きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

進む中小企業振興策 東京・墨田区に見る② 手作り工房を身近に

2013-11-28 17:32:44 | 経済・産業・中小企業対策など
進む中小企業振興策 東京・墨田区に見る② 手作り工房を身近に

墨田区には、押し絵羽子板やべっ甲、打ち刃物などの伝統技術、さらに野球グローブや足袋、時計など、手作りを原点として、製品をつくり続ける事業所があります。

事業所を活用
区は1985年から、道具や製品を展示した「小さな博物館」、工房併設の店舗である「工房ショップ」、優れた技術者を「すみだマイスター(親方)」に認定する「3M(スリーエム)運動」をすすめてきました。3Mは英語の博物館、工房ショップとマイスターの頭文字をとったものです。区は店舗維持費や改装費の一部を助成し、区内外への宣伝も行います。
技術者が工房や道具をそのまま活用し、製品のつくり方や思いを来訪者に伝えられます。店舗を訪れたことがきっかけで、職人になった人もいます。
屏風(びょうぶ)店を営む片岡恭一さん(58)の工房ショップと博物館には、今年1月以降1000人を超える人が訪れ、屏風作りを体験しました。屏風の内部や開閉のための構造、その歴史も話します。片岡さんは、「さまざまな場所で屏風を目にしたときに、聞いたことを思い出し、伝統工芸を身近に感じてもらえればうれしい」と話します。
江戸切子職人の作業見学や体験学習ができる「すみだ江戸切子館」には、昨年、70校を超える小・中学校の児童・生徒と一般客が訪れました。廣田達夫館長(70)は、「職人は、自分の技術に安住することなく、新しい技や製品に挑むことが必要です。工房をオープンにし、お客様とやりとりすることで、使い勝手やデザインなどへの要望が分かり、新しい製品を生み出すことができます」と話します。



ガラス製品製造会社を訪れたスミファ参加者

学校の教材に
今月8~10日には製造業の事業所や3M運動の工房、飲食店を参加者が徒歩や自転車、バスで巡る「スミファ」(すみだファクトリーめぐり)が行われ、4000人を超える区民、観光客が参加しました。参加者は、ものづくりの現場を直接目にし、従業員と会話を交わすことができました。
事業所の後継者などが実行委員会を結成して運営。区は広報や財政面を援助しました。副実行委員長の斉藤靖之さん(37)は「住民のすぐ隣にある工場がどんな仕事をしているのか、見て知ってほしい。それが地元産業を応援することにつながる」と話します。
ガラス製品の製造会社やすみだ中小企業センターを見学するツアーに参加した女性(34)は、近所で見かける事業所に関心があったといいます。製造作業を間近に見て、「いくつもの手がかかわって製品ができていることを改めて感じました」と話しました。
区では小・中学生が区のことを学ぶ副読本で、商業や製造業のことをとりあげています。小学生は商店や工場の仕事、3M運動を学び、中学生は、区の職員の工場訪問を出発点に中小企業振興基本条例を制定して中小企業政策を積み上げてきた歴史や区の施策を学びます。
同区の高野祐次産業観光部長は「事業所や商店のことを学ぶことが、ものづくりのまち・墨田を理解することになる。将来、ものづくりの担い手がうまれることにもつながればと思う」と話します。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年11月28日付掲載


区民や観光客が、ものづくりの現場を直接目にして、従業員と会話を交わすっていう取り組みはいいですねえ。
小さな博物館、工房ショップ、親方(マイスター)で3M(スリーエム)。博物館はミュージアム、親方はマイスターでわかるんですが、工房はスタジオでしょ。なんで3Mになるんでしょうか?