなければいけない。ここに関して理解せずに指導するというのは私の中では「あり得ない」部分です。よく分からないけどやっているという話は選手に対してどうやって伝えるのか。

走ることは「物理」だったりします。感覚的な部分もあると思いますが実際は「前に進むための動き」でなければいけません。前に進むためにどういう力の伝え方をするか。それを考えれば目の前にある練習が何を意味するかが分かってくるのかなと。「やりたい動き」があるからそのメニューが存在する。メニューが先にあって「動き」が付いてくるのではないと考えています。分かりにくい話かもしれませんが。

そう考えて「動き」を見てみると視点が変わります。うちの練習で「スイッチング&スキップ」があります。これは身体の前で脚を動かすための練習。力の方向を前方向にしたいという練習です。考え方とすれば「力の方向を変える」ためのメニュー。

が、良くよく考えてみると「地面に力を伝える」という部分が抜けていないか。優先事項ができないのに「力の方向を変える」ことに意識がいっていないか。そう考えて練習を見てみると非常に面白い。「速い動き」をしたがります。その方が「動いている」という感覚が出るからです。しかし、その段階の「動いている」と感じても実際に走る時に役に立つのか。「スイッチング」が上手くても走りに繋がらなければそこは意味がなくなってしまう。

話は少しズレるかもしれませんが。読んだ書籍の中に「筋トレ」について触れられていました。筋トレは外に向かって重心を崩す動きがない。それは実際の走りに繋がっていない。補強をすれば速くなるというわけではないというのを「経験則」から感じているのだと思いです。「オススメの筋トレ」があってもそれが本当に走りに繋がっているのかを吟味する。走練習と筋トレには大きな隔たりがあるという部分を理解して実施している。

こういう感覚の中で競技をやっていくと本当に楽しいと思います。全ての練習が「速く走る」ことに繋がっていく。そこに繋がっているという意識で物事を考えると一つ一つの練習の持つ意味が大きくなる。適当にやれる練習というのはやはり存在しないのです。

これを選手の走りに落とし込んでいく。この作業はめちゃくちゃ楽しい。シンプルにやりたいことをやっていく。これまでやっていたメニューに今やろうとしていることを組み合わせる。それができないメニューに関しては全て排除したいなと。限られた時間の中です。何かを選べば何かを捨てなければいけない。そこをどうするかは常に考えていきたいと思います。

やりたいことがあります。時間をかけて選手の走りに落とし込んでいきたいと思います。
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長距離について学ぶ

2019-12-04 | 陸上競技
毎日更新の予定ですが書けませんでした。あれこれあって。

前の記事に「ナイキヴァイパーフライ」について少し触れました。このシューズによって飛躍的に記録が向上しています。大学の指導者が「この靴を履いたから記録が出た」というくらいですから革新的なものなのでしょう。去年だったからこのシューズの最上級版が販売される時に「靴を買えるかどうか」の選考会が行われたのがニュースになっていました。サブスリーが条件で実際に何本か短い距離を走ってそれで決めると。5万円長距離だった気がします。

いやー、靴で決まるのか?という気持ちがかなりありました。短距離的な視点から考えるとスパイクが変わってもそこまで大きな変化があるとは思えません。0.1秒は違うかもしれませんが。大きいといえば大きいですがそのために高校生が5万円出してスパイクを買うのかというのがありました。ヴァイパーフライでも3万円。それも耐久性がそれほど高くないということだったのでマラソン1回でその値段は払えないし、練習では履けない。

が、ここまでみんなが履いて記録を出すというのは何かがあるんだろうなと。大迫選手がこの靴を履いて記録を出した時に「フォアフット走法」というのが取り上げられました。アフリカ勢の走り方。短距離の走りに近いのかなと感じていました。長距離は「かかとから接地」することが大半。それも身体の前側に接地する。それによるロスは大きいと思います。

ここ数年、学校の長距離選手に対してこの手のことを話しています。長距離顧問がその辺りに関心があるので「接地」を意識して縄跳びや台ドロップ、ハードルドリルをやっていました。周りから見たら何をやっているのか?!という話だと思いますが。普通とは異なるアプローチを。会話としてはかなりマニアックな話をしています。私の相手をしてくれる数少ない人ですから(笑)

で、「靴による技術革新」があるのかなと月曜日に話をしていました。これまでランニングシューズはソールが薄いというのが常識でした。厚いものは重くてはしりにくい。速くなればマラソンであってもソールを薄くする。私自身は走る時に足の裏に感覚が近い靴の方が良かったので練習では薄い靴を履いていました。

長距離はかかとから身体の前に接地するイメージがありました。それによりものすごいロスだと感じていました。非効率的な走りをしているのですから。短距離よりも長い距離を走る。一歩でのロスが大きいのでそれが5000mになればどれくらいのロスになるのか。スプリントの考え方を導入すれば間違いなく速くなるという気はしていました。

短い距離が速かったら長い距離も速い。これは400mが走れたら800mでもそれなりに記録が出せるというのがあったからてです。もちろんそれなりに距離的性が必要だとは思いますが。この話をした時に「そんなに上手くいかないんだよ」と言われました。3000mが速くても5000mにすぐに対応できないことがある。この辺りはよく分かっていません。勉強不足。

で、厚底のヴァイパーフライ。これはカーボンプレートが入っているので記録が出るという批判が出ていました。最初は私もそれで記録が出るのかなと感じていました。が、これだけ記録が出るということは別の要素があるのではないか。靴をよく見てみると踵側がかなり高くなっています。「下り坂を走るような感覚」と言われています。それって強制的に前重心を作り出すための工夫なのでは??と感じる。

こうなると興味関心は全てその部分へ(笑)靴に合わせて接地の感覚を変えていく。というか基本的な接地感覚と重心移動を作り出すことで走りが変わる。結果的にスピードが出て記録が出る。これまでの常識であった「かかとからの接地」を根本的に変えるのではないか。

そう考えていた矢先に本屋で興味深いものを発見。




もう興味関心はマックス(笑)。すぐに購入して読むことに。これをひたすら読んでいたのでblog更新ができませんでした。もう最高に楽しくて。長距離を走る普通の漫画家さんがここまで走ることに関して考えるのか?!それもスプリントの基礎的な部分を把握している。自分の身体を使いながらそれを徹底していく。

「つま先で蹴るのではない。着地した前足部が地面で弾かれて筋力を使わない。地面の反力は接地した瞬間に素直に。」というような表現がありました。もう最高(笑)。フォアフット走法はつま先側で接地して走るというのがあります。この言葉だけを捉えるのではなくきちんとした「走りの基礎」を徹底していく。変な勘違いをしない。

詳しくは書くのを避けます。が、是非とも読んでほしい。短期指導者にとっても絶対にプラスになります。短距離の技術エッセンスが詰まっています。これにより私自身は練習の幅が広がる気がします。

余裕があればまた書きます。が、とにかく読んでほしい。絶対にプラスになる。いや、長距離から学ぶことは多い。全てが我が師(笑)
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