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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

金融侵略 苦悩する東芝⑨ 米国、会社制度にも介入

2023-05-19 07:11:32 | 経済・産業・中小企業対策など
金融侵略 苦悩する東芝⑨ 米国、会社制度にも介入
日本の「金融自由化」は米国政府の監督下で実施されました。日本政府への「規制改革要望書」(1997年)で米国が述べています。
「(米国は金融サービスに関する日本の)合意の実施を監視している」が、「その結果はきわめて満足すべきものである」。さらなる規制緩和によって「外国企業にとって日本市場での機会が拡大することを期待している」。

株主の権力強化
米国が求めたのは金融市場開放だけではありません。外国人株主の権力を強めるために会社・会計制度の改変も迫りました。日本政府は以下のように制度を次々に変えました。
▽株主視点での企業評価に役立つ時価主義など国際会計基準の導入(90年代以降)▽経営者に自社株を与えて株主と利害を一体化させるストック・オプションの解禁(97年)▽株価急騰につながる自社株買いの解禁(2001年)▽現金を準備しなくても株式交換で他社を合併できる方式(三角合併)の外資への解禁(07年)―。
米国に追随して株主の権力をさらに増大させるために会社法を改定(14年と19年)したのが安倍晋三政権でした。この中で上場企業に対して設置が義務付けられた社外取締役は、株主の要求を経営に反映させるてことして活用されています。
「こうして外国人株主の支配が強まり、日本経団連は株主還元偏重の新自由主義路線をひた走るようになった」と佐々木憲昭元衆院議員は指摘します。「労働者保護法制や社会保障制度を壊す政治の根っこにも、国内産業を軽視する経営の根っこにも、株主至上主義があります」
株主優先の新自由主義は、金融・会社・会計制度の中に埋め込まれたのです。国民生活と国内産業を再興するためには、これらの制度の改革が必要です。



東芝小向事業所=川崎市

従業員を大切に
「東芝の職場を明るくする会」副代表の羽田和人さんは「東芝にはまだ技術力が残っている」と力を込めます。
「東芝の発展を支えた技術力は、従業員が同僚や先輩と学び合い、創造力を発揮して築いたものです。短期的利益を追う株主至上主義を克服し、人を大切にする経営を確立して、国民全体の要請に応える社会的企業として再生を図るべきです」
過労で命を失った安部真生さんの父親の晋弘さんと母親の宏美さんは、22年5月に東芝デジタルソリューションズ(TDSL)と和解合意書を交わしました。晋弘さんは「2年間かけて経過を調べ、会社の責任を明らかにした」と話します。
「真生が亡くなる前年に同様の事故があったことも突き止めました。生半可な職場環境の改善では納得できない。相当な覚悟をもって取り組み、しっかり休みを確保して従業員一人一人の異変に対処してもらいたい、と強く求めました。東芝側は責任を認め、職場改善の進み具合を3年間にわたって報告すると約束しました。それで和解に応じたのです」
23年2月にTDSLは過重労働防止の研修会を実施し、晋弘さんと宏美さんを講師に呼びました。宏美さんは「会社を変えてほしい」と願います。「従業員を大切にする企業になってほしい。社会全体にも同じことをいいたいです」
(おわり)(杉本恒如が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年5月17日付掲載


労働者保護法制や社会保障制度を壊す政治の根っこにも、国内産業を軽視する経営の根っこにも、株主至上主義が。
「東芝の職場を明るくする会」副代表の羽田和人さんは「東芝にはまだ技術力が残っている」と。
「東芝の発展を支えた技術力は、従業員が同僚や先輩と学び合い、創造力を発揮して築いたもの。短期的利益を追う株主至上主義を克服し、人を大切にする経営を確立して、国民全体の要請に応える社会的企業として再生を図るべき」

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