競技をする上で。
基本的な考え方は「自分がどうするか」だと思っています。周囲がどうであれまずは自分自身がどこを目指すか。「勝った」「負けた」というのは「結果論」でしかありません。相手がいることなので「勝つ」こともあれば「負ける」こともあります。当然の話です。「勝つ」ことができればい良いのか。「負ける」ことがダメなことなのか。ここはそれぞれの価値観なのかもしれませんが、「勝ち負け」だけではない部分があると思っています。
昨年度の秋のシーズン、山口県は恐ろしいほど女子のハードルのレベルが低かった。女子の100mHで16秒を切れるのが1人。400mHで1分10秒を切れるのが1人という状況での新人戦でした。正直、このレベルでは普通にやっていたら「勝つ」ことができます。400mHに関しては春のシーズンでは6位までが1分5秒台。中国大会の準決勝に6人が進む。決勝に3人が進み2人がインターハイへ。その2人が二人ともインターハイで準決勝に進み、1人は4位入賞。これくらいのレベルであれば「戦える」と思います。2番手の選手は1分2秒を出しましたが、結果的には「県では勝てない」状況です。しかし、1分2秒を出せばインターハイで準決勝に進める。
この部分が重要なのではないかなと思っています。「県1位」だからといってインターハイには進めません。小さな世界で勝つことよりも負けても上のレベルの大会に進めるほうが大きいのではないか。これは私自身の考え方なので受け入れてもらえないのかもしれません。うちの選手には「まずはインターハイに進めるだけの記録を出す」ことを求めています。同じ学校に同じ種目の選手がいれば「勝ち」もあるし「負け」もある。私からすれば「それほど大事ではない」と思っています。そこの「勝ち」「負け」よりも目標とする記録を出して目指す大会に出場するほうが大切。この手の話は冬の間に何度も話してきました。
それでも選手は目の前の「勝ち」「負け」で一喜一憂します。「負け」て気持ちが沈む。それにより良い練習ができなくなる。これって本当に「正解」なのでしょうか。話はしていきますが、結局やるのは「選手自身」です。私が何かを与えてあげるわけではない。「勝ち」で満足している間はそれ以上強くならないでしょうし、「負け」てそこばかり考えていたら自分自身が強くならないので結果次も同じことになる。
故障も同じだと思います。練習をしていて足を痛める。「足が痛い」からという理由で「補強」ばかりする。それは「正しい」ことかもしれません。しかし、有酸素能力などは一気に低下します。「走れない」かもしれませんが、「スピンバイク」は漕げます。走っている選手以上に負荷をかけていくことはできる。「足が痛いから仕方ない」という一見「正当な理由」であっても「本当にやるべきこと」は「腹筋背筋をする」という補強ではないと思っています。これも考え方なのかなと思います。「怪我をしても耐えて補強をしている」というのが輝く日はそれほど来ないと思います。
「競技で結果を残したい」と思う選手に対してはこちらも「要求」してもいいと思います。「そのままでは目標には届かない」というのは突きつけないといけない。漠然と練習をしているだけで何かを生み出すわけではないからです。逆に「陸上競技を楽しむ」ことを求めているだけの選手には「細かいことは求めない」でいいと思っています。練習をする→試合に出る、ということだけでいいのであればきつい練習もしなくていいと思いますし、練習を途中で諦めてもいいと思います。「競技会に参加する」ことを目指している生徒に対して「そんな取り組みでは強くならないよ」と提言するのは「間違い」です。求められていないことを与えるのは違います。
そういう視点で最近は捉えています。それに対した不平不満も生まれるのかもしれません。細かいことは説明する必要はないと思います。普段からこちらの考え方は伝えていますから。それでも「指導が悪い」と言われるのであれば甘んじて受け入れれば良いなと思っています。私が辞めたら競技成績が劇的に伸びると思うのであればまたそれもありだなと。以前とは自分自身の感覚が変わっているのかもしれません。意識が高い選手なんて実はそんなにいないと思います。ここ最近は見たことがない。
その中で「選手の感覚が最優先」というのが最近の風潮ですから、それに応じた指導をしなさいと言われるのであればそれに合わせてやるのも一興。が、それくらいでやるなら別にやらなくても良いなと思っています。自分たちはやっている、こんなに頑張っているのにという主張が本当なら指導力不足は否めないでしょうから。私は学校の指導にこだわる気は全くありません。「強くなりたい」と真剣に願う選手に対した何か提供できれば良いなと。
勝った、負けただけにとらわれる。勝ちたいと望みながらも最大限のことができない。それに対してこちらが我慢して謙って「もっとできるよ」という声かけをする。それが「本当の競技の指導」であれば私はやらなくて良いなと思います。陸上競技が全てだと思われているのかもしれません。私自身はそんなことは思っていません。
インターハイに行くためにどうするか。ここが今年の課題だと思っています。来年戦うためには今年どうするか。3年生が個人で、リレーでインターハイに進むことは次年度以降に繋がります。3年生に対して失礼ではないかと思われるならそれまで。今の状況を踏まえて3年生が組織を引っ張って下級生をインターハイに連れていくことが必須なのです。飾って「インターハイで戦う」というのを求めても今は高すぎる目標になってしまいます。それぞれが自分の目標に近づけばインターハイにいける可能性が出てくる。そここから目を背けて「インターハイで勝つ」なんて事を求めても現実味がありません。
そう考えて指導したいなと思います。退けと言われたら別にいつでも退きます。そこまでのこだわりはありません。やるなら今できることはやりたいなと思います。「指導力不足だから辞めろ」という声が出て大きければ別に良いかなと。こういう事を書くと保護者から批判を受けるのかもしれませんね。それならそれで良いと思っています。私は私の考え方があります。周りから何かを言われたからといって今の考え方を曲がる気はありません。
今やろうとしているのは「勝負事」です。この勝負は「インターハイに行くかどうか」という視点での勝負です。そこから自分自身が目を背けることがないようにしたい。本当は日本一を目指したいという気持ちがずっとあります。現状でいきなり日本一は難しい。それなら今年何をするか。3年生が切り開いてくれるならそれに乗っかって来年度への道を作れば良い。作れないなら来年は難しい。それを事実として書くことが批判の的になるならそれまで。
思うことを書いておきます。目の前にいる選手たちがどうするか。何を求めるか。ここだと思います。
駄文。まとまりなく記しておきます。