高校時代からの友人Mさんと、もう一人の友人(同じくイニシャルが)Mさんには、
同じ年のお嬢さんがいます。
二人は1994年生まれで、しーちゃんが4月、みーたんが12月に生まれています。
小学校入学の時に、私が二人に贈ったのが↓の絵本。(このときはわりとすんなり決まりました。)
そして、その二人が、この春小学校を卒業したので、そのお祝いにも本を贈ろうと思い‥
小説や詩や物語、あるいはお料理の本?まで範囲を広げて考えたのですが、「今」の私が
選ぶのならやっぱり絵本かなあと8割方心に決め、最後は、梅ヶ丘のことり文庫さんの
店内で、ことりさんに置いてある本の中から選ぼうと思ったのでした。
Mさんのお嬢さん、みーたんにはこの本を。
『はっぴぃさん』 (過去記事は※)
もう一人のMさんのお嬢さん、しーちゃんにはこの本を選びました。
『たいせつなこと』
マーガレット・ワイズ・ブラウン 作
レナード・ワイスガード 絵
うちだややこ 訳
マーガレット・ワイズ・ブラウンの絵本といえば、『しずかでにぎやかなほん』(過去記事※)を
ずっと愛読していて‥この『たいせつなこと』が2001年に出た時は、なんとなく、いいかな
(買わなくても)と思い、知ってはいたけど、じっくり味わったことがありませんでした。
ことり文庫さんの奥の部屋で、一緒にお店に行った娘に、声を出してこの本を読んでみました。
(娘が読んで、と言ったわけではなく、私が勝手に聞かせ始めたのです。)
やっぱり、絵本は、声に出してこそ、だし、ひとりで声に出すよりは、誰かに向かって
語りかけてこそ、のものです。今までさらさらっと読んでいた時は、この本の魅力の10分の
1もわかっていなかったと思いました。
言葉のつながり方の美しさ。語りかけの優しさ。
あとがきで、翻訳された内田さんが ひらがなという美しい音色にかえ、と
言ってるとおりだと思いました。
あめは うるおす
あめは そらから おちてきて
しとしと ざぱざぱ おとが して
いろんな ものを
つやつやに かがやかせ
どんな あじにも にてなくて
くうきと おんなじ いろを している
でも あめに とって
たいせつなのは
みずみずしく うるおす と いうこと
私はしーちゃんへの手紙にこう書きました。
この本は、小さな子供たちのために書かれた絵本だけど、10代の子が読んでも、
大人が読んでも、詩の本を読んだ後のような気持ちになれると思い選びました。
しーちゃんは、最初は何が言いたいのか分らなかったし、そんなのあたりまえ!
って思い、でも、2,3回読むうちに、最後に書いてあることが大切だなと
思ったそうです。そして「少しだけ」なら人に合わせてもいいし、「少しだけ」なら
自分の意思を持って行動するのもいいと思ったと、結んでありました。
しーちゃんは、「少しだけ」をカッコに入れてはいませんでしたが、私は、そう手紙に
書ける、素直さと正直さをかわいいなあと思うと同時に、羨ましくもなりました。
生きていく中で大切なことは多々あり、優先順位だってありますが、本当に大切なこと、
たいせつにしたいことは、13歳のしーちゃんが教えてくれた伸びやかな素直さなのでは
ないかと、思っています。
今年愛用している手帳には、1月1日からの「通し番号」がついていて、昨日がちょうど
100日目でした。100日といえば、1年の3分の1が過ぎようとしているということ。
今年になって、もうそんなにたってしまったのかと、焦る気持ちは、「たいせつにしたいこと」
の逆をいっているようで…。それではいけないと、しーちゃんからの手紙を読みなおした日でした。