bowyow cine-archives vol.675
冒頭の画面があまりにも暗いので、マーラーの「大地の歌」の「生も暗い、死もまた暗い」のくだりを思い出したが、最後まで暗い映画だった。
ちょんぼでピストルを奪われたNYの刑事リチャード・ウィドマークが、おのれの死と引き換えに、銃と名誉を奪い返す話だが、その道中で現場をほっつきまわる下っ端刑事の夫婦生活の修羅や、上司の不正やもっと上の上司ヘンリーフォンダの不倫などの暗い話が次々に出てきて、最後に主人公は防弾チョッキもつけずに突撃してゆく。
ああ人生とはなんと果敢ないものか、残された未亡人はこれからどうなるのだろう? 2人の上司はどうやって不正をもみけして生きてゆくのかといらざる心配もしてしまう。
しかしこれが我々の人世なのだと深く思いいたるところまで渋い演技を見せてくれたこれはウィドマークの代表作なのかもしれない。
なにゆえにうなぎやマグロが減ってゆく日本人が美味い美味いと食べまくるから 蝶人