きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

維新万博を問う⑤ 傷が浅いうちに

2024-01-24 07:08:27 | 政治・社会問題について
維新万博を問う⑤ 傷が浅いうちに

「万博はすでに決まったことだから止められないのでは」との声もあります。
たしかに中止には傷が伴います。しかし際限なく膨れる費用や、“カジノと一体”であることなど「夢洲(ゆめしま)万博」のさまざまな問題が浮上するなか、中止の決断は早いほど「傷」が浅くてすむことは明らかです。

日本で中止の歴史
歴史を振り返ると、1970年の大阪万博以降、大規模な万博は92年まで22年間、開催されませんでした。ばく大な費用がかかるため、ロサンゼルスやパリ、シカゴなど、開催決定後にもかかわらず中止する都市が相次いだためです。95年に共同で開催予定だったウィーンとブダペストは、ウィーンでインフレの懸念から住民投票の結果中止になりました。ブダペストも単独開催を断念しています。
日本にも、国際規模の博覧会を開催1年前に中止した歴史があります。東京都の世界都市博覧会(都市博)です。国連をはじめ世界46都市、国内122自治体が参加する計画が進められていましたが、90年のバブル崩壊に直面し、経済状況が一変。95年4月の知事選で「都市博中止」を公約に掲げ当選した青島幸男都知事が、世論に押され中止を決断したものです。

暮らし低迷よそに
今、多くの国民の怒りの矛先は、長期にわたり「上がらない賃金」や暮らしの低迷をよそに、「いのち輝く」を掲げる万博やその関連事業に、巨額の公金が使われることに向けられています。
加えて能登半島地震の発災で、「万博の成功が震災復興や経済活性化につながる」(馬場伸幸代表)と強弁する維新ですが、逆に経済紙からも「大阪万博より震災復旧を」(「日経」1月16日付)の声が上がるのが現状です。
政府が中止を決めたら、国際博覧会協会から違約金の支払いを求められますが、その額は今年4月までなら「木造リング」(「大屋根」)とほぼ同額の340億円、それを過ぎると約2倍の813億円になります。まさに決めるなら今です。
“万博より被災者支援、暮らし応援を”―この声に応えるのが、国民の命を預かる政府と自治体の責任であり、国民・府民が望む「いのち輝く未釆社会のデザイン」です。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年1月19日付掲載


「万博はすでに決まったことだから止められないのでは」との声もあります。
日本にも、国際規模の博覧会を開催1年前に中止した歴史が。東京都の世界都市博覧会(都市博)。90年のバブル崩壊に直面し、経済状況が一変。95年4月の知事選で「都市博中止」を公約に掲げ当選した青島幸男都知事が、世論に押され中止を決断。
“万博より被災者支援、暮らし応援を”―この声に応えるのが、国民の命を預かる政府と自治体の責任であり、国民・府民が望む「いのち輝く未釆社会のデザイン」
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