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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

「不備ループ」訴訟 真実を知って① 被害者救済の糸口に

2023-08-30 07:07:43 | 新型コロナウイルス
「不備ループ」訴訟 真実を知って① 被害者救済の糸口に
コロナ禍の影響で売り上げを著しく減らした多くの中小業者は、国の給付金事業によって経営を継続することができました。その一方、申請書類の不備内容を示さない審査部門と、有効な助言をしないサポート部門の間でたらい回しにされる「不備ループ」に陥った挙げ句、不給付とされた業者もたくさん出ました。この問題を世に問い、被害の救済を求めて国を提訴した2人の原告の思いに迫りました。

千葉・木更津 梶千恵子さん
「国が間違っていることと、本当のことを言いたい。『不備ループ』があったことをみんなに知ってもらいたい。それだけの思いでやっています」
こう語るのは、千葉県木更津市で陶磁器を販売する梶千恵子さん(58)。1927年創業の「ハマダヤ食器」代表取締役です。



「傍聴する人や報道関係者に裁判所に来てほしい」と語る梶千恵子さん=千葉県木更津市

具体的指示なく
梶さんは2021年6月から10月にかけて、同年4~9月分の月次(げつじ)支援金を申請。4、5月分は支給されましたが、6月分以降、提出書類に不備があるとされました。会社は存続しており、4、5月分と同じ書類を提出したにもかかわらず「毎日複数回の取引を行っていることが確認できる書類を提出してください」との不備解消依頼書が届きました。何を追加で提出すればよいか、どこをどう修正すればよいかという具体的な指摘が全くありません。来店客がいない日もあり「毎日複数回の取引」を証明するのは不可能です。そもそも申請要件ではありません。
それでも梶さんは、売り上げレシートの控えや出納帳など思いつく限り資料を提出しました。サポートセンターに「これで合っていますか」と相談しましたが「わかりません」「付せんに書いてみたら大丈夫じゃないでしょうか」。給付されるようにサポートする部署ではないことに気づき始めました。それ以来、やりとりを録音するようになりました。
不備を伝えるメールは60通以上。なかには営業終了直前、翌日の締め切りまでに再提出を求める通知が届き、夜中に資料をつくったことも。こうした努力もむなしく、22年1、2月に相次いで不支給が決定しました。



梶さんに送られた不備解消依頼書(梶さん提供)

民商とつながり
「ずっとやっても無理なんじゃないか」と心が折れかけた時「月次支援金不備ループ」「何度やってもダメで困っている方はこちらへ」との東京・新宿民主商工会のツイートが目に飛び込んできました。同じような人がいるんだと思い、連絡。江島あゆみ新宿民商事務局長から「あまり根詰めない方がいいよ」と声をかけられ、少し気が楽になりました。
「コロナ禍が終わった今の方が苦しいのに、国は一時的にお金をばらまいておしまいではないか」と憤ります。取引していた結婚式場が倒産したり集まりなとがなくなったりして、結婚式の引き出物や記念品の出荷がありません。
22年末、国を訴えようと決意しました。「私がとっかかりになって不備ループ被害者が救済されるかもしれません。裁判所を仲間でいっぱいにしたい」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年8月16日付掲載


「国が間違っていることと、本当のことを言いたい。『不備ループ』があったことをみんなに知ってもらいたい。それだけの思いでやっています」
同じような人がいるんだと思い、連絡。江島あゆみ新宿民商事務局長から「あまり根詰めない方がいいよ」と声をかけられ、少し気が楽に。
22年末、国を訴えようと決意。「私がとっかかりになって不備ループ被害者が救済されるかもしれません。裁判所を仲間でいっぱいにしたい」

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