きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2022年度予算案の焦点⑤ 中小企業・公共事業 コロナ下の減額は矛盾

2022-01-26 07:11:14 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2022年度予算案の焦点⑤ 中小企業・公共事業 コロナ下の減額は矛盾
コロナ禍の長期化で中小企業の息切れ破綻が増えています。

企業支援に逆行
そんな中、2022年度予算案における中小企業対策費はわずか1713億円です。21年度当初予算から32億円も減額されました。21年度補正予算でコロナ対策費に約4兆円を確保したものの、支援の対象は限定的で中身も縮小されています。補正はあくまで臨時対応にすぎません。政府の基本方針である22年度本予算を減額したことは、コロナ下の対応として矛盾しています。
政府が新設した事業復活支援金は、支給額を従来の持続化給付金から半減。コロナ禍で疲弊する業者からは、支援金の増額に加え、持続化給付金と家賃支援給付金の再給付を切望する声が相次いでいます。
業者の命綱である一時・月次(げつじ)支援金が書類の不備を理由にいつまでも給付されない「不備ループ」の問題も棚上げされたままです。その一方、「給付金不正対応」と称して8・4億円を新規計上。予算の使途が中小企業支援から逆行しています。
日本政策金融公庫などが手がける実質無利子・無担保融資へは30億円を計上しました。融資の申請は3月で打ち切られ、これから返済が本格化します。経営が厳しい中小・自営業者の返済を再延長するなど柔軟な対応が必要です。
業者の窮状を尻目に、政府はフリーランスを含む非課税事業者を課税対象とするインボイス(適格請求書)制度の導入を強行。21年度補正予算に関連予算8億円が計上されました。



土石流が発生した静岡県熱海市伊豆山地区=2021年7月4日



不要不急へ巨費
政府の2022年度予算案における公共事業関係費は、6兆575億円です。
「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための5カ年加速化対策」を推進するため、21年度補正予算と合わせて対策を強化します。
気候変動に伴う水害の激甚化に備え、流域全体を視野に自治体や住民が一体で取り組む「流域治水」の本格的展開へ5204億円を盛り込みました。一方、ダム建設を復活する熊本県の川辺川ダムに、21年度当初予算の約5倍に当たる26億円を計上。ダム依存が温存されています。
昨年の静岡県熱海市で発生した土石流被害をうけ、盛り土による災害防止に向けた総点検を踏まえ、対応策を実施します。防災に取り組む自治体を支援する「防災・安全交付金」8156億円の一部を活用する方針です。
その他、集中豪雨や火山噴火などに対応した総合的な土砂災害対策の加速化・強化へ997億円、南海トラフ巨大地震、首都直下地震などの対策推進へ1732億円を盛り込みました。
一方、新型コロナ禍に不要不急の大型開発事業へ巨費を投じます。
在宅勤務やオンライン会議が普及する中、整備新幹線の整備へ事業費2400億円を盛り込みました。さらに、大都市部の高速道路を整備する物流ネットワークの強化へ3585億円を計上。大深度地下トンネル工事で住宅地の道路が陥没した東京外環道を含む「三大都市圏環状道路の整備」が含まれています。21年度補正予算と合わせると4225億円に上り、21年度当初予算比1・18倍の増額です。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月25日付掲載


21年度補正予算でコロナ対策費に約4兆円を確保したものの、支援の対象は限定的。2022年本予算では、中小企業対策費はわずか1713億円。持続化給付金と家賃支援給付金の再給付に応える額になっていません。
昨年の静岡県熱海市で発生した土石流被害をうけ、盛り土による災害防止に向けた総点検を踏まえ、対応策を実施します。防災に取り組む自治体を支援する「防災・安全交付金」8156億円の一部を活用する方針。それはそれで良いのですが、在宅勤務やオンライン会議が普及する中、整備新幹線の整備へ事業費2400億円を盛り込むなど、不要不急の予算が多い。

第11回 学生ほっとまんぷくプロジェクト

2022-01-25 07:27:14 | いろんな取組み
第11回 学生ほっとまんぷくプロジェクト
と き:1月29日(土)13:30~15:30
ところ:学園都市駅のユニバドームの横

学生を対象に食料や生活用品を無料で配ります!




「シフトが減って経済的に厳しい」「食事の回数減らしてる」など、コロナ禍で学生の生活状況が厳しくなっているなか、食料・生活用品の配布を行います!
生活の困りことなど話せる場としても活用してください。予約は要りません。

学生ボランティア 募集しています
まんぷくプロジェクトで一緒に活動するボランティアさんを勇集しています。当日の会場設営や食材渡し、アルコール消毒のお願い、学生生活の相談を受けるetc…できることからやってみませんか?
申し込み、質問はTwitterのDMまで

主催:民青学生集合班 mail:mhyougo@gmail.com


2022年度予算案の焦点④ 雇用 低賃金の課題なおざり

2022-01-24 07:07:04 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2022年度予算案の焦点④ 雇用 低賃金の課題なおざり
厚生労働省は2022年度予算案で、雇用維持策を段階的に縮小しつつ労働移動へ軸足を移します。新型コロナウイルス禍で顕在化した低賃金・使い捨て労働の課題はなおざりです。

労使の負担増す
感染症の先行きが不透明な中、企業が支払う休業手当を国が補てんする雇用調整助成金(雇調金)などへ一般会計と特別会計から5843億円を計上しました。21年度当初予算比430億円の減額です。21年度補正予算で1兆854億円を確保したものの、当初予算と補正予算を合計した全体の額は削減されています。
助成率や日額上限を引き上げる雇調金の特例措置は3月末まで延長します。ただ、1人当たり1万3500円の日額上限額は、1月、2月に1万1千円へ、3月に9千円へ段階的に縮小する方針です。
雇調金の支出増に伴う雇用保険財源の悪化を理由に、政府は参院選後の10月から失業等給付の保険料率を現行の0・2%から0・6%へ引き上げます。その結果、全体の雇用保険料は、月収30万円の労働者で月900円から1500円へ、雇用する企業で労働者1人当たり月1800円から2550円へ増額されます。
コロナ禍の先行きが見通せない中での引き上げに労働者や労働組合から懸念が噴出。労使の負担増ではなく、失業手当への国庫負担率を現在の2・5%から本来の25%へ戻すよう求めています。厚労省は通常国会に雇用保険法改定案を提出し、10月から新料率を適用する狙いです。国庫負担は現行水準を維持するとしています。



中小企業支援とセットで1500円以上の最賃引上げをアピールする参加者=2021年7月19日、京都市中京区



メスを入れずに
岸田文雄政権は分配戦略の名のもと「人への投資」を強化するなどとして、3年間で4千億円規模の施策パッケージを新設します。
デジタルなど成長分野を支える人材育成の強化(504億円)や、デジタル・グリーン分野などへの労働移動の円滑化支援(150億円)、非正規雇用労働者のキャリアアップ(268億円)など、全体で1019億円を新規計上しました。21年度補正予算と合わせると、2千億円規模に上ります。
さらに、コロナ禍に起因する離職者の再就職支援(278億円)や新規学卒者等への就職支援(新規4・6億円)など、打撃の大きい層への支援に全体として382億円を盛り込みました。
コロナ禍で表面化したのが「就労後」に待ち受ける低賃金、使い捨て労働の問題です。そこヘメスを入れることなく、非正規雇用の労働移動や、高齢者、就職氷河期世代の就労促進に予算を集中配分しています。
岸田政権が掲げる賃上げ政策の効果も不透明です。最低賃金を引き上げて設備投資をした中小企業を支援する「業務改善助成金」へ21年度当初予算と同額の12億円を計上。21年度補正予算からも135億円を充てています。
しかし、赤字経営の多い中小企業にとって、税や設備投資への助成だけでは効果的な賃上げ支援になりません。中小ほど負担の大きい社会保険料の事業主負担の軽減こそ急務です。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月22日付掲載


雇調金の支出増に伴う雇用保険財源の悪化を理由に、政府は参院選後の10月から失業等給付の保険料率を現行の0・2%から0・6%へ引き上げます。その結果、全体の雇用保険料は、月収30万円の労働者で月900円から1500円へ、雇用する企業で労働者1人当たり月1800円から2550円へ増額。
財源悪化を言うなら、国庫負担率を現在の2・5%から本来の25%へ戻すべき。


2022年度予算案の焦点③ エネルギー 原発・石炭火力に依存

2022-01-23 07:10:34 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2022年度予算案の焦点③ エネルギー 原発・石炭火力に依存
2022年度予算案では、岸田文雄政権の財界いいなりでの原子力発電と石炭火力発電への“依存ぶり”が明白です。
原発推進の予算は、経済産業省、文部科学省、内閣府などで計2863億円です。経産省では、原発立地地域の振興費の「電源立地地域対策交付金」に730・4億円をつけ、仏・米と協力した高速炉や小型軽水炉(SMR)の技術開発に21年度と同額の43・5億円を盛り込みました。
萩生田光一経産相は新年からグランホルム米エネルギー長官と会談し、新型原発の「小型モジュール炉」や高速炉の国際連携開発に日本政府が協力する方針を伝えました。
その背景には、「原発の選択肢を排除することはあり得ません」(5日の財界3団体共同記者会見で十倉雅和・経団連会長)などという財界の強い声があります。
しかし「高速炉」は「高速増殖炉もんじゅ」が深刻なナトリウム漏れ事故などで廃炉に追い込まれるなどで実用化の見込みはありません。「技術開発」だといって巨額の国費を投じることは予算の無駄そのものです。



日本の事業所で最もCO2を排出している碧南石炭火力発電所=愛知県碧南市、JERAのホームページから

■原発推進の主な予算(億円)
経済産業省
電源立地地域対策交付金730.4
原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業83.2
エネルギー構造高度化・転換理解促進事業費補助金72
高速炉に係る共通基盤のための技術開発委託費43.5
原子力の安全性向上に資する技術開発事業23.3
原子力の産業基盤強化事業12.4
内閣府
原子力防災対策の充実・強化104.6
原子力利用に関する政策の検討及び適切な情報発信2
文部科学省
原子力分野の研究開発1471


石炭火力の延命
22年度予算案は、最も温室効果ガスを排出する石炭火発の技術開発に21年度比8億円増の169・5億円を計上しました。昨年11月には福島県広野町の石炭火力発電所が営業運転を開始し、全国8カ所で建設中です。
岸田首相が「脱炭素だ」とうたうアンモニアと石炭の混合燃焼の推進には21年度比34億円増の989億円を、CO2(二酸化炭素)を回収・貯留して再利用する研究開発には21年度比22億円増の82・3億円を盛り込みました。混合燃焼は高コストの割にCO2の削減はわずかで、石炭火発の延命でしかありません。
さらに石油・天然ガスの「化石燃料」の安定供給の確保に2266億円を計上しました。岸田首相は「アジアの脱炭素化に貢献」するとして、萩生田氏が9日から、化石燃料の依存度が8~9割に上るインドネシア、シンガポール、タイを歴訪。混合燃焼の技術協力や日本への石炭の輸出再開(インドネシア)を交渉しました。

国際合意を妨害
昨秋の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)は、気候危機打開のために世界の平均気温の上昇幅を産業革命前より「1・5度に制限する」ことが必要だと確認しました。そのためにCO2の削減目標「30年に10年度比45%」を合意しました。
しかし、岸田政権はそれよりも低い「30年に13年度比46%」の目標にしがみついています。気候危機打開の国際合意と世界の流れを妨害するものです。
脱炭素に欠かせない再生可能エネルギー予算は、21年度からほぼ横ばいの1219億円を計上しました。
「洋上風力発電等の導入拡大に向けた研究開発事業」には21年度比16・8億円減額され66億円であり、「太陽光発電の導入可能量拡大等に向けた技術開発」も21年度比2・5億円減の30・5億円でした。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月20日付掲載


いまだに原発推進の予算を計上。
最も温室効果ガスを排出する石炭火発の技術開発に21年度比8億円増の169・5億円を計上。
脱炭素に欠かせない再生可能エネルギー予算は、21年度からほぼ横ばいの1219億円を計上。洋上風力発電や太陽光発電への技術開発・財政支援が求められます。

2022年度予算案の焦点② 農林水産 輸出推進に大幅増額

2022-01-22 07:19:58 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2022年度予算案の焦点② 農林水産 輸出推進に大幅増額
2022年度の農林水産関係予算案は、2兆2777億円です。ほかに、新設されたデジタル庁に計上された農林水産関連が207億円あります。21年度当初予算の2兆3050億円にはデジタル庁計上椙当分の197億円が含まれており、これを除いた2兆2853億円と比較すると、0・3%の減額になります。減額は2年連続。
内訳は、公共事業費が0・04%増の6981億円、非公共事業費が0・5%減の1兆5796億円。また、林業関係が1・6%減の2985億円、水産業関係が横ばいの1928億円です。なお、21年度補正予算は8795億円です。



米価対策を求める農業関係者。右から3人目は紙智子参院議員=2021年11月25日、首相官邸前

成長産業化掲げ
農林水産物・食品輸出5兆円目標に向けた取り組みや、環境負荷を軽減するとする「みどりの食料システム戦略」などを重点にしています。しかし、20年度に史上最低の37・17%まで下落した食料自給率や、新型コロナウイルス禍による需要減で大暴落している米価への対策はみられません。
政府は、農林水産業の成長産業化のためとして農林水産物・食品輸出の推進を掲げています。農林水産省は21年7月、輸出・国際局を新設し、25年までに2兆円、30年までに5兆円という輸出額目標に向け「輸出戦略」を推進するとしています。この目標の実現に向けた取り組みに予算を大幅に増額しました。「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」の実施に、21年度当初比8・9%増の108億円を計上しました。21年度補正予算にも433億円を計上しています。そのうち、海外での販売力の強化に1億円減の29億円を充当し、21年度補正予算にも83億円を計上。輸出力強化に向けた品目団体の取り組みを支援します。輸出先の基準に合った危害分析重要管理点(HACCP)に対応した施設の整備でも、29・2%増の31億円を充当し、21年度補正予算に222億円を計上しています。




転作助成は同額
政府が掲げる脱炭素の方針に対応して、農水省は21年5月、「みどりの食料システム戦略」を策定。戦略実現技術開発・実証事業に新規の35億円、モデル地区づくり支援など戦略推進総合対策に新規の8億円、21年度補正予算にも25億円を計上しました。また、化学肥料や農薬の低減などに取り組む農業者団体に対する環境保全型農業直接支払い交付金に21年度当初比8・2%増の27億円を計上しました。
他方、米価の大暴落のために、22年産でも主食用米の大規模な転作による需給の引き締めが求められる見込みです。水田を活用して麦、大豆、飼料用作物などを生産する農業者を支援する水田活用の直接支払い交付金が転作助成の柱になります。しかし、21年度と同額の3050億円を計上したにすぎません。また、主食用米の長期計画的な販売を促す米穀周年供給・需要拡大支援事業も、21年度と同額の50億円としました。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月19日付掲載


農産物の生産は、ただ輸出力を競うことだけではいけないと思います。
一番基礎は、食糧安全保障。国民の食糧を自国で賄えるかってことです。自民党政治ももとで、食糧自給率はずっと低下。
農家が意欲をもって生産していくためには、農産物の価格保障、農家の所得補償が必要ですね。