きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

資本主義の病巣 君臨するアマゾン④ ぽいぽい商品げた

2018-08-11 07:45:38 | 経済・産業・中小企業対策など
資本主義の病巣 君臨するアマゾン④ ぽいぽい商品投げた
「アマゾンの物流センター(FC)で働く労働者は基本的にピラミッド型の3層構造になっています」。小田原FCにいた大川あきらさんは話します。
最上層は日本法人アマゾンジャパンの社員ですが、倉庫内にはあまり顔を出しません。
中間に請負業者が入り、商品の発送業務を指揮する形をとります。小田原FC開設当初(2013年)の請負業者は物流大手の日本通運でした。しかし日通は17年に撤退。人材派遣会社のワールドインテック(福岡市)が後釜に座りました。
末端で商品発送の実務を担うピッカー(採集係)やストー(補充係)は基本的に請負業者が雇う非正規労働者か、派遣労働者です。小田原FCに労働者を送る派遣会社はファイズ(大阪市)、エヌエス・ジャパン(兵庫県尼崎市)、シンセイグループ(東京都千代田区)、エイブル・スタッフ(神戸市)、ワールドスタッフィング(福岡市)など多数に上ります。アマゾンは業務の大部分を恒常的に派遣労働に委ねているのです。





非正規の不満
大川さんによれば、非正規労働者が抱く不満は主に3点あります。①過酷な労働環境②短すぎる休憩時間③低すぎる時給―です。
午前8時から午後5時までの勤務の場合、当初は1時間の昼休みの他、午前午後に各30分間の中休みがありました。ところがしばらくすると、中休みが15分間に削られた上、昼休みも45分間に減らされました。
「倉庫が広いので食堂への移動だけで10分近くかかります。エレベーターにも食堂にもトイレにも行列ができます。45分では移動と食事だけで終わってしまい、体を休める時間がないのです。多くの労働者が強く反発し、私もアマゾンの社員に掛け合いました。しかし休憩時間は削られたままでした」
時給は最低賃金に張り付き、経験を重ねても上がりません。ところが繁忙期になると、期間限定の派遣労働者が2000円などの時給で集められます。
「みんな怒り心頭でしたね。仕事の遅い素人に2000円も払うのに、経験の長い自分たちを950円で使い続けるとは何事だと。労働に見合う時給に上げてほしいというのが共通の願いでした」



巨大なため全体を見渡せないアマゾン小田原物流センター=神奈川県小田原市内

「地獄でした」
非正規労働者は常に「生産性」を追及されます。不十分な人員配置で過大な業務をこなさなければなりません。必然的に商品の扱いは雑になりました。
「商品を大事にするという意識は次第に薄れ、商品を商品と思わない職場になりました。地べたに転がる石ころを扱うように、商品の入った段ボール箱をぽいぽい放り投げてベルトコンベヤーに載せるのです。人を人と思わず、休憩時間まで削り、生産性ばかりを追い求めた結果です。だから私はアマゾンで商品を買いません」
大川さん自身、休日に2度も意識を失って倒れ、大学病院に検査入院しました。原因は不明でした。50代、60代になっても働き続けるのは困難だと考え、転職しました。アマゾンでの労働について感想を求めると一言。
「地獄でしたね」
ウェブサイト2ちゃんねる(現5ちゃんねる)には小田原FC労働者の悲痛な嘆きがあふれています。
「だんだん疲労が蓄積して病院通いになる。こんな安い時給で交通費も出ないのに」
「近所の人たちは『アウシュビッツ』と呼んでるらしい。納得」
「なんでこんな世界的一超ブラック企業をさらに冒もうけさせるために、毎日毎日、朝から晩まで同じ単純作業をヘトヘトになってやってるのかと、自分のこれまでの人生を呪いながらピックしている」「とどめは仕事が終わってクタクタになって犯罪者のように手荷物検査を受け、やっと帰れるという時に、アマゾンのCEO(最高経営責任者)のニヤついた写真が目に入ること。資産7兆円(16年時点)だっけ?こいつの7兆円の一部は俺の汗と涙なんだ」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年8月1日付掲載


アマゾンの商品の梱包は、中がスカスカ。ぽいぽい投げられるからだったんですね。
アマゾンで働く労働者がアマゾンで商品を買わない。愛社精神がわかない職場なんてひどいものです。

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