あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

サム・ウッド監督の「誰が為に鐘は鳴る」を見て

2013-06-18 10:26:54 | Weblog


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.477


1943年のハリウッド映画であるが、ゲーリー・クーパーやイングリッド・バーグマンが出演しているというのに、どうにもこうにもサム・ウッドの演出が鈍重で、せっかくのヘミングウエイの原作が泣いている。

結局頭に残るのは冒頭とおしまいにぐわん、ぐわんと鐘が鳴るところ、そしてスペイン内戦の共和派についたり離反しようとしたりして悩むエイキム・タミロフの憂悶、恋人の幸福と悠久の大義に殉じようとする主人公の悲壮な最期くらいであろうか。

題名は「誰が為に鐘は鳴ると問うなかれ。弔鐘はお前のために鳴っている。なぜなら人が死ねばそれはお前の死でもあるのだから」という英国の詩人ジョン・ダンの詩からとられたそうで、義勇兵としてスペイン内戦に参加したヘミングウエイが好みそうな言い回しと詩想である。


ぐわん、ぐわんと鐘が鳴る 誰が為に鐘は鳴ると問うなかれ そはそなたの政権への弔鐘なり 蝶人
コメント
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