kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

県体~心を一つに~

2012-10-30 | 陸上競技
県体最終日、女子のメインはマイル。とはいっても120m以上の距離を走った記憶がありません。今のチームは本当に短い距離しかやっていません。この部分が良い部分であり悪い部分である。それは分かっていた部分。「マイルチーム」から「4継チーム」へと変わりました。私の性格的に以前の練習の「良かった部分」を見失っていた部分もあると思います。がむしゃらに強くなることだけを考えてひたすら走る練習がここ最近はほとんど行えていません。その状態で「マイル」で勝負するというのはなかなか難しいところです。

女子は200mにも出場しました。このような練習形態ですから200mでスピードを維持できるとは思っていませんでした。前半は走れるだろうが後半は厳しいだろうなと。高いスピードの持続練習をほとんど(全く)やっていない状況では最後の80mは持つはずがありません。2人とも最初のカーブは抜群のスピードで抜けてきましたがそこまで・・・。ラストはちょっと・・・。レース終了後にきちんと話だけはしました。「後半部分は冬期での課題である」というのを明確にしておかなければいけないからです。

ここでふと以前のことを思い出しました。高いスピード持続系の練習をしていたおかげで200mや100mでのレース後半の伸びがあったのではないかと。ここ最近は少し(かなり)偏りがありました。分かってはいたのですがこのために走りに「余裕」がなくなっていたのではないかと思います。走れるものも走れません。まだまだ未完成の状況です。来年の目処が一気に立ってきました。

繰り返しになりますがこの日のメインは「マイル」。来年云々ではなく今年のマイルです。春先には4分25秒かかっています。夏の新人では4分18秒(15秒?)程度だったと思います。この状況で「入賞」を狙うというのは本当に厳しい。分かりきっていることですが「3年生の最後のレース」だという気持ちだけが強くありました。

実際のレース、このチーム状況を知っている方々がどのような目で見られたのかは分かりません。単なる1つのレースとしてみる人もいるでしょうし、「3年生の最後」としてみてくれた方もいるはずです。通常考えれば4分13秒程度が出れば十分。8位入賞が最大の目標かなと思っていました。前日に1走の選手が個人の400mで64秒後半かかっています。他の者も同じ水準だと思っていましたから単純に4倍で4分12秒かなと。

しかし実際のレースは全く違いました。私が想像するはるか上のレベルの走りをしていました。私は役員の仕事があるのでずっとマイルのレースの流れを見ることができません。重要な場所だけを見ているだけです。1走の時点で61秒でバトンを渡しました。信じられませんでした。更に2走が最初から飛ばしていき最後までスピードを維持して2分01秒で3走へ。3走も最初から。最後上半身がバラバラにになりながらもなんとかバトンを渡してくれました。ここの時点で3分02秒!!奇跡的な走りです。他のチームに引っ張ってもらったとかではなくほとんど走ったことのない400mを最初から飛ばしていき単独でこのタイム。以前「マイルでインターハイへ」を意識した時と同じかそれ以上の走りです。アンカーは3年生。ここ最近の練習の状況から言って400mはかなり厳しい。68秒くらいかかるのではないかと思っていました。が、一人で我慢して我慢して走ってフィニッシュタイムが4分07秒!!なんと4分10秒を切ってきました!!すごいことです。さすがに信じられませんでした。

総合結果はなんと3位。賞状をもらうことができました。3位確定の放送が流れたときに遠くでうちの選手の喜ぶ声が聞こえました。私自身も本当に嬉しかったですね。通常考えられない記録です。4継の失敗を取り返すことができたかと言えばできていません。やはり4継で勝負をしたかったというのは変わりません。しかし、「想い」があれば自分が持っている力を最大限に引き出せるのです。「tokushoだからマイルは走れて当然」と思われる方もいるとは思いますが、本当に今の練習で400mを走り切れるというのは考えられません。自分たちの中で「何か」が変わってくれたのかもしれません。

選手たちの中にある「力」を改めて見せられた気がします。県新人の時と同じです。こちらが思っていた以上の力を発揮する。この「きっかけ」をくれたのは3年生の存在です。そして、取り返しのつかないミスである前日の4継の失格がこの「きっかけ」になったのだと思います。これまでのことを考えると、3年生の「想い」を考えるとこの大会は全て笑顔で終わりたかったというのが正直なところです。「秘められた力」というのを感じさせてくれたレースでした。

このことに関してはまた別に書きたいと思っています。長くなって済みません。今回は「想い」があることなので・・・。お許しを。
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県体~苦悩~

2012-10-30 | 陸上競技
女子はこの大会、4継に重きを置いてきました。というかこの1年間ずっと4継中心に考えてきました。以前のうちのチームはマイルを中心に組んでいて県内県外のイメージも「マイルチーム」というイメージだったと思います。ここ最近は400m選手が少なくなっていました。またチームの中心選手が短短メインでしたからマイルは一切考えずに4継で勝負と決めていました。

今回は3年生の引退レースとなります。春先に4継で7位となり中国に進むことができませんでした。その悔しさを晴らせるのはこの場しかないと考えていました。もちろん本当に晴らすことはできませんが納得いく形で4継を走りたいという気持ちが強くありました。そのため50秒23を出した新チームのメンバーから3走を3年生に変えた形で走ることに。他のメンバーは比較的バトンが安定してきていました。3走を変えるだけで1秒近く短縮できるであろうという感じがありましたから「チームベスト」の更新が狙いでした。

個人種目では100mで3年生エースが全く自分のレースができませんでした。月曜日は1年生に大差で勝っていたのですが1年生が決勝に進み3年生は決勝にいけないという状況・・・。今年のレースを象徴するような流れでした。加速段階が抜群に良くなってきているのですが中間に入ると全く別人の動きになってしまう。空回りするような走りです。練習とレースでは全くの別人のようになってしまいます。その流れもあってなんとか4継だけでも納得いく走りをさせてあげたいと強く思っていました。

他の選手もその部分を感じ取っていたと思います。数日前からこのレースがメインだという雰囲気がありました。この大会の少し前から感じていたのですが「大丈夫」という感覚が選手になんとなくあるような気がしていました。県新人で50秒23を出しています。私の予想を大きく上回る記録でした。その辺りから「なんとなく走れるのではないか」という感じがありました。これは私がもう少しコントロールしなければいけない部分だったと思います。選手自身が「過信」している状況がありました。「先輩のために」という気持ちが強く出ていた反面、「きっと記録が出る」と思っていた部分があると思います。

実際のレース、1走がこれまでにないくらい走りました。中国新人のときはここで全ての流れが終わっていたのですが今回は抜群の走りだったと思います。2走もリレーで走っているときはかなり良い走りをします。短い距離を中心に強化してきたつもりですからそれが実を結んできたのではないかと感じています。3走は3年生。これもかなり走れていました。49秒前半が出せるくらいのスピード感覚で来ていたと思います。が、4走が明らかな早出・・・。出た瞬間に間に合わないというのが分かるくらいでした。ここ最近は全くミスもなくバトンがつながっていました。早出することは全くなく安定して出ていたのでこちらも「大丈夫だろう」と考えていました・・・。甘かったですね。

スピードを緩めることさえできなったようです。もうパニック状態です。「待て」と言われてスピードを落とすのではなく手を上げただけだったとのこと。何をしているのか分からなくなっていたのだと思います。完全に止まって何とかバトンを渡して追い上げてフィニッシュ。50秒4との速報でしたが明らかなオーバーゾーンでした。失格です。

言葉が出てきませんでした。この県体の4継のためにやってきた部分があります。県体のメインは4継であったといっても過言ではありません。3年生の最後にリレーで賞状をもらって笑顔で終わりたい。この「想い」はもろくも崩れ去りました・・・。言葉では言い表すことのできない感情が心の中を占領していました。これは私だけではなく選手全員が同じ気持ちだったのだったと思います。

この週実は色々とありました。学校の部活動リレーで私が出場を指定した選手と他のメンバーが勝手に変わるという行為がありました。顧問の指示を無視してのメンバー変更はありえません。「勝手に行動する」というのは今までのチーム内にはありませんでした。「走りたいから走る」のではない。その部分を分かっていない。「わがまま」と捉えられてもおかしくないような状況です。この時点でなんとなく不協和音が生じていました。更にここには書けないような出来事も・・・。全体の「心」が同じ方向を向いていたとは思えない状況です。それはリレーという団体種目で出てくるのです。

一番大切なときに「弱い部分」が出る。それが今回の結果だと思っています。表面上の「想い」はかなり強かったと思います。「先輩の最後」というのが選手たちの中にはあったでしょうから。しかし、それを試合だけで表現しようとしても無理なのです。その前の段階で「想い」のエネルギーの強さは決まってくる。それを今回の結果で痛いほど思い知らされました。「バトンをミスした」というのは「結果」であってその区間だけの問題ではないと考えています。「失敗する理由」がそこにはあった。もちろん「早出」が大きな原因であることは間違いありません。しかし、その部分だけに「原因」を求めるのではなくその前段階で何かしらの問題があったのです。

このような冷静な分析をしたところで「結果」は変わりません。今回、3年生にとっては高校生活最後のレースでした。4継に対する思いはかなりあります。この1年間本当に苦しんできました。天国と地獄を両方味わった厳しい高校の陸上生活です。その最後、せめて「笑顔」で終わらせてあげたかった。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。言葉にできない「想い」があり、本人と話をしながら涙が止まりませんでした。本人の気持ちを考えるとどのような言葉を伝えてもそれは「表面的なもの」でしかない。誰もこの状況を救ってあげることができないのです。

話をしましたが何を伝えたのか記憶にありません。この高校生活を振り返って様々なことが浮かんできました。選手本人がどのような気持ちでいるのか?これを考えると切なくなります。選手全員にも話をしました。「努力は必ず報われる」ということはない。努力をしても上手くいかないことだってある。しかし、努力をしなければ上手くいく「可能性」さえもないのです。そのことがどれだけの選手が分かっているか?3年生の努力に比べると今の下級生の努力は半分以下です。それで「結果」を求めようとする。様々な部分で甘い部分が多い。服装のことにしても、普段の取り組みにしてもです。だから一番大事なとことで取り返しのつかないミスが出る。

私自身本当に苦しい時間でした。選手も同様だと思います。翌日、3年生はマイルしかありません。うちの今の状況で「マイルで勝負」というのは厳しいというのは分かっていました。それでもアンカーにバトンをつなぐことだけを考えて走る。上手くいけば8位入賞ができるかもしれません。3年生の高校最後のレースで「入賞」という「結果」を残してあげたい。そう思っていました

夜はなんだかほとんど寝れませんでした・・・。久々に心が苦しい夜を過ごしました・・・。

情けない文章になっていますね・・・。この日のことを思い出すとうまく文章にできません。すみません・・・。
コメント (2)
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