こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

雨続き、さらには真冬一歩手前の気温

2017年10月16日 | 日々思うこと、考えること

秋雨前線が活発で、昨日今日明日と関東地方はどっぷり雨雲の下。気温も15度に届かず12月中旬ごろの気温とか。寒さ対策にセーター、マフラーを引っ張り出したけど、少し甘かったみたいだ。いよいよこのまま冬に突入かと思うと、少々気も滅入る。総選挙は雨のなか戦いが続けられている。

家で溜まっている仕事を片付けようと資料・書類を持って帰ったけれど、低気圧のせいか体調が今ひとつで、今朝はそっくりそのまま病院に持って行くことに。気温差に体が驚いているのだろうか、先週末から風邪気味で、お腹の調子も今ひとつだ。昨日は犬が主演の映画を見て元気をもらったが、よくよく考えると、内容は深くて同時に疲れもした。家ではナイトも外に出られないで、一日中ぐったりしている。コロはいつも通りだが。

東北行から1週間。ずいぶん前のことのように感じられる。八甲田の紅葉はもう終わりかけだろうが、少し標高の低い奥入瀬は今がピークだろうか。車で往復1,500キロ。計画した後になって途中で挫折するのではないかと少し心配になったけど、妻と協力してなんとか行ってくることができた。気力はまだ残っている。

雨には元気を奪われてしまうけど、心を落ち着かせてくれもする。通勤の時には耳を澄ませて心を穏やかにして歩いてみよう。雨粒を見ながら、靴音、自動車の音の中からシトシト降る音を探し当ててみたら、雑念から少し離れることができそうに思う。

傘の置き忘れにはご注意

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僕のワンダフル・ライフ(A DOG'S PURPOSE)・・・今を楽しく、大切に

2017年10月15日 | 読書、映画、音楽、美術

僕のワンダフル・ライフ”。娘がいい映画だと言っていて、帰って来た途端にすぐに二匹の犬に抱きついていた。

興味を持ったのだけど、お涙頂戴の映画はどうかと思って二の足を踏んでいた。昨日、妻と観に行こうと予定していたのだけど、出かけようとするとナイトが寂しそうな顔をして私を見る。これでは置いていけない。

今日は、息子が留守番をしてくれるというので、我が家のマルチーズのコロもフラットコーテッドレトリバーのナイトも息子に任せて妻とみなとみらいまで観に行った。

いざ観てみれば、自分の存在意義、生きる目的を考える犬、という少々哲学的な内容。犬の寿命は短いけれど、共に生きている間はたくさんの愛情を飼い主に注いでくれる。でも、あまり前後のことは考えない。それと同じかどうかわからないけど、人間社会と犬の思いがテンポよく進んで行く。


愛情を与えることが犬の使命?そうかもしれない。

犬と一緒に過ごしているのに気がついていないことはたくさんある。製作者の意図はとても深遠なものだと思うけど、とにかく犬たちにもっともっと愛情を返してあげたい。そんなことを思わせてくれる映画だった。

ワンコ版ゴースト、という感じのところもあったけど、とにかく犬の飼い主さんにはとてもおすすめの映画です。

私の人生の目的は?

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やはり泣けた


楽な方へばかりと流れる

2017年10月14日 | 日々思うこと、考えること

先日行った奥入瀬渓流は、苔の名所として有名で、散策中虫眼鏡を使って苔を観察することができる。

で、これが虫眼鏡とスマホカメラを組み合わせて撮った苔の写真。

普段、顕微鏡写真を撮っているからか結構上手にできた。だからと言って、それ専用のカメラを買おうという気にはならないのだけど。

コンデジも使わなくなってしまった。

それにしても、人間、楽な方へ楽な方へと進んでしまうものだ。

レベルが下がる

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仕事の密度が濃くなってきた

2017年10月13日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
 うーん、のんびり旅行など行っている場合ではなかったみたいだ。

 月末に講演が一本あるのだが、30分と短いのと、わりと時間があると思っていたら他の仕事が並行して押し寄せてきた。なんとか発表のメドが立ったけど、まだまだ頑張らないといけない状態。

 研究費の応募書類の作成、研修医のCPCレポートの指導、12月にある国際学会のプログラム作成があって、さらには自分自身の病理専門医の資格更新の締め切りも10月いっぱいということで、一気に仕事の密度が高くなってきた。

 大学病院で研修医が多いので必ず指導が回ってくる。今月は一人長期で研修に来ている先生もいるので、あれこれ指導してあげないと貴重な時間が無駄に過ぎてしまう。国際学会はホスト役で、演題を集めないといけないのだが、海外からの出題がまだない。催促のメールを出しているのだが、なしのつぶて。少し焦っている。

 専門医資格の更新も大変。ゴタゴタ続きの日本専門医機構の専門医資格に移行するので、これまでと勝手が違う。幸い、病理学会は丁寧に指導してくれているので、それに従えばいいようだが、若干不安もある。まあ、点数は足りているはずなので、あまり心配していない。その時はその時だろう。とにかくとっとと書類を出したい。

せっかく英気を養ったのだから

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溢れるあまたの中から納得できるものを選んで

2017年10月12日 | 日々思うこと、考えること

デマ、流言飛語の類は古今東西にあって、多くの悲喜劇を生んで来た。古代ギリシャの時代にはすでに政治手法にも用いられていたので、人類の歴史からしたら数千年の歴史を持つ伝統だ。最近ではフェイクニュースという言い方をされるネット上を飛び交う情報もそうだし、またぞろ始まった女性政治家おろしの週刊誌ネタのようなものだってどこまで本当なのかわかりはしない。

人間の持つ能力はごく限られていて、世界のことを全て知ることはできない。わかるのはせいぜい、高いところに立って見回す周囲1、2キロの風景ぐらいで、人間関係となると家族のことのごく一部の古語ぐらいだろう。でも、妻が何を考えているかの全てを知ることはできない。選挙になると政治家が街頭に立って直接話を聞くことができるが、いつの間にか政党が変わっていたりとかしてややこしい。だから、人の言うことを聞くのだけど、それが嘘偽りではどうしようもない。

医療情報にしてもずいぶん錯綜している。効くのか効かないのかわからないサプリも氾濫している一方、癌治療のような高度な専門性を求められる領域でもよくわからない治療方法がどんどん提案されている。サプリについては私もしばらく前からあるものを一つ飲んでいるが、効果のほどはわからない。だが、一時期味覚が著しく減退した時があって、そのときに飲み始めた亜鉛は確実に効いて、味覚が戻った。亜鉛の補充はサプリの服用とは若干意味合いが違うが、少なくともその錠剤に亜鉛が入っていて効果をもたらしてくれたということは確かだ。実体験が何よりも確かであることの証左だ。

結局のところ、情報を集め、取捨選択した上で身をもって経験することでしか、物事の真贋、真実を確かめることはできない。なんのためにそうするかというと、自分の行動への身体的、精神的安定がある。だから、行動基準はこれ以外にはない。”納得”できさえすれば人間どうとでもなる。そのために、世の中に溢れるいろいろな情報から、一番自分が納得できることを選ぶ。今度の総選挙もそうだ。民主主義の根幹、というか最大公約数が選挙という方法なのだから、トランプさんを大統領に選んだアメリカ人はそれはそれで納得しているだろうし、今回、投票する私たち日本人も、一番信用できる情報を探し出して投票し、誰が勝っても納得するしかない。

棄権はダメ

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コロちゃんご機嫌斜めで

2017年10月11日 | 犬との暮らし

昨晩はマルチーズのコロのご機嫌が垂直にそそり立つほど斜めで我が家はおお騒ぎだった。

体調が悪かったのか、どこかぶつけて痛いところがあったのか、それともただ単に虫の居所が悪かっただけなのかはわからないが、とにかく機嫌が悪かった。妻が出した餌を食うともなく、ずっと餌皿の前で立ったり座ったりして、誰かが近づくと唸る。

私なんぞ、餌皿の横にスリッパを脱ぎっぱなしにしたのが運の尽き。なんの気なく取りに近づいたら飛びかかってきた。マルチーズとはいえ、犬は犬。一度噛まれたら大変なことになる。少なくとも2週間は傷が痛むほどの噛み傷を作られてしまう。

しばらくは遠巻きにして見ていたのだけど、目があうと飛びかかってきて逃げる羽目に。こんなに機嫌が悪いのは珍しく、年に一度か二度あるかないか。


ナイトも災難だった。

庭に出るにはコロの餌皿の横を通り抜けないといけない状況になっていて、近づくととんでもなく吠えられてしまう。フラットコーテッドレトリバーのナイトの場合、体格差のため、コロが横っ腹にぶつかってくる。時々噛まれもするようで、やはり痛いようだ。そんなわけで、機嫌の悪いコロのせいで、ナイトも身動きが取れないでいたのだが、オシッコがしたくなってしまったらしく、私たち人間に向かって吠えてくる。普段だと、庭に出る扉の前で一度吠えるだけなのだが、昨晩はそれまで我慢していたのか、何度も吠える。庭に通してやりたいので、せめて扉だけでも開けてやりたいのだが、少しでもそちらの方に近づくとコロが唸るので、私たちもどうしようもない。仮にそうしてやったところでナイトがコロの横を突破するかもわからない。いずれにせよナイトも部屋の奥で固まっている。妻と私とナイトとでコロのことを取り囲んでいるうち、娘が帰ってきて包囲網に加わったが、やはり餌皿の前で餌とにらめっこしている。で、ナイトは玄関周りで外に出してオシッコをさせた。

10分か15分、そんな膠着状態が続いたのち、コロもどうやら落ち着いてきて、餌を食ってくれた。でも、しばらくは機嫌は悪いままだった。

餌はすぐに食わない、散歩は嫌いと、ナイトとは真反対でコロは気位が高く扱いが難しい。

おととい鎌倉警察の地域課のおまわりさんが巡回で訪問して来た時、お客さんが来たのを喜んだナイトがぐるぐる回っていたら妻が、「この犬の他に白い小さいのもいるんです。散歩嫌いなんで、ご近所の方もあまり見たことないんですけど」と話したら、おまわりさんが「あ、そうなんですね。私の家の犬(柴)も散歩嫌いなんですよ」と答えた。「へえ、そうなんですね。散歩嫌いの犬って、いるんですね」と、ひとしきり盛り上がった。

餌の食いも悪いという話はしなかったが、おまわりさんのところの柴はどうなのだろう? 今度お会いしたら聞いてみよう。

犬も色々

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仕事があるということはいかに幸せなことか

2017年10月10日 | 日々思うこと、考えること

一晩寝てもやはり腰は相変わらず痛いけれど今日は休日ではない。さすがは10月10日、いい天気だけど今や平日。今日は夏日になるそうなので、型通りに運動会でなくて良かったかもしれない。

よほどのことがない限り家で静養というわけにはいかないから、少々腰が痛くても仕事に出る。

私一人いなくてもなんとかやっていくことはできるだろうけど、少なくとも今日明日いなかったら困ってくれる人はいる。でも1年も経てば私の代わりは見つかるだろうし、臨床とのバランスも取れるようになって、何事もなかったかのように仕事は流れていく。人間社会は柔軟に適応して変化していくものだ。

休み明けだから、通勤電車が多少は新鮮に感じられるだろうと思っていたが、特にそのような感慨はなかった。20年以上も通勤電車に揺られくればこのようなものだ。奥入瀬のざあざあいう渓流の音も、八甲田の紅葉も思い出の中に閉じこめ、仕事に取りかかろう。

 

世界では、仕事をしたくてもできない人が数限りなくいる。でも、仕事をしなくては誰も助けてはくれない。だから、仕事があるというだけで幸せだということを噛み締めねばならない。いやいやする仕事、人間関係で苦労する職場、明日をもしれない勤め先、そのような心配は今のところない。私自身、ここ数年で職場を二度も変わって何も不安がなかったといえば嘘になる。であるならば、余計に幸せを感じ、頑張っていいだろう。あんまり根を詰めると血圧が上がってしまうので、静かに今の環境を受け入れ、できる限りの力を発揮したい。

人生は早く短くもある

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旅の疲れはギックリ腰

2017年10月09日 | 日々思うこと、考えること

連休と組み合わせてとることができた今年の夏休み。体育の日の今日はゆっくり休むつもりでいた。やっぱり青森まで車で往復というのは疲れた。

途中、十和田湖・奥入瀬・八甲田を通って青森まで行って、帰りは松島に寄ってきた。ほぼ1,600キロ。このうち、帰りの300キロほどは妻に運転してもらった。

久しぶりに犬の散歩をしたあと、車についた汚れを落としていたら、ピキッときた。あーあ、やっちまったぜギックリ腰。

長時間ドライブが響いたのだろう。5時間も同じ姿勢でいたのだから仕方ない。気をつけなくてはいけなかった。休み休みで行ったし、ちょっとは伸びをしたりしていたのだけどもう少ししっかりストレッチをしたら良かった。長距離トラックやバスの運転手さんが重労働だということがよくわかった。


どのみち今日は何もする気は無かったので痛い腰をいたわり、午後は横になって過ごした。
ゴロゴロしていたら、時々うとうとする。長時間の運転は首も固定しているからだろうか、頭もしびれる。

そのままぐっすり眠れたらいいのだが、明日からの仕事のことが気になるのか、仕事をする夢で目がさめた。

1日早いよ

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遅い夏期休暇もおしまい

2017年10月08日 | 自然災害・事故・感染症

夏休み休暇を使っての旅行は今日でおしまい。妻と青森まで車で行った。

常磐自動車道で帰還困難区域を抜けた。浪江村を通った時、人は誰もいなかった。前後の場所も、除染作業だろうか、作業員の人の姿がちらほらと見えただけだ。海の方には原発の煙突が見える。これほど広い範囲が汚染され、人の住めない場所となっている。汚染土を包んだ黒い袋がところどころに集められて、山積みとなっていた。田んぼのあったところはそのままの形の荒地となっていて、ススキと黄色の花をつけたセイタカアワダチソウが競うように咲いていた。

今度の総選挙の争点の一つでもあるけど、原発のことは、よくよく考えないといけない。


帰りに松島に行ったら、津波の時の写真が飾ってある店があった。

東日本大震災は終わってなかったし、そこから新しい歴史が刻まれつつあった。

往復車はやっぱり疲れた

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家族みんなで一緒に年をとっていく

2017年10月07日 | 家族のこと

子供ができて以来、夫婦での旅行というのは数えるほどしかない。旅行といえば、子供たちが一緒。

二人でゆっくりということはなかなかなかった。下の娘が小学生になったぐらいで、身の回りのことが自分でできるようになって、ずいぶん楽になったが、妻は娘のアレルギーにいつも気を配っていた。息子は手がかからなかったので、楽ではあった。

いつも子供が一緒で、それはそれで良かったが、夫婦で気の休まることはなかった。今度の旅行はその数少ない旅行の一つとなるだろう。


でも、次旅行する機会があったとしても、子供達二人が揃ってついてきてくれそうにはない。

そうすると、この旅行は夫婦だけの旅行の始まりかもしれない。

家族というもの、みんなで一緒に年をとっていく。

今度はワンこも

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カップル百景

2017年10月06日 | 愛と女性とジェンダーと

観光宿に来るのは、カップルかグループか。
カップルにはいろんな組み合わせがあって面白い。今回は少し山の方に来たのでツアーが他のカップルと一緒になることが多い。
この人たちどう見ても夫婦だよ、というようなカップルがいる一方で、60もゆうに過ぎていそうなカップルで、女性のほうがやたらはしゃいでいる、というようなどう見ても不倫だよ、というようなカップルもいる。髪を真っ黒に染めているのだけど、てっぺんが真っ白で初冠雪の八甲田山のような男の人と、30代半ばのような女性との、やっぱり不倫だよなというようなカップルもいた。白髪染めが痛々しい。

好き同士でいるのはいいけれど、男性の方はよくわかっていないことがある。

家庭で、奥さんとどうなっているのかは預かり知らないが、まあ、隠してはいるだろう。そうすると、そこで、隠すことに関連したストレスが生じる。

そして、、、不倫相手に義理立てして小旅行までなんてなってくると、こっちもおろそかにできないということ。となると、また忙しい。

こういう男って、不倫相手にもそのうち飽きちゃうから、またまた別の愛人を作って、余計忙しくなる。まあ、それも楽しいのだろうけど、私にはそんなことは到底できない。

私たちは、どう見ても・・・

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小糠雨と中秋の名月

2017年10月04日 | 日々思うこと、考えること

あっという間に本格的な秋が来て、肌寒いほどだ。あいにくの曇天のスタートで、ナイトと歩いていたら少々雨に降られてしまった。小糠雨とはよくいったもので、糠のような雨滴がいつのまにか体にまとわりつく。暑い日であればミストシャワーという言葉もあるかもしれないが、やはり日本語の豊かさにはその都度驚かされる。仕事場には窓がなくて、医局に戻ったり手洗いに立った時にしか空を見ることはない。

 

そんな時、たとえ窓枠に切り取られた小さな空であっても、青空がのぞいていたりすると嬉しい気持ちになる。

 

今夜は、月が美しい。

夏の暑い日、源頼朝が妻政子のために白衣を張りわたして雪に見立てたという絹張山が白く照らし出されている。

十五夜だけど、まん丸ではないとのこと。満月になるのは明日らしい。

月が綺麗な日の夜は寒くなるそうだから、体調を崩さないよう気をつけないといけない。

 

日本はいいね

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待つのは上手な真面目そうな研修医たち

2017年10月03日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと

以前いた専門病院に来る研修医は、後期研修医しかおらず病理診断の結果に興味を持っている医者は多かったけれど、病理を将来の選択肢としているような医者はいなかった。次に異動した総合病院は某大学病院の関連病院で、初期研修医もいたが、人数が少なく、結果として病理ローテーションを希望する医者も少なかった。そのようなことで、以前いた二つの施設で病理診断科の仕事というものを若い臨床医に理解してもらうのは難しかった。

病理志望の医者だとしても、病理のことが多少なりともわかっている若い医者にこれまでに会ったことはない。薬の名前とか、PCPSとかいう小難しい名前は知っていても、マイスナー神経叢なんて覚えていない。歯状靭帯までは知らなくてもいいが、前角と後角の違いぐらいはスラスラと出てきて欲しい。研修医と話をしていて思うのは、あまりにも耳学問ばかりということ。

成書を紐解き、週に1本は論文を読む、そういった生活をしているのだろうかと心配になる。研修医の拘束時間は9時5時と決まっていて、あとは自由時間だ。自由というのは、暇に任せて飲みに行くというではなくて、自由に勉強していいということだ。医局にいきなり放り込まれた時代は、輪番制で受け持つ毎週の抄読会に組み込まれ、何が何だかわからずとにかく勉強して働いた。働いたといっても顕微鏡を覗いて、試験管を振って論文を読んでという全てはのちの自分のためになることを日々していただけだった。残念ながら、私はそう大した結果を残すことはできなかったが、それでも多少は今の仕事の基礎体力作りにはなった。

日中の研修時間中、どの研修医も真面目にそこにいる。それはいいのだけど、心配なのはあまり質問が来ないこと。教育、指導を受けることは上手だが、自分から問題を提議して考えていこうという姿勢があまり見えてこない。真面目そうにしているのは患者さんにはいいけれど医者同士では何も得るものの無い、つまらない医者になってしまう。

まあ、そんなものか

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今度の総選挙の本質は男女同権問題では

2017年10月02日 | 日本のこと、世界のこと

民進党がなし崩し的に崩壊し、希望の党に合流することとなったが、やはり意見がまとまらないところはまとまらないようで、全員が全員希望の党に移ることにはならないみたいだ。それはそれでいいのだろうけど、小政党が乱立することで、自民対反自民の構図を失うようなことにはならないで欲しい。そうでないと、小選挙区制の意味がない。今や、日本の政治は自民党とそれ以外となっていて、自民党という巨象に立ち向かうにはそれ以外は力を合わせるほかに道はない。そのそれ以外の人たちが、それぞれは小さな政党なのに政権を担う、いわばかつての社会党のような大きさであるという勘違いをし続け、中選挙区制時代の幻影を抱いているようでは自民党と戦うことは難しい。

話は変わるが日本における女性の地位はとても低くて、女性の権利は世界で世界144カ国中111位だそうだ。これは、とても深刻。本当に、深刻で、G8だとかに参加する資格などないのではないか。男女同権であることが先進国の要件の一つになるかはわからないけど、いくらなんでもこれほどの下位層にあるということは問題だ。このグログで、何度も引き合いに出す「これでは女性はつらかろう(2014年9月25日)」という記事についたコメントもショッキングだった。生物学的な男女の違いを棚に上げて、”女だって、働きたければ働きゃいい”的な発想は私にはなかった。男女同権ということを、人間全てが男のような体力があって、男性性があるという前提に立って話をしていては全くかみ合うことはない。

男と女は違う存在だ。それを、対立のポイントに挙げ、さらには女性を差別して男性から見て下の存在として扱う。これは改めなくてはいけない。もちろん、女性の中には自分が女性であるという立ち位置を確かめることができず、男のように振る舞う人も少なくはない。不倫も始めは男が悪いけど、最終的にはそれにケリをつけられない相手の女性も悪い。そもそも、権利の違う状態の中では男女の関係だって、歪んだものとなる。でもそれはそういう人たちの問題だしそういうことに揺らがない、現代的な一夫一婦制に基づいた社会的規範を守っている人は少なくない。

希望の党の小池さんを悪くいう論調が早くも一部で始まっている。以前は原発容認派だったとか、消費税増税も容認していたとか、以前の話を色々出す。こういうのは、”その時点で”そのようにしていたら、”今”の世の中は変わっていたかもしれないが、今はその時とは違う。政治とは、過去の歴史に学びながら”今”から未来を見るものであって、スタートは、今なのだ。築地豊洲問題も、いろんな人の意見を聞けばそれぞれの論理があって、無視するわけにもいくまい。こういう批判を見ていると小池おろしが女性政治家おろしでないことを祈るばかりだ。自民党政治は男性支配の政治であり、そこで女性政治家としての限界があったから、小池さんは自民党を出たのではないか?だから、自民党への対立軸には男女同権の考え方をする人が求められる。この選挙で浮き彫りになったのは、そこではないか?

何れにしても私が持つのはわずかに一票。どこの誰に投票するかは、投票用紙に誰かの名前を書き始めるその瞬間まで決めかねている。

誰が立候補するだろう?

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男女平等ランキング、日本は過去最低111位 

2016/10/26 7:01(日本経済新聞)

 【ジュネーブ=原克彦】世界各国の男女平等の度合いを指数化した世界経済フォーラム(WEF)の2016年版「ジェンダー・ギャップ指数」で、日本の順位は調査対象144カ国のうち111位だった。前年より10下がり、過去最低の水準になった。「男女の所得格差」で順位が大幅に下がった影響が大きく、配偶者控除見直しを含む税制論議にも一石を投じそうだ。

同指数は女性の地位を経済、教育、政治、健康の4分野で分析する。日本は健康や教育で順位を上げたが、「経済」が118位と12も下げた。政治は1つ上昇したが103位にとどまった。項目別では「所得格差」が75位から100位に急落。WEFが収入の比較方法を改め、主に先進国で過小評価していた所得の差を実態に近づくように修正し、順位に反映したためだ。米国も同じ要因で総合順位が28位から45位に下がった。ただ、購買力平価で比較した米国女性の平均所得は日本の女性より7割ほど多い。

 WEFは世界全体の傾向として、教育や健康では男女の格差縮小が進んだのに対し、経済では改善のテンポが鈍っていると指摘。今回調査のペースが続いたと想定すると、男女が経済的に平等になるには170年かかるという。