きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

揺らぐ地域スポーツ④ 学校施設開放 利用者の声で“拠点”守る

2019-04-15 11:50:51 | スポーツ・運動について
揺らぐ地域スポーツ④ 学校施設開放 利用者の声で“拠点”守る
横浜市港南区のJR港南台駅から歩いて5分ほどの住宅街。緑の木々に囲まれた広大なグラウンドが目に飛び込んできます。
面積は約2万平方メートル。野球場4面がとれる広さです。休日には子どもから社会人までが野球やサッカーで汗を流し、平日はグラウンドゴルフに興じる年配者でにぎわいます。利用団体は30以上、年間のべ3万5000人以上が使用します。
住民には「中学校予定地」として知られ、学校開放施設として、なくてはならない地域の“拠点”です。



グラウンドの一角でソフトボールをする利用者たち=横浜市港南区

大会できない
2017年11月、このグラウンドが危機に見舞われます。マンション用地として半分が売却される話が持ち上がったのです。住民からは「大会が成り立たなくなる」「クラブの活動ができなくなる」などの声が相次ぎました。
発端は、ここから15キロ以上も離れた横浜市神奈川区の子安小学校の移転計画でした。市は同校移転のため、その近所の三菱地所レジデンスの土地と等価交換する話を進めていました。
「移転候補地の面積は約1万5000平方メートル。旧子安小学校は約1万1000平方メートルでした。本来これを交換し、残りの約4000平方メートル分を市が買い取る形にするのが適切でした」。日本共産党の、みわ智恵美市議(港南区)は説明します。
しかし、三菱地所レジデンスは旧子安小学校の敷地のうち約7000平方メートルだけを希望。残りの約8000平方メートルは代替地を要求してきました。そこで浮上したのが、「中学校予定地」でした。地価換算でこの土地の半分の約1万平方メートルが対象でした。
住民はすぐ行動に出ます。18年1月には「港南台中学校予定地売却問題連絡会」を結成。計画の白紙撤回を求めました。
連絡会は3月から署名運動を展開。地元自治会や利用団体を中心に「グランドを守ろう」と一気に広がりました。その数は2カ月ほどで1万6000人分を超えました。なかでも頑張ったのが少年野球関係者。チームの保護者やそこで育ったOB・OGなど世代を超えて取り組み、半数近くを集めたといいます。
同連絡会事務局の仲谷扇也(なかや・せんや)さん(60)は「予想をはるかに超える盛り上がり。住民全体で街づくりを考える機会にもなりました」と振り返ります。

大切な財産に
6月、横浜市教育委員会は、計画の白紙撤回を報告してきました。住民の思いが実った瞬間でした。最終的に子安小学校の件は、残り約8000平方メートル分を市が買い取ることで決着。議会で追及してきた、みわ市議は「子どもたちのためにとの熱い思いや、大企業は地域貢献をするべきとの姿勢に勇気づけられた」と語ります。
地元の少年野球チーム「港南台メッツ」代表の松崎隆さん(70)は、「もうみんな『やった』という感じでした。地域との連携も深まったように思います」と話します。
スポーツをする場が地域に何をもたらすのか。子どもたちを育み、人々の絆を深め、街づくりの“拠点”になっていく。生活を豊かにする、かけがえのない財産であることを、この事例は教えてくれています。
(宮井貴光)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年4月3日付掲載


スポーツ施設の土地を、マンション業者が良い場所だと狙ってくる。「良い値段で買ってくれたら」という甘いことはありません。市民にとって便利な場所を行政は守る必要があります。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 揺らぐ地域スポーツ③ 障害者... | トップ | 揺らぐ地域スポーツ⑤ 豊橋ア... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

スポーツ・運動について」カテゴリの最新記事