闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.912&ふぁっちょん幻論第96回&バガテル―そんな私のここだけの話 op.214
なぜか名物ファッション誌の名物編集長のアシスタントに採用されたファッション音痴の女子大生が猛烈なしごきに耐えながら悪戦苦闘する話。
ヒロインは最後はその異常なまでに歪んだ世界と決別して、本来目指していたジャーナリズムの世界に入ってゆくわけだが、その悪夢のような数年間はけっして無駄ではなかっただろう。
かく申す私も文系の大学を出てから自分とは全く無縁な、もっとも苦手な世界に身を置いて、そこでも人並みに食べられるか試してみようと決意し、それまで唾棄していたふぁっちょうんメーカーの、それまで最も軽蔑していた広告宣伝の業務に投じたことがあるので、この映画のヒロインの心根は十分すぎるほど分かったのである。
で、そこからの結論。たとえどんなに苦手で異形の領域に身をおいても、人間2年間死にものぐるいでやれば、なんとかものにできるのではないだろうか。
なお同じ原作者によるドキュメンタリー映画「ファションが教えてくれること」も併せてごらんになることをお薦めします。
口語体の短歌に混じる文語体時代遅れが突っ張ってるぜ 蝶人