病院からの帰り、朝から昼にかけての嵐がうそのように静まったころ、住宅街の中を歩いていたら、少し古風な家の軒先に月齢14日くらいの大きなお月さまがぼうっと出ていた。
おぼろ月だね、毎年春には見ていたはずだが、すぐに忘れてしまう。季節の移り変わりは、早くて、その時々の風景もどんどん忘れていく。
人の記憶のはかなさを、恨めしく思う。
記憶にとどめておきたいことは、自分のことであり、それは数え切れないほどたくさんあるのに、スポーツや事件などによってかき消されてしまう。
社会との接点を持つと、どうしても社会で起きていることにかかわらなくてはいけないのだが、それにしても不必要な下らないことも多い。
自分の人生が半分をとっくに過ぎて思い始めたことかもしれないが、若いころ感じた、人生が目の前に無限に広がっている感覚が失われている。
私は毎年、春にはこの月を眺めていたはずなんだけどね。
おぼろ月だね、毎年春には見ていたはずだが、すぐに忘れてしまう。季節の移り変わりは、早くて、その時々の風景もどんどん忘れていく。
人の記憶のはかなさを、恨めしく思う。
記憶にとどめておきたいことは、自分のことであり、それは数え切れないほどたくさんあるのに、スポーツや事件などによってかき消されてしまう。
社会との接点を持つと、どうしても社会で起きていることにかかわらなくてはいけないのだが、それにしても不必要な下らないことも多い。
自分の人生が半分をとっくに過ぎて思い始めたことかもしれないが、若いころ感じた、人生が目の前に無限に広がっている感覚が失われている。
私は毎年、春にはこの月を眺めていたはずなんだけどね。