中国新人、女子の結果はこちらが思っていた以上によくありませんでした。幅跳び選手とほぼ同じ日程で練習を組んでいます。4継メンバーのうち身体が動いていたのは1人だけ。それ以外の3人は「?」という感じのスピードレベルでした。ここに大きな問題点があると考えています。「同じこと」をやっているはずなのに結果が大きく違う。これはその中身の問題です。
力が発揮できなかった理由の一つに「雰囲気に飲まれる」というのがあります。今回の女子の大半はそのような感じです。これまで全く中国を経験したことがない者が大半。中学時代の中国大会と高校の中国大会はちょっと雰囲気が違ってくると思います。独特の雰囲気の中で力を発揮できるというのは本当に難しいところです。4継メンバーのうちしっかりと走れたものは中学時代にジュニアオリンピックに参加しています。この経験が少しは生かされたのではないかと考えています。
他の者は「特別なことをやろう」という感じがありました。レース前日に「もっと動きを意識して速く走ってやろう」というのが前面に出ていました。通常通りの走りができれば十分なのに力以上のものを出そうとして失敗するパターンです。アンカーは県新人の100mの決勝でも失敗しています。普段以上の走りをしてやろうと思うから「動かない」と感じる。それが間違いなく動きを悪くしています。もったいない。
その要因をもう一度冷静に考えてみようと思いました。やはり、「普段の練習の中身」だと思っています。普段の練習、それなりにまじめにやります。当然といえば当然。言われたらそのことだけはやろうとする。特に顕著なのがトレーニングなどでは「きついけど最後までやる」という雰囲気があります。これはこれで大事なことだとは思います。基本的にうちの選手はまじめです。一生懸命にやっているふりをする選手は「ほとんど」いません。外側から見れば「まじめに練習しますね」といわれる状況だと思います。
しかし、本当にそれが良いことなのか?「一生懸命練習をする」ことを求められているのでしょうか?このような雰囲気になると「頑張ること」=「強くなること」と間違った考えが選手の頭の中を支配します。とにかく頑張れば良い。言われたことをひたすらやれば強くなると思い込んで「頑張る」ことを「頑張る」ようになるのです。ここは本当に難しい表現になるのですが「練習で追い込んだら強くなる」とか「きつい練習をすればいい」という変な雰囲気になります。簡単に言えば「頑張る自分に酔う」という感じでしょうか。
これはウエイトトレーニングなんかにも言えることだと思っています。最初は「速く走るために筋力を上げる」という部分を考えてウエイトを行います。筋力アップは目に見えて効果が出る。今まで持ち上がらなかった重さが練習を継続することで挙がるようになる。これは本当に楽しい。「自分は強くなっている」というのを体感できるからです。そうなるととにかく「重いものを挙げる」というのが「目的」に変わってしまいます。本来は「速く走るため」の「手段」「方法」であったウエイトトレーニングが「筋力を上げる」ことが「目的」になってしまって必要ない筋力アップを目指してしまいます。結果的に「筋力は上がったが走れない」という状況を招く。よくあるパターンです。
うちの女子、4~5年前にこのような雰囲気の時期がありました。「頑張る」ことがメインの練習になってしまっている。苦しい練習でも耐えて頑張る。身体が動かなくなっても頑張って動かす。この部分が練習の前面に出ていました。その中にいた私も「しっかり走っている」ということに満足していました。が、師匠から「何か違うよね」と言われてはっと気づいたのです。「頑張る」「追い込む」ことが狙いになってしまっていたということに。本来は「速く走る」ために練習をするのです。「頑張る」ために練習をするのではない。この部分で大きく路線がずれてしまっていました。
幅跳び選手と短距離女子との違いはここにあると思っています。同じ練習をやっていたとしてもその「中身」や「狙い」が変わってきていたのです。これでは絶対に強くはなりません。「頑張る」ことを頑張っていたのですから。だからトレーニングの合間に動きの確認をすることができない。合間は「疲れている自分に酔っている」のだから。幅跳び選手はトレーニングで動かした身体に動きを覚えこませるために何度も何度もドリルをします。「鍛える」ことが狙いではなくそれを「どのように使うのか」を無意識のうちに考えていたのだと思います。褒めすぎるのは良くないのでこれくらいに抑えておきますが、「爆発的な伸び」の要因はここにあると思っています。
女子の取り組みを否定するつもりはありません。練習自体はこれまでに比べるとかなりやるようになっています。あとは「目的」を何度も確認することだと思います。「頑張る」ことは素晴らしいことです。が、競技は「頑張る」ことで勝負するわけではないということをしっかりと頭に入れておかなければいけません。そこが分かってくれれば動きの一つ一つの「中身」が変わってきます。「トレーニングをする」「走る」という行動の「中身」が変わってくれば間違いなく強くなれます。これからはこの部分を意識させないといけないと思っています。外側から見ると同じ行動であってもその「中身」が違えば「結果」は大きく変わるのですから。
うちの選手には何度も何度も話をしています。が、間違いなく記憶には残りにくい。そして「理解」が難しい部分です。見えない部分の話ですから。選手はこのblogの内容を何度も何度も読んでもらいたいと思います。私が言おうとしていることを「理解」して行動の「中身」を変えてもらいたい。保護者も見ておられるかもしれません。この辺りのことをしっかりと「理解」してもらいながら、指導を進めていきたいとい考えています。
「頑張る」という行為は誰にでもできるわけではありません。今のうちの選手はかなりできるようになってきているのは間違いない事実です。しかし、「頑張る」=「強くなる」ではないということを理解しないといけない。大切なのはその「中身」であり、「目的意識」です。ここができれば全てが変わってくると思います。選手はこのblogの内容を何度も何度も読んでミーティングをしてもらいたいですね。
力が発揮できなかった理由の一つに「雰囲気に飲まれる」というのがあります。今回の女子の大半はそのような感じです。これまで全く中国を経験したことがない者が大半。中学時代の中国大会と高校の中国大会はちょっと雰囲気が違ってくると思います。独特の雰囲気の中で力を発揮できるというのは本当に難しいところです。4継メンバーのうちしっかりと走れたものは中学時代にジュニアオリンピックに参加しています。この経験が少しは生かされたのではないかと考えています。
他の者は「特別なことをやろう」という感じがありました。レース前日に「もっと動きを意識して速く走ってやろう」というのが前面に出ていました。通常通りの走りができれば十分なのに力以上のものを出そうとして失敗するパターンです。アンカーは県新人の100mの決勝でも失敗しています。普段以上の走りをしてやろうと思うから「動かない」と感じる。それが間違いなく動きを悪くしています。もったいない。
その要因をもう一度冷静に考えてみようと思いました。やはり、「普段の練習の中身」だと思っています。普段の練習、それなりにまじめにやります。当然といえば当然。言われたらそのことだけはやろうとする。特に顕著なのがトレーニングなどでは「きついけど最後までやる」という雰囲気があります。これはこれで大事なことだとは思います。基本的にうちの選手はまじめです。一生懸命にやっているふりをする選手は「ほとんど」いません。外側から見れば「まじめに練習しますね」といわれる状況だと思います。
しかし、本当にそれが良いことなのか?「一生懸命練習をする」ことを求められているのでしょうか?このような雰囲気になると「頑張ること」=「強くなること」と間違った考えが選手の頭の中を支配します。とにかく頑張れば良い。言われたことをひたすらやれば強くなると思い込んで「頑張る」ことを「頑張る」ようになるのです。ここは本当に難しい表現になるのですが「練習で追い込んだら強くなる」とか「きつい練習をすればいい」という変な雰囲気になります。簡単に言えば「頑張る自分に酔う」という感じでしょうか。
これはウエイトトレーニングなんかにも言えることだと思っています。最初は「速く走るために筋力を上げる」という部分を考えてウエイトを行います。筋力アップは目に見えて効果が出る。今まで持ち上がらなかった重さが練習を継続することで挙がるようになる。これは本当に楽しい。「自分は強くなっている」というのを体感できるからです。そうなるととにかく「重いものを挙げる」というのが「目的」に変わってしまいます。本来は「速く走るため」の「手段」「方法」であったウエイトトレーニングが「筋力を上げる」ことが「目的」になってしまって必要ない筋力アップを目指してしまいます。結果的に「筋力は上がったが走れない」という状況を招く。よくあるパターンです。
うちの女子、4~5年前にこのような雰囲気の時期がありました。「頑張る」ことがメインの練習になってしまっている。苦しい練習でも耐えて頑張る。身体が動かなくなっても頑張って動かす。この部分が練習の前面に出ていました。その中にいた私も「しっかり走っている」ということに満足していました。が、師匠から「何か違うよね」と言われてはっと気づいたのです。「頑張る」「追い込む」ことが狙いになってしまっていたということに。本来は「速く走る」ために練習をするのです。「頑張る」ために練習をするのではない。この部分で大きく路線がずれてしまっていました。
幅跳び選手と短距離女子との違いはここにあると思っています。同じ練習をやっていたとしてもその「中身」や「狙い」が変わってきていたのです。これでは絶対に強くはなりません。「頑張る」ことを頑張っていたのですから。だからトレーニングの合間に動きの確認をすることができない。合間は「疲れている自分に酔っている」のだから。幅跳び選手はトレーニングで動かした身体に動きを覚えこませるために何度も何度もドリルをします。「鍛える」ことが狙いではなくそれを「どのように使うのか」を無意識のうちに考えていたのだと思います。褒めすぎるのは良くないのでこれくらいに抑えておきますが、「爆発的な伸び」の要因はここにあると思っています。
女子の取り組みを否定するつもりはありません。練習自体はこれまでに比べるとかなりやるようになっています。あとは「目的」を何度も確認することだと思います。「頑張る」ことは素晴らしいことです。が、競技は「頑張る」ことで勝負するわけではないということをしっかりと頭に入れておかなければいけません。そこが分かってくれれば動きの一つ一つの「中身」が変わってきます。「トレーニングをする」「走る」という行動の「中身」が変わってくれば間違いなく強くなれます。これからはこの部分を意識させないといけないと思っています。外側から見ると同じ行動であってもその「中身」が違えば「結果」は大きく変わるのですから。
うちの選手には何度も何度も話をしています。が、間違いなく記憶には残りにくい。そして「理解」が難しい部分です。見えない部分の話ですから。選手はこのblogの内容を何度も何度も読んでもらいたいと思います。私が言おうとしていることを「理解」して行動の「中身」を変えてもらいたい。保護者も見ておられるかもしれません。この辺りのことをしっかりと「理解」してもらいながら、指導を進めていきたいとい考えています。
「頑張る」という行為は誰にでもできるわけではありません。今のうちの選手はかなりできるようになってきているのは間違いない事実です。しかし、「頑張る」=「強くなる」ではないということを理解しないといけない。大切なのはその「中身」であり、「目的意識」です。ここができれば全てが変わってくると思います。選手はこのblogの内容を何度も何度も読んでミーティングをしてもらいたいですね。