半日仕事のあと、職場を出たら、アプローチの横にシロツメクサが群生していた。
ふと、四葉のクローバーを探す名人という人がいたのをテレビで見たことを思い出した。
そういえば、私は病理医なんだから、四葉のクローバーを認識しようと思ったら、案外簡単にできるのではないかと思って、少し顔を近づけてみたらあっさり見つかった。
コツはわからないが、病理医の目、というかそんなものがあって、どこかで普段の顕微鏡仕事で腫瘍細胞を見つけることと共通することを無意識にやっているのだろう。
昨日はその後、都内で病理学教室の同窓会があった。
私(コロ健)は某医科大学の出身で、そことは別の大学の病理学教室に入った。
学生時代に病理学の薫陶を受けた素晴らしい先生がいて、その先生の弟子になりたかったのだが、当時は助教授(今でいう准教授、その後他所の大学の教授になった)で弟子をとっても学位を取らせるまでの面倒を見てやれないので、その先生の出身校の病理学教室を紹介してやると言われてそちらへ進んだ。
紹介された病理学教室は伝統ある名門で、入った時から今に至るまで分不相応なところと思っているものの、かれこれ30年以上のお付き合いとなってしまった。
今年、久しぶりに対面での同窓会を開くというので出席した。
コロナ禍でしばらくお会いしなうちに何人かの先生が鬼籍に入り、定年で引退された先生もずいぶん老けてしまっていて、時間が経つのは全く早い。
そうかと思えば、ひとまわり下の後輩がどこかの大学の教授になっていたりして、自分だけ年が止まっているような気もする。
何はともあれ、お世話になった先生、見たことのない若手等々あれこれの人と立ち話をしたり、会釈だけで済ませたりするうち、距離感というのはいつまで経っても変わらないものだと余計なことを考えた。
会が終わってからはよく飲むメンツで飲み直し、あれこれ語り合った。
私の愚痴も少し聞いてもらうと、誰も同じような人間関係問題を抱えていて、そうならないようにするにはどうするかという話になりずいぶん役に立った。
人間しょせん一人とはいうものの、愚痴を聞いてくれる仲間がいるというだけでもずいぶん幸せなものだ。
病理医は一人というわけではない。
見つかったのはたまたまかも
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