きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

瀬戸内 ポニョの庭 福山・鞆の浦

2009-05-22 22:07:11 | ドライブ(県外)
瀬戸内 ポニョの庭・・・  広島県福山市・鞆の浦

福禅寺の客殿・対潮楼。朝鮮通信使が「朝鮮より東で一番美しい景勝地」と絶賛した。

 「あれが映画『崖(がけ)の上のポニョ』をつくった宮崎駿が住んでいた丘の上の一軒家ですよ」。高台にあるカフェのデッキから鞆(とも)の港町を眺めています。
 瀬戸内海の真ん中、広島県福山市の鞆の浦は、万葉のころから潮待ちの港として栄えた町。波止場に漁船が停泊し、円い海岸線に沿ってびっしりと並んだいらかの家々に歴史を感じます。いま、県と市が進める「鞆港埋め立て架橋計画」にたいし
「橋など架けなくても鞆の浦の景観や特色を生かしたまちづくりはできる」と、中止を求める声が広がっています。
 鞆港バス停前から福禅寺を訪ねました。江戸時代に朝鮮通信使一行の宿泊所として使われた所です。座敷から一望する景色は、ブルーの海に大小緑の島々が点在し、瀬戸内海がまるごと池泉(ちせん)式庭園です。
 目前に浮かぶ優しい姿は、天を舞っていた仙人が、美しい景色に酔いしれて島となったとの伝説が残る仙酔島(せんすいじま)です。
 鞆港から船で5分、周囲6キロの島は、福山藩の直轄地だったためか、自然がそのまま残り、小鳥のさえずりがにぎやかです。あちこちに地層が現れ、浸食されてできた岩の門もあり、くぐります。


洞窟蒸し風呂には、海藻、ヨモギ、ビワの葉の3種類がある。
海の横で胎内露天風呂に浮かんでリラックス
 島の名物は江戸風呂です。その種類も洞窟(どうくつ)蒸し風呂、露天風呂、塩工房の足湯などいろいろ珍しいものばかり。最初は海藻蒸し風呂です。
 和風サウナのおもむき。床のムシロに座って15分、じんわりと汗がにじんできます。海藻の香りが充満し、美肌効果に期待です。全身が熱くなって窯から飛びでるとひんやりした海風。露天風呂に体を沈めます。いえ沈みません。海水をくんで作った塩が高濃度で入り、胎内にいるような感覚を呼び起こすとの説明です。ぽっかり浮いた体から力がぬけ、大海原に抱かれた気分です。翌朝はシーカヤックで海の散歩へ「いってきまーす」。小舟をリヤカーに乗せて海岸へ。潮の流れに助けられ、無人島を一周しました。
 午後は鞆の町並みを歩きます。山のあちこちに寺が見え、道端に出合う祠(ほこら)に花が生けられています。
 船道具を扱う古い商家を曲がって港に出ると、
江戸時代に造られた石積みの雁木(がんぎ)や常夜灯のある船着き場から、ひょっこりと荷をかついだ人が現れそうです。石畳の路地に映える屋敷は、保命酒で財をなした太田家住宅です。生薬が入った保命酒は養命酒の元祖とか。オンザロックがおいしい…。
 いつまでも残してほしい港のたたずまい。海の上を走るポニョからメッセージが聞こえてくるようでした。
田村祐好
【しんぶん赤旗日曜版 2009年5月24日付けより転載】


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