夜10時過ぎ、市川の寿司店に立ち寄った。
時間も遅かったので、お馴染み客が数人で、ローカルな話で盛り上がっていた。
何気なく耳に入ってくるところを整理すると、地元も理容店のことだ。
「A店は、息子よりお祖父さんの方が髭剃りが上手だ」とか。
「B店は、女理容店でお馴染みが多い」等々。
その中で、C店の親父さんのこと。
その親父さんは、60歳位とのことだが、バリカンや剃刀を手にすると手が震えて止まらないとのことであった。
目の前の震えた剃刀を見ると、恐怖に駆られるとことだ。
ところが、剃刀が皮膚に落ちるとその手の震えは止まり、一気に「ジャリ」と髭が剃られるそうだ。
寿司屋の親父も店員も、その馴染客も、「怖い」「こわい」と言いながらも、またその親父のお店に通いそうな口ぶりであった。