先日、ブログについて「なぜ、私生活を世間一般にさらす必要があるのか」と尋ねられた。そんなことを尋ねてきた人自身、私よりもよほど素晴らしい文章に美しい写真を付けたブログを書いているので、そんなことを聞かれてもなんと答えていいか困る。
ただまあ、ブログについて考えるにはいい機会だ。
私にとってこのブログは日記兼エッセイ集。具体的な事項が書かれていなくても、キーになる言葉や写真をみたらいつのどんなことかはすぐわかる。
そしてエッセイ、すなわち随筆として日々考えることを綴る。世の中にあまたいるエッセイスト、随筆家とやっていることは同じ。小説家にしても、自身の頭の中で考えたことを物語として書き表しているという点ではあまり違いはない。
私のことを嫌っている人もたまには読むかもしれないし、読んでいるうちに私のことが嫌いになる人もいるだろう。それもまた、世の中の文章家と同じ。
かつては文章の達人にしか許されなかったことが、私のような一般人でも愚考を開陳することができる。これをもって“私生活をさらす”とはならないだろう。
それでも、自分が病理医だとか犬を二匹飼っているということを書いているだろう、と言われたらどうしようもない。
価値観は多様で、常に移り変わる。ある意味、難しい世の中だ。