6月に入りますと、この山で眺めた美しい景色を思い出します。あるとき、済州島でハルラサン(漢拏山、1,950 m)に登る機会がありました。漢拏山には幾つかの登山路がありますが、わたくしたちはもっとも距離が短い霊室(ヨンシル)登山コースを往復しました。韓国の知人達から、このコースでの景観は素晴らしいとアドバイスを受けたからでした。
漢拏山、搭乗機が着陸する前にて
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漢拏山とかつての寄生火山(側火山)
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登山路入口(1,280 m)にて
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山頂にまでは行けませんが、コースの距離は3.2 km 、登りでの標高差は約 450 m です。
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このときは、たびたびの日曜出勤、ときには徹夜勤務との状態から解き放されましたことをきっかけとして、近所の山、鳴神山(980 m、登りの標高差 500 m)に、花のシーズンでは週1、2回登っていましたので、距離と標高差に対して抵抗感をもちませんでした。
コースでの案内(野生ラン)から。 「Take a close look at there!(そこをよく見て!)」。おおらかですね。わたくしは国内でこのような案内を見たことがありません。しばしば、「花は撮るものにして、盗るべからず」との注意書きには出会いますが。
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案内図左から、カモメラン(鴎蘭、ラン科ハクサンチドリ属の多年草)、クモキリソウ(雲切り草、ラン科クモキリソウ属の多年草)、オニノヤガラ(鬼の矢柄、ラン科オニノヤガラ属の多年草)、アケボノシュスラン(曙繻子蘭、ラン科シュスラン属の多年草)。
アケボノシュスランのシノニム(分類学上での異名)に...Makino との名があります。オニノヤガラは葉緑素を持たず、光合成を行わない腐生植物です。
登りはじめて間もなく、見事な柱状節理による岩壁が視界に入りました。
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コースは良く整備されていましたが、風が強く吹いていましたので、ときにはロープに身を寄せて待避しました。
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標高1,500 m付近から、霊室コースの核心部を歩くことになります。
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ときどき霧雨が降る不順な天候のために、案内図にあるような全景を眺めることはできせんでしたが、この眺めでの雰囲気に感動を覚えはじめました。
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登ってきた道を振り返って見ますと。 案内板に描かれた Bolle Oreum(寄生火山)は濃い霧に隠れていましたが。
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覚えはじめたと書きましたのは、この箇所より高い位置で、群生しているゲンカイツツジで彩られた景色に出会ったからです。
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雨で濡れた花々は一際色濃く見えました。
柱状節理による岩壁のそばで、ゲンカイツツジが花の盛りのときを迎えていました。
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彩りの美しさに誘われて、わたくしたちは登山路の崖側を歩きました。横風に注意しながら。
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火山活動に起因する奇岩も多く見られました。
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ゲンカイツツジの群れの彼方に、かなり霞んでいましたが、岩峰が見えます。
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ゲンカイツツジと岩峰とのコラボレーションにつきましては、たかさんのブログ「たかたかのトレッキング、漢拏山」をご覧ください。
避難所に向かうコースにて
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わたくしたちは、避難所で小休止してから往路と同じコースで戻ることにしました。午後から登り始めましたが、16時までに登山口に戻ることを管理事務所から求められていました。
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ラン類には出会いませんでしたが、一見、多肉植物に思える植物を見かけました。
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ノアザミの一種と思われますが、漢拏山の植物を紹介しているホームページ(韓国国立公園案内)に、このような姿のものはリストアップされていませんでした。
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つぎの画像は、わたくしたちがいまだに忘れられない漢拏山からの嬉しいプレゼントです。
帰路において、濃い霧が突然去りましたので振り向きましたところ、わたくしたちがもっとも期待していました彩りが現れました。その彩りは僅か数分間の場面でしたが。
一面に広がるゲンカイツツジの彩り、筆舌に尽くし難い景色でした。
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結果として、終わり良ければすべて良しとの気分で、わたくしたちは16時前に漢拏山を離れました。
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帰国便にて、このようなときに限って快晴とは(苦笑)。
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「一昔前の6月上旬にて」