あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

真夏の洋画10本立ずら

2018-07-19 11:48:20 | Weblog


闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1367~1376


1)アーサー・ペン監督の「左きゝの拳銃」
21人を殺して21歳にして死んだビリー・ザ・キッドの生涯を若き日の名匠ペンが描く。なんといってもビリーのポール・ニューマンと彼を射殺する保安官役のジョン・デナーがはまり役ずら。それにしてもなんで題名を「左利きの」にしなかったのか。

2)アーウィン・ウインクラー監督の「ナイト・アンド・ザ・シティ」
ロバート・デ・ニーロ扮する3流弁護士が、ひと儲けしようと大ばくちに乗り出すが、あえなくすべてを台無しにしてしまう悲しい自滅の物語。
気が弱いくせに強気に出てほぞをかむという経験は誰にもあるだろう。
私はリーマン時代の大失敗を思い出して、主人公にいたく同情したことだった。

3)ヤノト・シュワルツ監督の「ある日どこかで」
時間と時代を超えて男と女が愛し合うといいありえない話をさもありげに描き出すのは強度の幻想力を内蔵するこういう映画ならではの特技である。
それにしても純愛青年を演じるクリストファー・リーヴの初々しいことよ!

4)M・ナイト・シャマラン監督の「アフター・アース」
地球滅亡後、他の惑星に移住したウィル・スミス親子の苦闘と冒険を描く。
ひ弱と思われた息子が超人的にぐあんばって、将軍の父親の危機を救う宇宙時代の親子鷹物語であるが、さっぱり面白くないずら。

5)ブライアン・デ・パルマ監督の「アンタッチャブル」
カポネ演ずるデ・ニーロはうまいなあ。
背後からバットで裏切り者を殴り殺すシーンは何度見ても恐ろしい。
正義の味方のチャールズ・マーティン・スミスとショーン・コネリーが殺害されるシーンも可哀想で見るに耐えない。
で、そういうのが得意なのがデ・パルマという監督なのだ。

6)デヴィッド・フィンチャー監督の「ベンジャミン・バトン数奇な生涯」
老人で生まれてどんどん若返りながら人世を終える男の物語。
こういう小説をスコト・フィッツジェラルドが書いていたとは知らなんだが、じつに面白い映画にしたもんだ。
別にブラッド・ピットやケイト・ブランシェットが出なくても成功したと思うが、幕切れで演出がややもたもたするのが残念。

7)フランシス・フォード・コッポラ監督の「ランブルフィッシュ」
影の濃淡が幻想を帯びる演出はチャールズ・ロートンの「狩人の夜」の影響を受けたのだろうか、独特の印象を残す。
主人公の弟をマット・ディロン、恋人をダイアン・レイン、友人をニコラス・ケイジ、兄をミッキー・ローク、父をデニス・ホッパーが演じているが、マット・ディロン、ホッパーが最高にいい味を出している。

8)フィル・アルデン・ロビンソン監督の「フィールド・オブ・ドリームス」
いわゆるひとつの心霊ムービーではあるが、野球大好きロマンが絡んでいるだけに抹香くさくはない。
亡き父親とキャッチボールするラストは、何回見ても泣かせる。
実際に沢村やスタルヒンが出てくるこういう野球場が、日本のどこかにあったら、入場料が200ドルでも、みな押しかけるだろうな。

9)リュック・ベンソン監督の「マラヴィータ」
マフィアに追われて世界中を逃げ回るマフィア一家の凸凹珍道中。
2013年製作のこの欧州製映画は、ディアナ・アグロン、デ・ニーロ、ミシェル・ファイファー、トミー・リー・ジョーンズなどの、壺にはまった演技をみせてくれるのだが、映画とはいえ冒頭からあまりにも安直に人を殺すので、この監督は、殺人に肯定的なのかと、だんだん不愉快になってくる。

10)ブライアン・ヘルゲランド監督の「42」
全米球団から42の背番号が永久欠番に指定されている史上最初の黒人大リーガー、ジャッキ・ロビンソンの感動的な物語。
当時のアメリカ社会の人種差別の物凄さも如実に描かれている。
ロビンソンをブルックリン・ドジャースに勧誘した先見的なオーナー役を、ハリソン・フォードが好演。2013年のハルウッド映画ずら。

  フェアプレーではなかったがフェアプレーポイントの差で決勝進出 蝶人

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