きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

知って得する ハローワーク⑧ 事業主向け緊急対策・・・

2009-05-04 22:06:53 | 知って得する シリーズ
事業主向け緊急対策・・・
 大型連休を前にして、多くのハローワークでは雇用保険の認定日が連休と重なっている人を繰り上げて認定しています。2日分の認定を1日で行うことから、混雑に驚いた人もいるでしょう。
 さて、事業主向けのさまざまな緊急対策を、国はハローワークを通じて実施しています。その中心は、経済上の理由などによって、事業活動の縮小を余儀なくされた企業が、社員を休業や出向などによって雇用を維持する場合、賃金の一部を助成する雇用調整助成金の拡充です。
 要件が緩和され、雇用保険の適用事業で、最近3ヶ月の売上高などが、直前3カ月もしくは前年3カ月にくらべて5%以上低下している事業主が対象となります。賃金の助成率も、大企業で4分の3、中小企業では10分の9とされました。ただし雇用保険で支給される基本手当日額の最高額が上限とされているため、実際には4分の3や10分の9に届かないのが実情です。
 この助成金の2007年1年間の対象事業所数は638、対象労働者数は1万2940人でした。それが、今年2月だけで対象事業所は3万621、対象労働者数は186万5792人となっています。
 制度をご存じでない事業主もいらっしゃることでしょう。もしそうした社長さんに心当たりがあれぱ、ハローワークに問い合わせるようアドバイスしてください。厚生労働省のホームページにも簡単なパンフレットが掲載されています。
 仕事を探している人にもさまざまな支援を行っています。日系人の方も数多く失業していますが、4月から、二つの支援メニューが創設されました。日本語が不自由で、引き続き日本で働きたい人には、日本語教育が中心の3ヶ月間の研修を実施します。日本での求職活動を断念して帰国する人には、渡航費用が支給されます。渡航費用の周知が先行し、追い返すのかといった批判も聞かれますが、日本語教育も実施予定となっています。
 連載5回目に触れましたが、住宅を失った人への支援として、融資事業も行っています。また、雇用促進住宅の空き住居への入居あっせんも行っています。

足りない職員
 ハローワークのメニューが増え、利用する人も爆発的に増加しています。しかし、ハローワークの職員は毎年300人近く削減されてきました。ようやく緊急に増員されるようですが、現在の混雑ぶりからすれぽ不十分です。
 一方、ハローワークでは多くの非常勤職員が働いています。現在のハローワークは非常勤職員なしには成り立たない状況です。非常勤の人たちは不安定な雇用で、低賃金の人も多く、雇用と生活の安定が求められます。
 非常勤職員は、みずからキャリアカウンセラーの資格を取得するなど、日々専門性を高める努力をしています。しかし、ハローワークで非常勤職員の比重が高まることには心配があります。非常勤職員が特定の業務に携わるのに対して、常勤の職員は異動によって多くの業務を経験します。それによって幅広い知識が備わり、相談の質も高まります。
 国民にとって身近なハローワークの仕事を支えるためには、引き続き大幅な増員が必要です。(おわり)
雇用問題研究者 谷川清
【しんぶん赤旗日曜版 2009年5月3日付けより転載】


(次号から「知ってトクするベランダで野菜作り」が始まります)