きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

コンビニの便利さの陰に② 赤字でも高率の上納金

2015-08-02 22:23:16 | 経済・産業・中小企業対策など
コンビニの便利さの陰に② 赤字でも高率の上納金

コンビニの扱うサービスは、税金の振り込み、チケット購入や資格試験の申し込み、インターネット通販で購入した商品の受け取りなど急増。いまやコンビニは“総合生活産業”です。
アサヒビールのお客様生活文化研究所の調査によると、コンビニの利用頻度は「週2~3回」が3割、「週1回」「週4回以上」がそれぞれ2割でした(20歳代以上の1800人が回答=2014年7月)。

現金一切残らず
セブン-イレブン・ジャパン本部は各加盟店にコンピューター機器等を貸与し、数値データ・文字などの多様な情報を加盟店に提供しています。一方、加盟店への商品の納品数や廃棄数、商品販売状況、従業員の出・退勤時間など全てを本部が掌握・管理しています。
オーナー(店主)はその日のうちに、商品売上高、公共料金および入金手数料、チケット販売額などの売上金全額を本部に送金しなければなりません。オーナーの手元には現金は一切残らず、本部が全面的に管理する仕組みです。
毎月上旬、本部から各オーナーに、売上高合計、従業員の人件費や水光熱費などの営業費合計などが書かれた「損益計算書」が届きます。オーナーには、前月の売上高に応じて、加盟店に保障されるその月の取り分「オーナー引出金」(加盟店の給与のようなもの)が送金されてきます。
ある東北地方のオーナー(63)の場合、4月の売上高は約1600万円、1日約53万円でした。しかし、5月下旬、送金されてきた「オーナー引出金」は、妻の分も合わせて33万円でした。売上高は大きいのに、なぜ店主の利益がこんなに少ないのか。背景には、コンビニ業界独特の「コンビニ会計」の仕組みと、本部へ支払わなければならない上納金、ロイヤルティーが高率で課せられる問題があります。



街のいたるところで見られるコンビニの看板

廃棄を全額負担
「コンビニ会計」では、加盟店は、売れ残って廃棄した商品の原価を全額負担しつつロイヤルティーを本部に支払います。売り上げが伸びない一方、経費がかさみ加盟店の利益がマイナスになった場合でも、本部には必ずロイヤルティーが入る仕組みです。
しかも、加盟店が売り上げを伸ばせば伸ばすほど、本部に吸い上げられるロイヤルティーの率が高くなります。
セブン-イレブン・ジャパンの場合、開業にあたって本部が土地と建物を提供した店舗の基本ロイヤルティー率は、1カ月の粗利益が250万円以下の場合は56%、250万円超~400万円以下が66%、400万円超~550万円以下が71%、550万円超が76%と累進制になっています。
コンビニ大手のローソン、ファミリーマート、サークルKサンクス各本部の会計の仕組みも、セブン-イレブン・ジャパンとほぼ同様です。加盟店が本部に上納するロイヤルティー率は低い場合でも30%台です。
関東のファミリーマートの店長(65)は言います。
「契約時にロイヤルティー率が高いと感じたが、自分が働いた分収入を得られる仕事だと始めた。しかし、頑張って売上高を伸ばしても自分の収入は横ばい。それどころか経費がかさんで赤字になった月でも、本部はロイヤルティーをしっかりとっていく」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年7月31日付掲載


売り上げを上げれば上げるほど、自分が儲かるのではなく、本部が儲かる仕組み。
それに、賞味期限の切れたお弁当や総菜など廃棄費用は全部自分持ち。これでは大変ですネ。