ただでさえ31日ある上、唯一の祝日である体育の日がオリンピックに持っていかれたので、今年の10月はよく働いている。昨年は即位の礼もあったので、それと比べるとずいぶんな違いだ。そのせいか、仕事も多くて、未だコロナ麻痺のような状態にある私には厳しい状況が続いている。11月は休みが二日あるので、あと一息頑張ろう。
昨晩、NHKのニュース9に菅総理大臣が出演して、日本学術会議の任命問題について説明していた。その中で、”一定の大学に偏っている、若い人、地方の人、そういった人に加わっていただけるような仕組みが必要”というようなことを言っていた。確かにそうなんだろうな、と想像していたが、案の定そうだった。
会員一覧(50音順)をながめてみると、東大が圧倒的に多くて、あとは慶應東工大東北大も案外多かった。早稲田、京大、北大、九州大学はそれほど多くない。現在の所属は東大でなくても出身大学が東大だとすれば余計に増えるのではないか。
東大は日本の知をリードするためのエリート養成校だからある程度かたよった分布はわかるが、あんまり固まりすぎていても学問の柔軟性、自由が狭められてしまうのではないか。出身中学、高校だって同じようなところを出ている人は複数いるだろうから、多様性は余計にとぼしい。菅さんは”細かいところまでは言えません”と話していたが、たしかに、会員の相当数が東大ですよ、とまでは言えまい。紳士的な対応だ。それに東大が悪いなんて思っていないだろうし。ただ、それが引き継がれていくということで、組織が硬直化してしまうかもしれないというのは当たり前の論だ。
国家公務員だなんだという身分については詳しいことはよくわからないが、皆さん所属先から給料をいただいているだろうから、公務員といってもちょっと違うのではないだろうか。
菅さんばかりがたたかれているが、学術会議側の言い分も十分に聞きたい。喧嘩は両方の言い分が出そろったところから始まる。憲法違反とまで言う深刻な問題なのならば、しっかりと説明してほしいものだ。少なくとも、昨晩菅さんが言ったことに対して反駁できるか、是非とも教えていただきたい。
蛇足となって恐縮だが、会員一覧には、すでに鬼籍に入られて久しい方のお名前がありびっくりした。会員の入れ替わり状況もよくわからないようでは、いったいどんな体質なのかと問われても仕方ないような気がする。
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なんてことを出勤の時の下書きに書いていたが、この話、前から問題になっていたみたいで、ネットニュースにこんな記事が今日流れていた。
”加藤勝信官房長官は27日の記者会見で、日本学術会議の会員構成が一部の大学に偏っていると批判した菅義偉首相の発言について、所属先にとらわれない人選が重要との認識を示したものだと釈明した。「大学の所属先や民間、地方といった意味でバランス良くと言っている」と述べた。
今月任命された会員99人のうち東大出身者が最多だったこととの関係を問われると「個々の人選について言っているわけではない」と述べるにとどめた。首相は26日夜のNHK番組で「結果的に一部の大学に偏っている」と批判していた。”
すでに問題になっていたわけか。“最多”ってどのぐらいだったのだろう。学術会議自身がこのことも説明するのがとても大切なことではないかと思う。エリートが悪いわけではないけれど、エリート以外にチャンスがないのはどうだろう。
また立ち上がれる社会を
選良の方々が多く選ばれる現状だと、
まだまだ、一元主義が根強く残っているのでしょうね。
もう少し、多元主義へと傾いてくれたらなぁ、、、と考えますが。
多少、学歴が劣っていても、斬新な考え方のできる人はいますからね。
かといって無能な人に任せるわけにもいきませんし、十分議論して欲しいものです。