プレーは悪童ではない(カッサーノ)

今、欧州選手権の季節ですが、なかなか思うようにビデオが見られず、イタリア対クロアチアを見ただけです。イタリアのバロテッリ、カッサーノの2トップが素行に問題ありと騒がれています。バロテッリは21歳の若さと、イタリア語の通じないイングランドのマンチェスターCにいることもあってストレスを溜めているのでしょう。

イタリアのようなサッカー大国では、イタリア人はイタリア語しか話さず、周りの外国人選手が合わせるのが当たり前なので、英語というストレス要因の加わったバロテッリのストレスは察します。バロテッリのプレースタイルも強靭な筋肉で強引に突き進むので、周りが合わせてくれないと厳しいです。

これに対し、カッサーノはよく監督や会長ともめて放出されているトラブルメーカーではあるのですが、プレースタイルだけを見ると非の打ち所のない優等生に見えます。すごいシュートを放つより、ゴール前にわずかに空いているスペースを見つけ出すセンスは天才的です。

こういうタイプだからこそ、バロテッリと2トップを組ませたと思いますが、カッサーノは心臓の手術で５ヶ月のブランクがありました。30歳になるカッサーノには残された時間は長くないという思いもあるはずで、精神的にも改心しているかもしれません。

カッサーノは1982年にイタリアがW杯で優勝した日に生まれたという理由で、2002年W杯の頃は新星誕生と騒がれた選手です。今はもうベテランですが、強さを見るならバロテッリでも、うまさを見るならカッサーノです。