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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

目で見る経済 ワイド版 実質賃金、1996年より74万円減

2024-02-20 07:10:33 | 働く権利・賃金・雇用問題について
目で見る経済 ワイド版 実質賃金、1996年より74万円減

実質賃金の低下が目立っています。厚生労働省「毎月勤労統計」によると、2023年平均(速報)の実質賃金は年換算371万円で、昨年より9・6万円の減少でした。12年12月に発足した第2次安倍晋三政権によるアベノミクス開始直前の12年の平均額404・6万円からは33・6万円もの減少になります。実質賃金がピークを迎えた1996年と比較すると74・1万円もの減少です。

実質賃金は名目賃金(現金給与総額)に、物価変動の影響(消費者物価指数のうち、持ち家の帰属家賃を除く総合値)を反映させることで算出されます。

名目も伸び悩み
20年平均を100として、1990年以降の名目賃金と消費者物価の推移を見ると、名目賃金は97年をピークに2013年まで下落傾向にありました。その後、若干上昇しますが、全体としては伸び悩んでいます。
毎月勤労統計は常用雇用労働者の就業形態について、正規・非正規という分類ではなく、フルタイムで働く一般労働者とパートタイム労働者という区分で集計しています。常用雇用労働者とは季節労働者や日雇い労働者とは違い、雇用期間を定めず雇用されている労働者のことです。
1990年に常用雇用労働者の9・2%しか占めていなかったパートタイム労働者は2023年速報で32・2%まで上昇しました。パートタイム労働者の現金給与総額は月額平均10万4570円(23年)と、一般労働者の同43万6849円の4分の1程度にすぎません。低賃金のパートタイム労働者の増加が全体の賃金低迷を招いています。




増税と金融緩和
消費者物価は1990年代以降、低い水準で推移してきました。しかし、安倍政権が消費税増税を強行した2014年以降、上昇傾向に入り、ロシアによるウクライナ侵略や天候不順で農産物や原材料価格が高騰した22年は前年比3%上昇、23年は同3・8%上昇と急速に伸びました。原材料価格の高騰に加え、異次元の金融緩和による円安加速が物価の急上昇をもたらしました。自民党政治が実質賃金を引き下げてきたのです。
(清水渡)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年2月17日付掲載


1990年に常用雇用労働者の9・2%しか占めていなかったパートタイム労働者は2023年速報で32・2%まで上昇。パートタイム労働者の現金給与総額は月額平均10万4570円(23年)と、一般労働者の同43万6849円の4分の1程度にすぎません。低賃金のパートタイム労働者の増加が全体の賃金低迷を。
原材料価格の高騰に加え、異次元の金融緩和による円安加速が物価の急上昇をもたらしました。自民党政治が実質賃金を引き下げてきたのです。

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