雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

M33銀河 透明度不良 vs ガイド不良

2013年10月09日 | 天体写真(系外銀河)
1日の夜、厳密にはすでに2日になっていたのですが、バブル星雲のあと
天頂付近に昇っていたM33銀河(さんかく座)の撮影に入りました。
前回記事に書きましたが、この日は透明度が悪く5分露出が限界でした。
10分露光ではカメラモニタが真っ白でした。
幸い朝まで雲に覆われることがなかったため、
5分×36枚と枚数は稼ぐ事ができました。

撮影DATA: 2013/10/02am 01:10’~04:20’ VixenR200SS(f=800mm F4.0)バーダーMPCCⅢ
露出 5分×36枚  ISO 1600 LPS-P2FIL Cooled 60D (気温19℃ 冷却-5℃)
EM-200USD赤道儀 OrionSSAG ガイドスコープGS-60S PHD Guiding ステライメージ7

総露光時間3時間もかけた割には、カブリが目立ちコントラストが今一。
もともとM33の外周部は非常に淡く、難物の様です。
次回はもっと空の状態が良い時にリベンジを・・
と思っていたのですが、思いもかけずその機会は早く訪れました。

10月6日、夕方雲がありまったく期待していなかったのですが、
22時ころから雲が切れ、それも透明度はかなり良さそうです。
さっそく機材を設営し、試写したところ10分露出でもいけそう。

M33の撮影を開始したのは7日に入ってからでしたが、
残念ながら6枚目ころから雲がかかり出し、途中で一旦休止しました。
結局全天雲に覆われ9枚中、4枚が雲にやられてました。
以下の画像は雲のかかる前に撮れた5枚をコンポジットしたものです。
撮影DATA: 2013/10/07am 00:29’~01:10’ VixenR200SS(f=800mm F4.0)バーダーMPCCⅢ
露出 10分×5枚  ISO 1600 LPS-P2FIL Cooled 60D (気温19℃ 冷却-5℃)
EM-200USD赤道儀 OrionSSAG ガイドスコープGS-60S PHD Guiding ステライメージ7

総露光時間は2日の画像の1/3以下なのですが、空が良かったので
コントラストは良好です。
ただ10分露光で星像が飽和している事と、東西方向(画像では上下方向)に
ガイドが流れてしまいました。(SI7のスターシャープ処理などで目だたなくなっていますが)

当初この記事を書き出した時は、2つの画像比較をメインに考えていたのですが、
いっその事、両者をコンポジットしてみれば
数々のメリットがあるのではないかという事に気がつきました。
1.飽和した星像の諧調が取り戻せる。
2.ガイドエラーの影響を小さくできる。
3.背景とのコントラストが改善できる。
そして当然の事
4.コンポジットによりノイズが減少する。

さっそく、やってみました。
(画像は北が上になるよう回転させてあります。)
2枚の画像がずれていたため、トリミングしてあります。

拡大画像です。(クリックで等倍画像を表示)
M33銀河内にある巨大な散光星雲(NGC604)が中央やや左に見えています。

銀河の中心付近では今でも盛んに星が生まれているそうです。

銀河外周部のかなり淡い部分まで見えてきました。


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今回の5分と10分露光のコンポジットが、これまであきらめていた
淡い星雲や銀河と、星像の諧調表現の両立に有効な事がわかりました。
多段階でなくても2段階露光はもっと常用しても良いかもしれません。

雲上くもがみ
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しゃぼん玉星雲 と散開星団M52 (カシオペア座)

2013年10月08日 | 天体写真(星雲・星団)
9月29日の網状星雲の撮影から一日空いて、
10月1日の夜も22時頃から雲が切れて、朝まで撮影できました。
ただ透明度は29日より悪く、途中で薄雲が通過し中断する事もありました。
撮影したのは、南中前だったカシオペア座のバブル星雲NGC7635)。
その後、さんかく座の銀河M33を朝方まで撮影しました。

残念ながら空の条件が悪く、R200SS反射鏡筒で5分露光にとどめました。
掲載画像はトリミングしたものです。(クリックで全体画像が見れます。)
撮影DATA: 2013/10/01 23:05’~00:41’ VixenR200SS(f=800mm F4.0)バーダーMPCCⅢ
露出 5分×14枚  ISO 1600 LPS-P2FIL Cooled 60D (気温20℃ 冷却-5℃)
EM-200USD赤道儀 OrionSSAG ガイドスコープGS-60S PHD Guiding ステライメージ7

各対象のクローズアップ画像です。(クリックで等倍まで拡大)

散開星団M52
カメラ取り付け部が弱かったのが星像が歪んでいますが、
星団内にオレンジ色の星が混在しているのがわかります。

バブル星雲NGC7635
私が初めてこの星雲の画像を見た時は”しゃぼん玉”星雲とあり、
なるほど当然のネーミングだなと思いました。
しゃぼん玉を膨らませているのは、中心にある(あった?)超新星からの
恒星風だそうですので、しゃぼん玉の中に見える明るい星(8等星)は、
たまたま同じ方向に見えているだけなのでしょうか?
直径約10光年の大きなしゃぼん玉です。(実感がわきませんが・・)

ハッブル宇宙望遠鏡で撮ったバブル星雲です。
画像クリックで HUBBLESITEへ


次回はこのあと撮ったM33銀河(さんかく座)なのですが、
6日にもリベンジで撮影していますので、合わせてお見せできればと考えております。

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台風24号が日本海側を通過しそうです。
上越市は進路の右側にあたるため強風が心配ですが、
台風一過にも内心は期待しています。

雲上くもがみ
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がんばる朝顔

2013年10月07日 | 我が家の四季
縁側のグリーンカーテンで植えた朝顔を抜いたのは、ずいぶん前です。
ところが玄関のポッドの朝顔がまだ咲いています。
たしかこの朝顔が初めて咲いたのは・・
7月22日 ですので、
何と!2か月半近く咲き続けている事になります。
家内お気に入りの朝顔で、1、2ミリのか細い茎にいくつも小さな花を咲かせます。
家内の話では一度花が終わって、種をとった時に茎にあたらしい芽を見つけ
水をやっていたら、また新しい茎が伸びだしたとの事。
もし今月一杯咲いていたら百日朝顔と呼んでやろう。
上の方につぼみが2つあったので、明日はまだ間違いなく咲くでしょう。

我が家の四季」もずいぶん間が空きました。
これまで掲載できなかった写真を、かいつまんでお見せします。
9月25日
朝の散歩から戻ったら、我が家の彼岸花が朝日をあびて咲いていました。
10月 1日
朝の散歩道にて

10月 2日
古代生物(?) 現る
ア~タ、洗濯物に変なのがいる!」家内の声。
それはアブラゼミほどの大きさ。蛾のようですが変に存在感があります。
もしかしたら未発見の新種では?
ネットでしらべたら、全国で見られる で、エビガラスズメとわかりました。
還暦を過ぎる歳になるまで、お目にかかる事がありませんでした。

10月 6日
すっかり秋の空なのですが、夜はなかなか晴れてくれません。
一時は食べきれなくて困った『かたてま野菜』たちも、
今はパプリカと間違えられるピーマン(1号・2号)しか残っていません。


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天体写真の話はむずかしくてよくわからん!」 といいながら、
ポチットしてくれるためにブログ訪問していただいている
親類、縁者のみなさん、応援ありがとうございます。
久しぶりの息抜き記事の掲載でした。

雲上くもがみ
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SI7画像処理コンテスト 全ワークフロー公開中

2013年10月06日 | 画像処理のはなし
ステライメージ7」をお持ちでない方には、
以下の記事内容はあまり関心が無いものと思われます。


アストロアーツのHPで、先に行われた「ステライメージ7 天体画像処理コンテスト
への全応募作品のワークフローが公開されています。(2013.10/6現在)
( クリックでアストロアーツHPにリンクします )

当然、入賞できなかったわたしの応募作品とワークフローも載っているのですが、
応募者名は入賞できなかった(はっきり落選といったら?)人への配慮か、
伏せてありました。
私としては(できれば「星ナビ」が良かったけど)こんな機会でもなければ・・
という事で載せて欲しかったのですが。
という訳で興味の無い人は無視していただいて結構ですが、私の処理画像です。
散光星雲部門・・・・ワークファイル名 nebula04.sis
・・・銀河部門・・・・ワークファイル名 galaxy04.sis

元画像の著作権の制約から、ここに画像を掲載する事はできませんが、
類似処理の応募が多いと予想されるので、できるだけ目立つように
という狙いは達成できているでしょうか?
記事の最後に、応募の際に添付したワークファイルへのコメントを載せておきました。
(あくまで興味のある方だけご覧ください。)

さて、私が入賞できなかった(だから落選でしょ!)最大の理由と考えられる
派手過ぎる のではないか? という点について。

わたしは、こってりと彩やかな画像を好みます。(キッパリ)
暗すぎるため、望遠鏡を使っても肉眼では色を感じる事の出来ない対象を
色鮮やかな画像として見せる事ができるのも「天体写真」の醍醐味。
だから ”肉眼で見たら、そんなに鮮やかに見えない筈だから不自然!”
なんて事は、私は気にしません。
私が気にするのは、彩度を上げすぎて画像の諧調や解像度が失われたり、
ノイズが目立つ画像になってしまう事です。

文字だけのブログ記事にしないため、昨日の網状星雲(東側)の画像を使って
派手さについて検証してみます。

私は画像処理の一番最後に彩度(色鮮やかさ)を調整しています。
今回は応募規定からステライメージ7の「Lab色彩調整」を使いましたが、
普段はCanonigitaruhotorofessionalを使っています。
CanonD.P.Pでは彩度の他に、最終的な背景のホワイトバランスも補正しています。
ヒストグラムのR・G・Bのピークの左端(画像最暗部)がわずかですがそろっていません。
(背景がグレーでは無く、ホワイトバランスが少し崩れている)

GはそのままでRとBの左端をGに合わせます。
(ほとんど見た目は変わりませんが、彩度をあげると背景の色付きで違いが出てきます。)

続いて、彩度を上げて”派手さ”の変化をみてみます。
( 画像クリックで全体画像が表示されます。)

彩度 100% (彩度のUPなし)
コンテストで派手だった事が不評だったため、前回記事で使った画像です。

彩度 120% (彩度を20%UP)
これまで標準で使ってきた彩度設定です。
周辺の淡いガス部分も少し色づきが出てきたような・・

彩度 150% (彩度を50%UP)
このあたりから少し派手かなという感じがしてきます。
全体画像でもカブリなどからくる背景の色むらも少し見えてきます。

彩度 200% (彩度を2倍にする)
さすがにわたしでも”派手過ぎ”と思います。
繊細な星雲のフィラメント部分が、油絵具で描いたようにコテコテになってしまいました。

こうやって比べて見ると、彩度UP無しの画像の背景の透明感もいいものですね。
となると、理想は
条件の良い空で、彩度を上げても透明感を失わない画像を撮る
という事でしょうか。

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この記事をもって、気になっていた「わたしの画像処理」 
Step8 最後の仕上げは、D.P.Pでこってりと
に代えさせていただきます。

雲上くもがみ
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ワークフローファイル コメント (興味のある方だけ)
部門名 : 「散光星雲部門
・ワークフローファイル名 : nebula04.sis

・コメント :
 撮影データではカメラは冷却60Dということで、私の使用カメラと同じです。
 以下、画像処理にあたって留意した点など記載します。
 
 [レベル調整]・・・普段はヒストグラムの表示幅は1500~2000程度なのですが、
           素材が良かったため広めの5000程度としました。
            RGBのヒストグラムのピークをそろえる事により、バックグラウンド
           のカラーバランスを整えています。
 [周辺減光・カブリ補正]・・・ほとんど目立たなかったため省略。(フラット補正が良好?)
 [デジタル現像]・・・「色彩強調マスク」による強調は行っていません。
 [トーンカーブ調整]・・・基本的にはコントラスト増加のカーブですが、バックグラウンドの
               レベルがそろうように、RGBにポイントを打って調整しています。
               ハイレベル側を少し下げる事により、球状星団M4の星がつぶれない
               ようにしています。
 [オートストレッチ]・・・[レベル調整][トーンカーブ調整]でもバックグラウンドは整えていますが、
              念のため、オートストレッチもかけています。
              背景がガス雲のこの画像の場合、どこのエリアを指定するかが重要です。
 [マルチバンドシャープ]・・・[マスク作成]を行った後、[選択マスクを反転]し、星だけをマスクして
                 悪影響がでないようにしています。
 [Lab色彩強調]・・・これまで彩度の調整は別ソフト(CanonDPP)で行っていたのですが、
             ワークファイル記録という事で、彩度を上げています。

 以上ですが、素材が良かったため、画像処理を繰り返すたびに派手になってしまいました。



・部門名 : 「銀河部門
・ワークフローファイル名 : galaxy04.sis

・コメント :
 撮影データでは、まだ使用した事の無い冷却CCDカメラですので、16bitでしょうか。
 以下、画像処理にあたって留意した点など記載します。
 
 [レベル調整]・・・16bitなら、かなり広いヒストグラムの表示幅とすべきなのかも
           知れませんが、銀河周辺部の淡い部分を出したかったため、
           は2600程度と比較的狭くしました。
           RGBのヒストグラムのピークをそろえる事により、バックグラウンド
           のカラーバランスを整えています。
 [周辺減光・カブリ補正]・・・ほとんど目立たなかったため省略。(フラット補正が良好?)
 [デジタル現像]・・・銀河内の赤い散光星雲を強調するため、珍しく「色彩強調マスク」を
            使ってみました。(普段は星の周囲に色にじみが出たりするので使っていません。)
 [トーンカーブ調整]・・・基本的にはコントラスト増加のカーブですが、低輝度部をのぞき
               直線に近いゆるやかなカーブにしました。
               バックグラウンドのレベルがそろうように、RGBにポイントを打って調整しています。
               
 [オートストレッチ]・・・[レベル調整][トーンカーブ調整]でもバックグラウンドは整えていますが、
              念のため、オートストレッチもかけました。
              
 [マルチバンドシャープ]・・・[マスク作成]を行った後、[選択マスクを反転]し、星だけをマスクして
                 悪影響がでないようにしています。
 [Lab色彩強調]・・・これまで彩度の調整は別ソフト(CanonDPP)で行っていたのですが、
             ワークファイル記録という事で、彩度を少しだけ上げています。
             [デジタル現像]での「色彩強調マスク」に」よる効果の方が大です。

 以上ですが、素材が良く画像処理を繰り返すたびに、目いっぱい派手になってしまいました。



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NGC6992-5網状星雲 東側 (モザイクじゃないけど・・)

2013年10月05日 | 天体写真(星雲・星団)
29日夜、網状星雲西側(NGC6960)を5分13枚撮ったあと、
続いて網状星雲東側(NGC6992-5) の撮影に入りました。
本来はもっと枚数を増やすか、露光時間10分としたかったのですが、
モヤで空が明るかった事や夜半過ぎに月が昇ってくる事から、
低くなる前の東側の撮影に時間を配分しました。
これまで西側は毎年のように撮っているのですが、なぜか東側はまともな画像がありません。
さて、今回はどうでしょう?
撮影DATA: 2013/09/29 22:49’~24:03’ VixenR200SS(f=800mm F4.0)バーダーMPCCⅢ
露出 5分×14枚  ISO 1600 LPS-P2FIL Cooled 60D (気温19℃ 冷却-6℃)
EM-200USD赤道儀 OrionSSAG ガイドスコープGS-60S PHD Guiding ステライメージ7

東側がこんなに繊細だとは思いませんでした。
彩度は控えめなのですが、その美しさは伝わってきます。

繊細な部分の拡大画像です。
( 画像クリックで元画像の75%まで更に拡大 )


着色したわけでもないのに2色のフィラメントがからみあって、
宇宙の見事な芸術作品です。

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西側より撮影時刻が遅くなったことにより、
もやっぽい空でも灯火が暗くなり、コントラストが向上しました。

雲上くもがみ
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