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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

数値が示す日本経済③ 金融(下) 取引の7割が海外筋

2016-08-18 14:59:01 | 経済・産業・中小企業対策など
数値が示す日本経済③ 金融(下) 取引の7割が海外筋

東京証券取引所の統計によると、日本の証券市場で海外投資家の取引が占める比率は安倍政権発足時の57・7%(2013年1月)から70・7%(6月)に高まりました。アベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)による株価つり上げ政策で海外投機筋の資金が日本市場に流入したからです。


東京証券取引所のマーケットセンター=東京都中央区

首相が呼び込み
アベノミクスの「第1の矢」が「異次元の金融緩和」です。大規模な緩和策で円安が加速しました。円安になればドル換算した日本株の価格が下がり、海外投資家にとって“お買い得”となります。13年9月には安倍首相自身が訪米時にニューヨーク証券取引所で「バイ・マイ・アベノミクス」(アベノミクスは買いだ)と海外投資家を日本市場に呼び込みました。
その後も14年10月の追加緩和と公的年金資金の株運用拡大、16年1月のマイナス金利政策決定(2月実施)を機に海外投資家の売買比率は高まりました。その多くが目先の利益しか考えない投機筋とみられます。
異次元緩和で日銀が株価指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れを進めていることも、日銀を使った株価つり上げ政策です。
ETFは株価に連動して価格が変動する金融商品です。7月の追加緩和では購入ペースを年間3・3兆円(保有残高)増から6兆円増へ2倍に引き上げました。ETFは株価に連動して価格が変動するリスク性の金融商品です。中央銀行である日銀が買い入れを増やせば、市場での値上がりは確実です。






市場ゆがむだけ
株価は本来、企業業績や景気に応じて変動します。証券市場に公的資金を投入して株価をつり上げるなど、政府がなすべきことではありません。証券市場がゆがむだけです。
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は14年10月、国内株、海外株による運用比率をそれぞれ2倍の25%ずつに引き上げました。135兆円の公的年金資金の50%を株式で運用します。30兆円を超える資金が新たに株式市場へ投じられ、株価をつり上げることになります。しかし、15年度決算では円高・株安で5兆円を超える損失を出しました。政府の株価つり上げ政策が年金資金という国民の重要な財産に損失をもたらしています。
(この項おわり)(山田俊英が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年8月12日付掲載


株式の運用は本来なら企業の業績や将来性に応じてされるものだが…。アベノミクスにより意図的に海外の投機筋を呼び込み、公的年金の資金をつぎ込む。
見せかけの「好景気」は長続きしない。

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