今日のタイトルは私が思いついたものではなく、行きつけの床屋さん(男)の言葉。髪型について妻や娘がああだこうだ言ってくるので面倒だと愚痴ったらこう”しみじみ”と諭されたのだった。
これには続きがあり、
世の中ね、なんだかんだ言って女の人が回しているんですよ
とも。たしかに男がいくら虚勢を張って威張ったところで、世の中半分は女なんだから当然といえば当然の話だ。
今年の芥川賞・直木賞のノミネート作品が発表され、芥川賞の5人全てが女性、直木賞も5人中4人が女性だそうだ。私が女性の芥川賞受賞を意識し始めたのは、綿矢りさ、金原ひとみが揃って受賞した時で、かれこれ18年前になるそうだ。それまで芥川賞といえば太陽の季節の男根崇拝一辺倒のような気がしていたが、女の子がオタクの背中を蹴るという新たな情景を読み、男性と女性の立場の変化を感じたが、未だにそれが完全に受け入れられていないのは残念だ。
表現型としての男女の区別より、性自認の視点から男と女をどこで分けるかは難しい。圧倒的に女性的な男がいる一方で、男性的な女もいる。女装家とかオカマのような男性がトレンドになって久しいが、そういった人たちがなぜ“受けるのか”を考えた時、これはやはり女性的な視点にたった思考が多くの人に受け入れられるのだろう。ただ、こういった人たちが十分に活躍できているかというと、まだまだだ。埋没しつつある日本が今の困難な局面を打開するには、女性の登用のみならず、こういった女性的な視点をもつ男性を活用していくのも有用なことなのではないだろうか。
床屋さんによると、女性の言う通りに行動すれば間違いないということだ。そうしたらモテるし、何かを買うにしてもその通りにしておけば大体は役立つらしい。モテるとか、役立つとかいうのに永続性のないことが若干不安になるが、飽きっぽく、移り気だというのも女性の特性なのだからそれは仕方ない。それに、そのおかげで経済はますます回っていく。私も妻の言う通りにしていたらいいのだろうが、なかなかそうしないものだからしょっちゅう失敗して、結局あとから謝ったり、助けてもらったりすることになっている。
言わんこっちゃない
市井の人の中に、思いがけない至言を聞くことがありますが、それをキャッチできる力を、私も持ちたいです。