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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

数値が示す日本経済② 金融(上) 日銀が国債の3割保有

2016-08-17 12:50:39 | 経済・産業・中小企業対策など
数値が示す日本経済② 金融(上) 日銀が国債の3割保有

国債は政府の借金証書です。アベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)の「第1の矢」、量的・質的金融緩和(異次元の金融緩和)によって、日銀が抱える長期国債はいまや全体の3割を超えています。中央銀行が政府の借金を大量に抱え込む異常さです。
異次元緩和は、金融機関に供給するお金の量を毎年80兆円増やす政策です。そのために日銀が保有する長期国債の残高が年間80兆円増えるよう民間銀行などから国債を購入します。
市場に大量のお金を流せば、経済活動が活発になるということでした。日銀に圧力をかけて異次元緩和に踏み切らせたのが安倍晋三首相自身です。2012年末、政権に就く前には「輪転機をぐるぐる回して日銀に無制限にお札を刷ってもらう」とまで発言していました。
しかし、実体経済に効果がなく、国内総生産(GDP)の成長は低調。個人消費は戦後初めて2年連続で減りました。その一方、日銀が保有する国債が膨らんでいます。



日銀本店=東京都中央区



3年で2・5倍にも
日銀が保有する国債は3月末時点で317兆円。発行残高全体の33・2%です。異次元緩和開始前の13年3月末には128兆円、13・2%でした。3年間で残高、比率とも2・5倍に増え、銀行、生損保を抜いて日銀はいまや最大の国債保有者です。
日銀が国債を直接引き受けることは財政法で禁じられています。政府の借金を日銀が穴埋めすれば、歯止めのないインフレが起き、政府も国民の家計も破綻しかねないからです。
しかし、異次元緩和はそれに近いことを行っています。直接引き受けと違うのは、既発の国債を日銀が民間銀行から買うという点ですが、新しく発行する国債をいったん銀行が落札した後、ほとんどを日銀が買い取っています。今のペースで買い進めれば、18年には日銀が保有する国債の額がGDPを超えてしまいます。




中枢からも異論
6月に行われた日銀金融政策決定会合では9人の政策委員の1人から「量的・質的金融緩和の効果は限界的に逓減し、既に副作用が効果を上回っている」として、国債購入の段階的減額など政策の見直しを要求しました。
また、別の委員は「国債買い入れの遂行にあたって、大きな問題が生じる前に、より持続的なものに転換していくべきだ」と主張しました。異次元緩和を進めてきた日銀中枢から異論が出るほど事態は深刻化しています。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年8月11日付掲載


日銀保有の3割の国債は、政府から直接購入したものではなく、生保・損保や金融機関から購入したもの。とは言え、中央銀行が政府の借金の肩代わりをすることは財政のモラルに反することですね。

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