カウンセリング研究会【くりのみ】に、山梨県都留市から大学生の平◇君が参加してくれている。
平◇君が、教えてくれた一冊を読んでいます。
『心身症と心身医学』ー精神科医の眼ー
成田善弘著 岩波書店 1999年2月8日 第一刷発行
本書からの、【落穂拾い】(本書p63~)
心身症者は自己の一部に「否(ノー)」ということによって身体の一部を異物(外部対象)化し、それを病める身体(部位)として自己から締め出し、症状をつくり出す。その心身症者はこころと身体のふれあいを回復することによって、異物化していた自己の身体の一部を再び自己の身体として統合し、「否(ノー)」といわれていた自己の一部を取り戻して人格の広がりを達成する。
最近、仏教書を読むことが多くなった。
仏教は、「自己のこと」「身と心のこと」に着目した思想で、歴史的にも十二分な裏打ちがある。
本書からの引用を読むと、仏教の教える「煩悩」ということを重ねたくなる。
仏教の教えの中に、
「不断煩悩得涅槃」という言葉がある。
「身体の一部を異物(外部対象)化しない、締め出さない」在り方を教えているように思う。