今日は、4年生のクラスでの読み聞かせ当番でした。
(昨日の強風もおさまり、先週末からの私の鼻かぜも
なんとか治って、ほっとして出かけました)
担任の先生からの連絡事項がたくさんあったらしく、
他のクラスより開始が5分くらい遅れました。
でも、2冊合わせても十分15分以内に収まるので、
慌てることなくよかったです。
1冊目は‥
いまの季節ならでは、の絵本です。
私は、去年もほぼ同じ時期に4年生のクラスで読んでました。
美しく哀しいお話ですが、こういう世界の昔話‥の絵本
声に出して読むのはやはり好きだなーと読むたびに思います。
それぞれの国の文化や風習が、絵から垣間見えるからかな
と思ったりしますが‥。
4年生は静かに集中して聴いてくれました。
2冊目はこの絵本
小学校で読んだことあったかなーと過去ログを
探してみたら‥なんと2006年、娘が4年生の時に
娘のクラスで読んでました。(まだ読み聞かせを
はじめてから2年、ブログ開始から1年くらいしか
経ってない頃です‥)
絵本のオリジナルタイトルは THE DOORBELL RANG
まさにまさに、その通り。
お母さんが焼いてくれたおやつのクッキーが、ドアベルが
鳴って、おきゃくさまが入ってくるたびに、分けて
あげるので、ひとりひとりの枚数が減っていってしまう
という繰り返し絵本。
教室の4年生は、はじめに6枚づつ分けたクッキーが
3枚づつになり、次に2枚づつになったときに、にやにや
したり、口元をほころばせたり。
そしてひとり1枚づつになったときに、ピン ポーン!
とまたチャイムが鳴り‥どうするどうする??といった
4年生の顔がちらりと見えて、とても可愛らしかったです。
最後はおばあちゃんがたくさんクッキーを焼いてきて
くれて、めでたし、めでたし。‥と思いきや
「ほんとうに、おばあちゃんのクッキーはとくべつね!」
おかあさんがいったとき、また ベルが なりました。
1月に読み終えた本は2冊で、どちらも借りた
のではなく、自分で買った本でした。
本が増え続けていくのは困るので、どうしても
手元に置いておきたいもの以外は図書館で借りる
ようにしていますが、新しい本はやっぱりいいな
と、たびたび思った1月でした。
1月1日から読み始めたのは‥文庫化されたばかりの
この小説。
昨年10月に一度読んではいるのですが、忘れている
ところもあったし、よく理解できないところも
あったので、初めからじっくりと読みました。
(特にニーチェの『ツァラトゥストラ』を
引用しているところ)
ペッパーズ・ゴーストとは‥
劇場や映像の技術でひとつで、照明やガラスを使い、
別の場所に存在する物を観客の前に映し出す手法。
本来はそこにいない、別の隠れた場所に存在するものが
あたかもいるかのように登場する。(本文P228より)
ロシアンブルとアメショーの二人組は、もしや
ペッパーズ・ゴーストなのでは?と読者である私たちに
(一瞬)思わせておいて‥
そんな物語を読んでいる自分自身でさえ、どこか高い
場所に居る誰かの思惑で、動かされているだけかも
しれないと、仮定してみるのもおもしろい。
ロシアンブルとアメショー。
またどこかで出てきてほしいと強く願ってます。
もう1冊は、こちらの小説。
『ペッパーズ・ゴースト』を買いに行ったときに、
ショッピングセンターの中にある書店を久しぶりに
ゆっくり歩いていて、ふと目に留まったので。
(まかてさんの新作が出ていたこと知らなかった
ので、驚きと喜びで買ってしまいました)
まかてさんの作品のほとんがそうであるの
ですが、読み始めると、主人公にたいそう魅了
されている自分に気が付きます。
今回も、杜宇(とう)と一緒に気持ちが動き、
米作りの大変さも、九四郎を信じてよいのか
どうかの揺らぎも葛藤も自分のことのようで。
読み終えてしまうことが惜しくて、最後は
ゆっくりゆっくり読みました。
ときは江戸、三代将軍家光公の頃、世のなかは
やっと争いごとから解放される。逃げているのは杜宇。
はじめは、読み手には理由わからず。隠れ小屋から
満姫(みつるひめ)と朔(さく)に見つかり、
くじを引かされた結果、青姫の郷へと連れていかれる‥
青姫の郷とはどんなところで、杜宇はなにゆえ
米つくりを命じられたのかー。その謎だけでも夢中に
なってしまうのに、中ほど、九四郎なる人物が現れて
から、物語はまたひとつ、ふたつと展開していきます。
その面白さに加え、青姫(=満姫)が身にまとっている
衣装の美しさといったら!
たとえば。
梔子色の表衣には紅白の萩や雉が刺繍されていて、
長袴は朱色、帯紐は浅葱色。
そして、こんな箇所。
日中、汗みずくになって土と水と稲に接していると、夜は
文字が慕わしくなった。夏の終わりの空に立ち並ぶ雲の白、
木下闇に沈んだ青(中略)そんなことを綴るだけだ。
けれどこの郷には真に「青姫」が棲んでいるのだなあと
思う。自在なる魂が。
杜宇の言葉からわかる通り、青姫の郷とは、桃源郷
だったのでしょう。
まかてさんファンだけでなく、物語好きな方みなに
読んでもらいたい、と強く思います。
(そして感想を分かち合いたいです)
先週金曜日は、5年生のクラスでの読み聞かせ
当番でした。届ける絵本は『じごくのそうべい』
毎回読む絵本を、年度の初めに決めるように
なってから、私がこの本を読むのは今回で3回目。
1回目は2019年2月、2回目は2020年2月でした。
どちらの時も、自分の中で満足いく出来では
なかったので、今回は短い絵本を入れずに、時間が
余らないくらい余裕をもって読んでみようと
決めました。文字のないページもゆっくり見せて‥。
結果、どうだったでしょうか。。。
聞き手の5年生には落語絵本(しかも上方落語)の
面白さを少しでも感じてもらえたのなら、嬉しいの
ですが。
※2月はお休みなしで、今週は4年生、最後の週は
1年生と、「お当番」が続きます。
1月は、初めての、渋谷ユーロスペースで
【キノ・ライカ 小さな町の映画館】を
3日に観てきました。
フィンランドの映画監督アキ・カウリスマキが
鉄鋼の町カルッキラに、仲間たちと映画館を作るまでを
描いたドキュメンタリー映画。
その映画館の名前が「キノ・ライカ」なんです。
ユーロスペースのロビーにはこんなコーナーも
設けてあって。。。
一瞬本当のキノ・ライカに来たみたい!な
気持ちになりました。
あとの2本は、WOWOWのオンデマンドで。 オリジナルタイトルは
【MAYBE I DO】
土曜日の夕方に観るのにはちょうどよい感じ
(長さと内容)のコメディ映画でした。
リチャードギアとダイアンキートンが夫婦役で、
娘の彼氏の親に会ったら、それぞれの知り合いと
いうか浮気相手だった、なんて、コメディ以外
ありえない設定ですよね。
しかも、娘は妙に結婚したがっているのに、
彼氏は妙に怖気づいていて(笑)。
親夫婦は60歳くらいの設定なので、これからの
ことや今までのことを思って、ためいき、みたいな
気持ちはもちろんわかりますが‥あったかもしれない
パラレルワールドは、時折夢想するくらいで
ちょうどよいのかもしれないよ、と思ったのでした。 【関心領域】
The Zone of Interest
去年ラジオの映画紹介のコーナーで内容を
聴いた時から、すごい映画を作ったもんだと
思っていて‥私は観るのか、観ないのかを、
ずっと考えていた。(で、結局はオンデマンドで
観たわけです)
アウシュビッツの隣地に建っているナチス将校の
家と(プールや温室まである)、そこで暮らす家族の
日常。映像は美しく、聴こえてくる音はとても不穏。
でもそこで暮らしている人たちにとってはそれが
「日常」なので‥夫が持ち帰る服を皆で分け、
コートのポケットに口紅があるのを見つければ、
躊躇わず塗ってみる‥。仲良くしていた(ユダヤ人の)
家族が連れ去られた話を、フツーにして、その家の
カーテンが欲しかったのに、ほかの人が持って
行ってしまったと残念がる‥。
人間はいろんなもの‥生まれてきた場所や時代‥
に容易く飲み込まれてしまうものなのだと、ぼんやり思う。
本日は1年生のクラスでの読み聞かせ当番でした。
1冊目は『くまのビーディーくん』。
家にはこの絵本はなかったので、娘に読んであげた
ことはなく‥読み聞かせボランティアをするようになって
私は図書館で借りて、知った絵本でした。
セイヤーくんにとても可愛がられている、ぜんまいじかけの
おもちゃのくま、ビーデイーくん。
ある日、ひとりで絵本を見ていたら、くまは、ほらあなに
住んでいるものだと教えられ、望遠鏡で探した先に見つけた
ほらあなに行ってみることに。
ちょうどよい大きさではあったものの、何か落ち着かず、
家との間を行ったり来たり。
物音に怖気好き(本物のクマが帰ってきたのかと思って)、
ひっくりかえってしまって(ちょうどぜんまいが切れた?)
いたら‥そこに現れたのはセイヤーくんで‥。
「いやになっちゃうなあ、ビーディー。
きみは ねじを まかなくちゃだめだってこと
わかんないのかい?」
「そして、その ねじを まく ぼくが、いなければさ!」
なんて優しいセイヤーくん!
「わかってるよ。だけど、それなら セイヤーくんは
だれが いなくちゃ だめなの?」
(答えを知ってて訊いてる?(笑) ビーディーくん)
「きまってるじゃないか、きみだよ、ビーディー!」
終盤のこんなやり取りとり、気持ちがじんわりなごみます。
モノクロ中心の絵は地味に感じられるので、たぶん
子供が自らは選びにくい絵本なのでは?と思います。
なので、こういう機会に、1年生にも知ってもらえて
よかったなあと思いました。
2冊目はこちらの絵本。
(今回初めて知った絵本でした)
ひとーつ、まめひとつあったとさ。
はたけにうめて、つちのなか。
ふたーつ、ふたごのはっぱのあかちゃん、
げんきよくでてきたよ。
と、リズミカルに進んでいき、
やっつ ややぁ?なべだ。
やかれるのは いやっ!
と、途中で逃げ出した豆が ここのつ
ころころ ころころ ころがりだして、
とおで、とうとう つかまって、
最後は鍋で炒られて 節分の福豆になったところで
終わります。
みんなは家で豆まきする?の私の問いかけに
半分くらいの子が「やらない」と言ったので、
ちょっと驚きました。
でも、自分の年の数だけ豆を食べることは
知っている子がほとんどでした。
先週金曜日は3学期1回目の読み聞かせ当番
でした。入ったのは3年生のクラス。
『きこりとおおかみ』『まほうのコップ』の
2冊を読みました。
きこりとおおかみ は2019年にも3年生のクラスで
読んでいました。その時のログに内容は詳しく書いて
ありますので、今回は省略。
真剣に物語を追っていた3年生ですが、
おおかみたちが5時間も木の下で待っていた、という
ところで「えー!5時間も」と声が上がってました(笑)。
2冊目の絵本
今回はじめて選書ラインナップに登場しました。
「ちいさなかがくのとも」からの単行本化の絵本で
私自身、初めて読みました。
なんの変哲もないガラスのコップに水を入れる
ことで、コップの向こう側に置かれたものが
形を変えて見える!という実験&写真絵本で、
それに長谷川摂子さんの短い文がついているというもの。
たねも しかけも
ありません
ただの コップに
ただの みず
これが
まほうのコップです
こんな出だしにわくわくします。
一番「受けた」のは、コップの向こうにしめじを
置くと あっというまに がまがえる
コップにすじが入っていると、いちごが3つに
増えて見えるのも面白かったです。
すごく簡単にできる「魔法」なので、家で試して
みてね、と言って教室をあとにしました(笑)。
12月は半ばくらいまで、ずっと香君の下巻を
だらだらあと読んでいましたので、終わってみれば
12月中に読み終えた本は1冊だけでした。
作者の岩井さんは別の作品で直木賞の候補にも
なったそうですがまったく存じ上げず‥この本を
知ったきっかけも、表紙に使われた小さな家の
オブジェからでした。
谷中にある穀雨のオーナーであり、デザイナーで
ある長南さん作の【どこか遠くにある街】が、本の
表紙を飾る!ということを知り、長年のファンと
してはとても嬉しく誇らしい気持ちにもなり、
作者も内容も知らないままに10月末に早速購入したのです。
手にしたことでなんとなく安心?してしまい、
2か月近くも寝かしてしまいましたが、深夜の古書店で
開かれる「読書会」という設定は面白く、本の帯に
あるように、読書会に参加した男女6人の物語はそれぞれ
興味深いものでした。
妻子あるゼミの担当教授と不倫関係を自分で断ち切った
吉乃。
野球を続けることができなくなった自分をやっと
受け入れることができるようになった真島。
非正規雇用の悪状況でも好きな司書の仕事を選んだ
安井さん。
家族を捨てて出て行った父への葛藤を抱えたままの
中澤さん。
バイオリニストへの夢を諦めた国分さんが、再び
バイオリンを弾いてみたいと思えるようになったこと。
そして、古書店【深海】の店主である吉乃の叔父の
遠藤さん。
それぞれの方が選んだ本で、読書会が開かれ、それは
同時にその方の「物語」が紐解かれることでもあり‥。
物語の終盤では、遠藤さんが以前の店の持ち主であった
庄司さんから店を引き継いだ経緯と、タイトルの
「夜更けより静かな場所」とは何を意味しているのか、
そこはいったいどこなのかーがわかります。
人は誰でも自分のココロの奥底に「深海」を持っていて
本を読むという行為はそこへ降りていく、あるいは
潜っていく、ということなのか、と思いましたが、
そこまで行かずとも、「深海」が存在していることを
思い出す行為そのものが、読書なのだろうと思いました。
そして「読書会」
開催してみたくなりました。
2025年 もう1週間もたってしまいましたが、
あけましておめでとうございます。
映画と読書の記録は自分のためと割り切り、
今年もできる限り覚書を続けていこうと思います。
12月は久しぶりに日比谷へ観に行った映画が1本、
あとの2本はWOWOWオンデマンドで、でした。 @日比谷シャンテ
歌手エイミー・ワインハウスの27年の生涯の映画化。
ノンフィクションではなく、俳優さんが演じています。
独特の歌声とスタイル、そして27歳という若さで急逝。
原因はアルコール依存症‥。それくらいの知識しか
なかったので、そうなってしまった彼女の人生に対する
「なぜ」への、答えが描かれているのか、私にわかる
ことができるのかーというような気持ちで、映画を観ました。
出会った男=恋人のグレイグがわるかったのか、
エイミーはグレイグを愛しすぎてしまったのか、
単純にアルコールの魅力に抗えなかったのかー。
何かもうすこし?別の誰か?の救済があったなら、
私たちは彼女の歌を今でも聴くことができたかもしれない
と、残念な気持ちになりました。
映画のラストは、エイミーが階段を上っていくところで
終わります。踊り場?の窓の白いカーテンが揺れていて
とても美しい場面でした。
どんなところで映画は終わるのだろうと(私たちは人生の
終わり方をすでに知っているので)気になっていましたが、
きっとあの階段は、天国への階段だったのだ、とふと
後から気が付き、すこし気持ちが緩みました。 @WOWOW
週末家に居たので、何か観よう、たまにはミステリー
もいいよね、と選んだのですが、思いのほか重い
結末で、そうだこれはハリウッド映画ではなく、
イギリス映画だった、と思ったのでした。
家族の長が殺され、家族全員に動機があり、最後に
(この人でなければいいなと思っていた人が犯人で)
それががわかったところで唐突な幕切れ。 @WOWOW
今度はアメリカ映画なので、大丈夫だろうだろうと
選びましたが、なかなかに重い内容でびっくり。
1973年に実際にイタリアでおこった誘拐事件を
ベースに、リドリー・スコット監督が映画化。
アメリカの大富豪ジャン・ポール・ゲティの孫ポールが
イタリアで誘拐されて莫大な身代金を要求されるが
ジャン・ポール・ゲティはそれに応じず。ポールの母は
息子を助けるために、犯人と、お金を出してくれない
義父であるゲティとも「戦う」ことになる、という内容。
マフィアは容赦なく、ポールは本当に生きて戻って
来られるのか、と何度もドキドキしました。
まあハッピーエンディングといってもよい終わり方
でしたが、これまた週末の夕方に観る映画ではなかった
なーという思い(笑)。
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12月もいろんなところへ行きました。 ギャラリー一白
隠れ家的な素敵な場所で書の先生の個展がありました。
この日はこのあと池袋の明日館へも。
上原ひろみ Hiromi’s Sonicwonder Japan Tour 2024
@大宮ソニックシティ
二度目の SPITZ NOW! ロック大陸物語展
4月に続き二回目のkotokoさんの絵本棚@八王子
そのあとにヒナタノオトに行って、夕方からは‥
ハナレグミライブ「ホールでGOOD DAY」東京公演
@昭和女子大学人見記念講堂
この日の疲れがとれるまでに数日かかりましたが(笑)
とても思い出に残るよい日でした。
11月に読み終わった本は合計4冊ありました。
どこかの本の紹介で「とてもよかった」とあったので、
図書館で借りてみました。
題名も知らなかったし、著者の作品もはじめまして。
短編集なんだけど、そのほとんどにとても長い
タイトルがついていて‥たとえばー。
雪が降り積もらない町にある日大雪が降り続き、
家を抜け出した子供は公園で黒い犬を見かけ、
その直後に同級生から名前を呼ばれた
といった感じ‥。
タイトルの付け方も変わっているけれど、内容
そのものも、情景描写や心理描写がなくって、
ほぼ全部が「説明」なので、登場人物の人生を
遠くから俯瞰して、そのすべてを知る感覚になる。
ある意味とても新鮮な短編集だった。
一遍読み終わるたびに、壮大なストーリーを読み
終えたかのような感慨に浸れるものもあったし。
手元に置いて、何度も読み返したいような、いや
もういいかな、という気持ちになったり。
長い物語が読みたくなり、なんとなく探していたら、
初めて目にした題名だったので、借りてみました。
(最近、文庫版が4冊組で出たみたいですね)
ファンタジーは久しぶりだったので、そのセカイに
慣れるまで時間がかかり、登場人物の名前もつながりも
国同士の関係や地理的なものまで、何度も何度も
巻頭を見返しながら読み進めました。
香君とは、常人の何十倍もの優れた嗅覚を備えた
香りの「声」を聴くことができる女性で、ある時
どんな荒地でも育つ稲を携えて、「異界」から
現れ、こちらの窮状を救ってくれた‥。
こちらの側の民は、その女性を香君=活き神様と敬い、
教えをこい、権力者たちは香君を政治の仕組みに
うまくはめ込み、国の統一を図ることに利用する‥。
香りの声を聴くことができる人の孤独を描き、
植物だけでなく、虫も人も、生きとしいけるものは
すべて繋がっているのだということを、物語が
進むにつれ強く感じるようになっていきました。
上橋さんの書くファンタジーはなんでこんなに
おもしろいのだろう、と、結局下巻は二度続けて
読んでしまい、それでも、香君の居るセカイに
もうすこし居たいと思ったのでした。
WEB掲載と、婦人之友での連載が、1冊となり
秋、作者の誕生日に上梓された本。
中のイラストは大野八生さん。
主人公のハルさん(表紙の人)は以前に作家さんの
作品を扱う工芸ショップを営んでいて、自宅の
食器棚にも、たくさんの「作品」が収められています。
物語は、その中の、たとえばポットが、たとえば
木のボウルが、たとえばガラス器が語りだすと
いう趣向。どの話も興味深く、とても面白いのです。
そして、はっとさせられたのは、ハルさんがものを
選ぶときの視点。
素材、技術、今の時代にあったデザイン、意匠であること。
3つのうちのどれか一つだけ、あるいは二つが突出して
いても、魅力的な作品にはなり得ないのかも、と
ハルさんの言葉で気が付きました。
今日は5年生のクラスでの読み聞かせ当番でした。
そしていつ以来か思い出せませんがペアで入りました。
最初にペアの仲間が【かさじぞう】を読みました。
5年生はとても集中して、はなしの成り行きを
見守っている感じでした。
私は教室に、5年生と一緒に座って聞きましたが、
誰かが読んでくれる絵本を、こどもたちと一緒に
聞く時間はほんとうにいいものだなーと、久しぶりの
その「感じ」を楽しみました。
2冊目はこちらの絵本。(私が読みました)
今年からラインナップに加わった「科学絵本」
私は初めて手にしました。
5年生にはどうかなー簡単過ぎる内容かな?という
気持ちもよぎりましたが、いやいやそれはいらぬ
心配で‥とても真剣によく聞いてくれました。
みかんは「へた」のところを取るだけで、なかに
「袋」がいくつあるかわかる、というのは知って
いましたが、袋のなかの一粒づつも「袋状」に
なっていて‥なんとひとつの袋=房のなかに
270粒!もあり、そこからジュースが出てくるため
みかんはあんなにもジューシーで、美味しいのだと
いう「ひみつ」を知りました。
巻末にはいろんな種類のみかんの仲間がたくさん
載っていて‥どれを食べてみたい???とか、5年生に
投げかけるのも楽しい時間でした。
そして本日「ペア」で一緒に教室に行った方は、
なんと高校の同級生。50歳を記念して行われた同窓会で
再会して、近くに住んでいることを知り、同じような
活動をしていることも知って‥そして今回初めて、
同じクラスを担当することになりました。
生きていればいろんなことがおこるのだなーと
ちょっとしみじみ。高校生の頃には、夢にも思わなった
ことですものね。
11月に観た映画は2本だけ。どちらもWOWOWで。
ゴールデンカムイ
よく知らなかったのですが、あまりにも
WOWOWで宣伝しているもので‥(笑)
ドラマ版を観るためには、その前に映画を観て
おかねばと思いまして。。
なんかすごく壮大な話なんですね~登場人物も
いちいちキャラがたっていて。
このあとのドラマ版へ繋げるための、映画は「序章」
だったのかな。
戦争や戦闘シーンなどの描写、ちょっとグロイとこも
ありますが、アイヌの暮らしぶりや衣装なんかも
丁寧なので、ドラマ版もぼちぼち観ていこうと
思ってます。
だいぶ前に原作を読んで、のちに映画化されたときに
娘に誘われた気がするのですが、そのときはもう映画は
(観なくて)いいかな、と。
今回WOWOWオンデマンドにあったので、なんとなく
観ておこうという気持ちになったのは、この時「若手」
だった俳優さんたちが、今は皆主役をやるように
なっていて‥そんなところにも興味を惹かれたから
でしょうか。
映画は2016年公開なので、今はそれから8年も経っていて、
自分がシュー活をやっていた頃を思うと、40年くらい
時間が経っていて、臨み方も、環境も、いろんな点で
昔とは違うけれど、選ばれない、決まらない苦しみは、
今も2016年も、その昔も同じなのだなーと、なんだか
青く苦い気持ちがよみがえりました。
::: ::: :::
11月も楽しいことはいくつもあって。
日帰り研修旅行で「首都圏外郭放水路」という
ところに行ったり。
娘と一緒にこれを観に行ったり。
母の米寿を祝う会も無事成功に終わりました。
先週金曜日は3年生のクラスでの読み聞かせ当番でした。
前回は10月11日だったので、(ほぼ)2か月ぶり。
こんなに長く空くのは久しぶりでした。
最初に読んだのはこちらの絵本
どうして干支がこの順番になったのかー??の
お話で、知っている子も多かったようです。
文体がちょっと方言、というか、普段使わない言葉
なので慣れないと読みにくいのですが、教室で読んで
いるうちにじょじょに調子がでてきて、家でひとりで
練習しているときよりも、うまく読めた気がしました(笑)。
たとえばこんなところ‥
「いぬどん、やーい。どこさ いくだ?」
「おっ、さるどんか。どこって おめえさんと おんなじ
とこだ」
「ほっ、そうか。ごてんか。いっしょに いくべ」
「やんだ。おめえは すぐ ひっかくだもの」
「なにを、いぬどんこそ、すぐ かみつくでねえか」
2冊めはこちらの絵本
ああ、谷川さんの絵本‥とひとり感慨深くなったり
しましたが‥
教室の3年生も、「これはのみのぴこ、の人だよね?!」と
気が付いた子もいました。
こどものとも年少版の単行本化なので、内容は
とてもシンプル。
見開き右側ページに、大橋さんの描いた「かどまつ」
左側には、
まつが まってる おきゃくさま
どこから くるのか おしょうがつさん
と、口ずさみたくなるようなリズミカルな谷川さんの
ことば。
「おそなえ」のところには
あたらしいとしは まだあかちゃんだから
まっしろおっぱい ほしいのかな
ととてもユニーク(笑)。
最後まで読んだあとに、また最初に戻って、3年生の
「お正月事情」をちょっとリサーチしてみましたが‥
だいたいの子がふくわらいも、こままわしも、
たこあげもはねつきも保育園や幼稚園、あるいは
小学校に設けられている「昔あそびの時間」などで、
体験済でした。
(伝統が継承されていてよかったです。)
10月にちゃんと読み終わった本は
結局2冊だけでした。
この文庫本は、8月の旅行の際、飛行機がではなく
米子から岡山へ出て、そこから新幹線で帰ることが
決まったときに、夫が選んだものでした。
私は結果的に『旅のつばくろ』を選んだのですが、
この本と、実は迷ってました。
人生フルーツのお二人ですものね?
映画は話題になっていたので、知っていたのですが、
結局観ることなく‥‥
「ききがたり」とタイトルの付いているように、
お二人が語ったことを、文章にしているので、それを
読んでいると、まるで自分に語ってくれているような
気持ちになることも。
私は、お二人の何にいちばん感銘を受けたのかな。
自分の信念を曲げないところか?
お金がなくてもやりくりしてきたところ?
今の自分にできることを、工夫して、楽しみながら
やり続けてきたところでしょうか。
子育てに忙しい娘さんのために、保存食などをせっせと
送ってあげたりとか‥親として、それは正しい行いで
あることを再確認できてよかったです。
エッセイが続くと物語が読みたくなり、図書館で
借りてみました。(本当は2回目も読みたかった
のだが、文庫化されるということなので、再読
せずに返却しました)
今回の主人公が持つ「不思議な能力」は、ほかの人に
訪れる「ちょっと先の未来」を予告映像のように
垣間見ることができるというもの。その能力は父親譲り
らしい。
物語の構造はすこし複雑で‥生徒が創作した小説の中の
登場人物は実在していて、特殊能力を持っている教師が
「垣間見てしまった」がゆえに、やっかいで物騒な事件
に巻き込まれていく‥といった感じ。
このたびも、二人組がでてくるが、この二人組も
とても味わい深い。
思い出して書いているうちに、もう一度読みたくなって
きたので、やはり文庫本を買おうと思います(笑)。
10月は映画館へは一度も行かず、テレビと
オンデマンドでWOWOWの映画を3本観ただけでした。 翔んで埼玉2
埼玉県民としてはおさえておかなくては(笑)という
気持ちから‥。
話は関西方面にも広がっていくのですが、大阪と
神戸と京都(の一部)は特別なんやねーの感じが
よく出ていました‥配役だいぶ濃かったですが。
埼玉県内のトピックで面白かったのは、武蔵野線の
立ち位置というか、存在感というか‥ふんふんそうだよね
という感じでした。(そのへんの感じ方は県民ならでは
かもしれません)
杏さんの熱演が妙にココロに残りました。 パーフェクトデイズ
公開後すぐに映画館で観ましたが、このたび
WOWOWでも放映されていたので、録画して
娘の披露宴の翌日に、夫と二人で観ました。
姪っ子ニコの、瑞々しさが、今回はとても印象的
でした。 リップヴァンウィンクルの花嫁
少し前から、オンデマンドで観られることは
知っていたのですが、3時間を超える大作なので
迷っていました。
岩井俊二監督の『キリエのうた』を8月に観て、
原作も9月に読んで‥娘が持っていた映画のパンフを
拾い読みしていたら、やはり、『キリエのうた』の
前作である『リップヴァン~』を観ておかなければ、
という気持ちになってきて、観始めたのですが、
WOWOWにあったのは、公開版より遥かに長い
4時間19分の完全ヴァージョンで、しかも、話の
序盤から中盤にかけてがとても哀しく長く感じられて
もうここでやめてしまおうか、と思ったくらい。
綾野剛の、わるいひとっぷりが恐ろしくうまく、
黒木華の、無垢ぶりがココロに痛くてしかたなく。。
でもやっとCOCCOが登場してきたので、タイトルの
「花嫁」が意味しているものを知りたくて観続けた
次第です。
公開時ヴァージョンは、きっと中盤に行きつくまでが
編集されていたのかなーと想像しますが、前半の山場?
の、スーツケース引きずってさまようシーンも、終盤の
2人のウエディングドレスシーンも、私には正直ちょっと
長く感じられました。
(でも、キリエとこの作品を観たことで、監督が求めている
美しさみたいなものが、どこにあるのか、ちょっとだけ
わかったような。。)
それにしても、綾野剛演じるアムロは、ほんとうに
わるいひとなのか、それともシゴトに忠実なだけの
フツーの人なのか、COCCO演じる真白の母と一緒に
泣いて裸になってしまうような、実は良い人なのかー。
今も時々思い返して考えています。
::: ::: :::
10月の最大のイベントは娘の結婚式&披露宴でした。
あいにくの空模様でしたが、終始和やかで、とても
よい式でした。
写真は、私たちのテーブルの設え。
横たわっている(笑)折鶴は晴れていれば、式の時に
「折鶴シャワー」として、列席の方々の手から空に舞う
予定だったのですが‥(その準備のため夏中せっせと
折り続けたわたし‥)
お花のガラス鉢の横にある本は、ただの飾りだと
思っていたら、2冊目は表紙を開くと中は空洞で、そして
そのテーブルに座っている方それぞれ宛の手紙が入って
いたのでした。これにもびっくり。
(式の終盤で、二人のピアノ演奏があったことも、
知らされてなかったのでびっくりでした‥曲はスピッツ
好きの娘の選曲で【空も飛べるはず】。新郎は初ピアノ
だったそうで‥新郎側のご両親がはらはらしてました)
披露宴のBGMも二人で選んでいるのは知っていて‥
きっと私へのサービスで(笑)、スピッツの曲入って
いるのだろうなあと予想していて‥でも、ピアノ演奏
あったから(出席者みんなで歌ったし)、もうこれで
おしまいだよね、と思っていたところ。。。最後の
最後(お手紙朗読のあと)で、【正夢】が!しかも私が
草野さんの歌詞なかで特別好きと言ってた箇所!が
流れてきたときには、もう涙なみだでした。
♪ちいさなしあわせ つなぎあわせよう
浅いプールでじゃれるような ♬
他には‥
リアルシトロン@阿佐ヶ谷 に娘と友だち2人と
行ったあと、リトグリの10周年を御祝いするライブに
娘と行ったり。
26日土曜日には毎年恒例の【工房からの風】に行き、
(ほんとは子供向けの)ワークショップに、入れて
もらって金工体験してきました。
9月も、8月からの「掛け持ち読書」は続いて
いましたが、なんとか4冊読み終えました。
物語やエッセイ以外の本を自分から選ぶことは
ほとんどなく‥この本も「先輩」から勧められて
読んだのですが、思いの他読みやすく、そして
「発達障害」を抜きにしても子育てのバイブルに
なるような内容でした。
たとえば‥
脳をつくり直すのは「生活の改善」
1 脳の育て直しができ、脳のバランスが整う
2 セロトニン神経を育てられる
3 睡眠が安定する
そのために
1、朝日を浴びる
2、十分に眠る
3、規則正しい時間に食べる
何よりも睡眠と早起きが大切
「傾聴」と「共感」
役割を人からもらう感謝が子どもの自己肯定感を
底上げしていきます ‥
9月に観た映画のところにもちょっと書きましたが、
旅の復路の飛行機が台風の影響で飛ばなくなったため
旅行の予定を一日延ばして、米子に泊まり、翌日
岡山から新幹線で帰ることになりました。
車中退屈しないように、本屋さんで何か買おうと
思い立ち、そこで選んだ文庫本。
旅といえばやはり沢木さんだよねーという気持ちと
東北新幹線の車中にある雑誌で、掲載されていた
エッセイを読んだことがあったので、新幹線で読むのが
とてもふさわしいように思えました。(厚さというか
ちょうどよい薄さだったし)
このエッセイの中に『春に散る』のシーンを思いついた
桜並木のエピソードがあり‥もしこの文庫を手に
しなければ、その映画も観ないまま通り過ぎてしまった
なーと、偶然の積み重ねに、ちょっとココロ楽しく
なりました。
あの『春に散る』の物語は、主人公の元ボクサーが
この道を歩くシーンで終わりにすればいいのではないか
と思いついた。いやそう思いついたとき『春に散る』
というタイトルが確定したのだ。
8月に映画を観たあと、岩井俊二監督が書いた
「原作本」があると知り、図書館で借りて読んで
みました。
この表紙の通り、小説の中でのキリエは頭の中で
アイナジエンドに変換され、イッコは広瀬すずに
すぐに変換されてしまったけれど、演技からだけでは
(わたしが)汲み取れきれなかった細やかな感情が、
文章を読むことでよくわかった箇所もあり、そうか
やはりそうだったのかーと答え合わせをするような
気持ちもありました。
映画のラストシーンで、ネットカフェのシャワー
ブースを出たところでキリエとすれ違った女性に
何か意味があったのかなーと思っていたけれど、
小説にはちゃんとその続きがあって‥イッコが
捨てたと言った「まおり」という名前を「貰って」
後に本を書いたという設定付で終わってました。
(もしも、小説を先に読んでいたら、映画を観た私は
どう思ったかなーと思ってみたり)
未読の江國作品を図書館の棚で見つけたので
借りてみました。タイトル通り、本のこととか
その周辺のことを、ちょこちょこっと書いた文章を
まとめたエッセイ集。
さようならを言うのはすこしのあいだ死ぬことだ
と言ったのは、フィリップ・マーロウだけれども
散歩するのもまた、すこしのあいだ死ぬことだ。
日常からはみだすこと、日常がそこでふっと切れて
時間が停滞するというか、ゆるくかたまる、
くず湯みたいに、そういう意味で、散歩と旅と
お風呂は似ている
こういうところにエクニカオリという人がとても
よく表れていて‥そういう世の中の捉え方みたいな
もの(あるいは感覚)が好きか嫌いかで、彼女の
作品に対する評価も変わってくるのかなーと思い
ました。