チーム一努力する(中澤佑二)

昨日の浦和敗戦で、当ブログもオフネタに入ります。他チームネタ、昔の力士ネタ、ワールドサッカーを混ぜながらサッカーのない寂しい時期も可能な限り更新するつもりですので、どうかよろしくお願いいたします。

今日は対戦相手の横浜FMから、中澤佑二選手を取り上げます。中澤といえば代表キャップ三桁の超一流選手ですが、プロになるまではかなりの苦労をしています。中澤は埼玉県の三郷工技高校の出身ですが、高校時代は無名の存在で、ブラジルへ渡り東京Vにも練習生からようやく入れた選手です。この当時、前横浜FC監督の岸野氏がコーチで、「練習生の居残り練習につきあってくれるとは」と中澤は今でも岸野氏に感謝しています。

当時の東京V総監督の李国秀氏によれば、中澤は「はっきり言ってチームで一番下手だがチームで一番努力する」という選手だったそうです。確かに、シドニー五輪代表だった頃の中澤はあまりパスで展開できず、体の強さでスタメンを張っている選手というイメージでした。

その後、横浜FMに移籍した中澤は、日韓W杯の代表を狙いましたが、ストッパーに攻撃力を要求するトルシエ監督の構想に合わず、直前で代表から落選します。しかし、努力する中澤らしく、ジーコ監督に代表に呼ばれると少しずつうまくなっていきました。2004年のアジアカップでは準決勝のバーレーン戦の同点ゴールでアピールすると、私が見た試合では2005年2月のシリア戦が印象的です。

このとき、シリアは2トップにロングボールを入れてきましたが、中澤はすっかり守備の中心選手の出来で、余裕があるときはつなぎ、クリアすべきところは確実にタッチラインを切るというメリハリがしっかりできていました。このクリアの大きさはのちのオシム監督や岡田監督に信頼され、CBが体の強さで負けては意味がないという考えだったらしい岡田監督の構想にマッチします。

今でも、栗原と中澤がいる横浜FMのCBは強いという評価で固まっており、うまくないFWなら中澤には簡単に手玉に取られてしまいます。代表ということになるとザッケローニは呼んだことがないので難しいでしょうが、努力する姿勢は今でもオフの日に友達とフットサルをやっているなど変わっていません。できるだけ長くプレーして欲しい選手です。