きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

変貌する経済 政府開発援助(ODA)④ 発覚した贈収賄事件

2014-08-27 22:16:07 | 国際政治
変貌する経済 政府開発援助(ODA)④ 発覚した贈収賄事件

ベトナムにおける日本の政府開発援助(ODA)事業をめぐり、贈収賄事件が発覚しました。ハノイ都市鉄道1号線第1期事業を受注したコンサルタント会社、日本交通技術株式会社(JTC)(東京都台東区)が、発注者であるベトナム鉄道公社(VNR)の幹部へ賄賂を贈っていたのです。

海外業務に社運
東京地検特捜部は7月10日、JTCの前社長、前常務、取締役の3人を不正競争防止法違反(外国公務員への贈賄)の容疑で在宅起訴。法人としてのJTCも同じ容疑で起訴しました。
東京国税局は2013年4月、JTCの税務調査で不正支出を指摘していました。JTCが設置した第三者委員会の調査報告書によると、JTCはODA事業受注のため、ベトナム、インドネシア、ウズベキスタンの政府関係者へ合計約1億6500万円の賄賂を贈ったとされます。
調査報告書によると、JTCは、国内における新規大型鉄道事業の先細りのために、海外業務に社運をかけていました。海外事業の受注のための利益提供が常態化していきました。海外案件を担当する国際部と本社経理課が結託し、一部役員も了承していました。
ベトナムでの事業では、コンサルタント契約を円滑に運ぶため09年12月~14年2月、VNRの鉄道事業管理局次長らに現金で合計約7000万円を支払ったとされます。



JTC本社ビル=東京都台東区

日本企業に限定
日本側での捜査を受け、ベトナム側も捜査に乗り出し、これまでにVNR副総裁をはじめ、VNR鉄道事業管理局の局長、前局長、次長2人、課長の6人を逮捕しました。
ハノイ都市鉄道は首都圏鉄道網で、全体で8路線、全長約300キロにおよびます。1号線は、ハノイ市の北東から市の中心を通り南へつながる約30キロの路線です。その第1期事業は、2区間約15キロの詳細設計を内容とする国際協力機構(JICA)のODA円借款案件です。日本の技術やノウハウを用いる本邦技術活用条件(STEP)が適用され、幹事の契約者は日本企業に限定されました。JTCが幹事となり、日本企業4社と現地企業3社の間で共同事業体を組成し、VNRと契約しました。契約総額は42億6500万円で、そのうちJTC単体の契約金額は27億6700万円でした。
JTCは鉄道建設コンサルタント会社で、JR系コンサルタント会社3社が合計35%の株を保有しています。そのうち2社が15%を保有する筆頭株主。一方、VNRは、ベトナム鉄道総局が前身で、有限会社化され、現在も、国家(政府)が唯一の出資者です。
日本のODA事業をめぐるベトナムでの汚職事件は、08年に発覚したパシフィックコンサルタンツインターナショナル(PCI)による贈収賄事件以来、2件目です。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年8月26日付掲載


絶対儲かる、取りはぐれのない公共事業。インフラの整備が急がれるベトナムなど開発途上国。
そこに群がる贈収賄事件。日本にしてもベトナムにしても税金の無駄遣い。
儲かるのは両国の民間企業。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする