米国プリンストン大学上級研究員の真鍋淑郎さんの地球温暖化研究に対して今年のノーベル物理学賞が贈られることとなった。日本語でインタビューに答えている姿を見ると大変嬉しいが、研究は米国で行われたものだ。
真鍋さんは1950年代終わりに日本での研究成果が認められ、アメリカの研究機関にスカウトされ、そのまま米国にとどまって素晴らしい研究成果を挙げた。米国からのスカウトといえば野球の大リーグ。世界中の野球人が目指す最高峰の場であり、エンゼルスの大谷選手などは投打の二刀流というエースで4番の大活躍をして観るものを大いに湧かせてくれた。
これまでも何人もの日本人が米国に活躍の場を求め、成功した人も少なくない。そのほとんどの人は日本で基礎的な訓練を受けている。そのことを考えると日本の初期教育システムは決して悪くはないのだろうが、その後の”育て”の部分があまりうまくいっていないのではないかと思う。
米国との国力の違いはいかんともしがたいが、それよりも環境はなんとかならないだろうか。米国の名門大学であれば学生がノーベル賞受賞者を取り囲む写真を当たり前の様に目にするし、大リーグであれば多くの子供が楽しそうに観戦している。
この国は、子供・若者、さらには女性に対して優しくしてきただろうか。おそらくそうではなかっただろう。島国であるが故か、男尊女卑・家父長制を見直す視点にかけたままできているが、そのツケが今の国力の低下につながってきているということを、いつの間にか何もしない既得権益者になってしまっている中高年男性は理解し、制度を変えていかなくてはならない。
ジリ貧