あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

ヴィム・ヴェンダース監督の「パリ、テキサス」をみて

2017-04-20 10:56:25 | Weblog


闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1152


ライ・クーダーのスライド・ギターの劇伴とありそでなさそな雰囲気あるシーケンス作りが絶妙な映画的時空を作り上げているが、お互いに愛しあいながらも紆余曲折、さまざまな行き違いで別々に暮らしていた男(今年90歳!のハリー・リー・スタントン)が、息子を連れて女(ナターシャ・キンスキー)に会いに行くが、どういうわけだか女の元に息子だけ置いて消えてしまう話なり。

ハッピーエンドにしたくなかった、といえばそれまでだが、懐かしの妻を取り戻しに親子で出かけたはずなのに、いくら女が賤業に従事していたからというて、子供だけ預けてとんずらするのは、いかがなものか。

映画とはいえ、一人になった男も、母子家庭になった女も、今後の生活をどうするのかが気になる。殊に可哀想なのは、兄の子を大切に育ててきた親切な弟夫婦なり。

それにしてもパリ生まれでもない可愛い女房を、本当にそうだと勝手に「妄想」してしまう夫なんて、この世にあるのだろうか。サム・シェパードの脚本には問題が多い。


  この世をば我が世とぞ思ふトランプにひれ伏し媚びる安倍蚤糞 蝶人

コメント
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