
新学期というのに電車が遅れ、駅のホームには通勤、通学の人が溢れていた。真新しい服に身を包んだ人も多く見受けられ、若さと活気が感じられた。そんな新人の人たちは与えられた場所で与えられたことを全うすることをまずは第一と考え頑張って欲しい。実は、これ、おととい、寝落ちして書ききることのできなかったテーマ。
私の息抜き・気分転換であるガーデニングとか料理、必要にかられて行う大工仕事をやっていて、最近わかってきたのは準備と後片付けの大切さ。準備と後片付けの時間を合わせたら、実際に手を動かしている時間と同じかそれ以上かかることもある。というのも準備といっても、計画・立案、予算設定に買い出し、当日の道具出し、後片付けも用具の洗浄、整理、清掃などなど、やらなくてはならないことは数え切れないほどある。
実際の作業、寄せ植え、料理、日曜大工、そんなことをやっと始めてみると、案外あれこれお考えることはなく、準備の段階で大まかに考えていた通り黙々と手を動かす。そんなある時、どんな仕事・作業であってもまずはこういうことから覚えなくてはいけないということに気がついた。
見て盗め
と、先輩職人が後輩に向かっていうことを不親切、今風に言えば放置プレイ、のような言い方をするが、そんなことはない、ひたすら準備、ひたすら後片付けをやらされたからといって、そこから学ぶことは山ほどある。妻にそのことを話したら、
そうよ、職人さんだったらそうするうちに仕事の段取りを覚えるでしょう。今やらされているのはなんのための準備で、片付けたら作業がどう終わるかを見届けられるでしょ。お料理だってそうよ、皿洗いだったら、お客さんが残したソース、ワインの味を勉強できるし。なんでも準備と片付けは大切なのよ。
と、あっさり言われた。さすがは職人さんと仕事で関わっていた経験のある人の言うことは違うと感心した。

新社会人の人で、
これは自分のやりたかったことではない
と、不満に思う人はいるかもしれない。でも、そういう先輩、上司の深謀遠慮を知っておくといいだろう。まあ、そんな若い人がこんなおじさんのエントリーを読んでくれることはないだろうから、むしろ私の世代の人間の目に触れて、考えてくれるきっかけとなってくれたら嬉しい。
このご時世、見て盗めばかりでは心の折れてしまう人も 少なくないだろうから、準備、片付けでまずは段取りを覚えるということが大切だよ、などと一言二言は話してあげることは必要かもしれない。飲み込みの早い人であれば半年か一年でそれなりのことをするようになるだろう。ただ、そこから本人に任せてみると、そこからこそが試行錯誤と苦労の連続だということは教えようもなく、あとは本人次第ということになる。
勉強ー診療ー勉強