my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

ほぼ30年前の私へ

2011-12-14 18:27:44 | 想うこと

ゆうべ、ふとした気持ちから本棚にずっとずっとあったこの本を
手にしてみました。

最後のページに、最初に読んだ時の日付が残っていました。

 ’82.1.5

今はもう書いていませんが、昔は、買った本には必ず読み始めた日と
それを読み終わった日を記していました。何度も読んだ本には、だから
いくつもの日付が残っていて、それはそれで、なかなか興味深いのですが‥

この本には、ひとつしか残っていなかったってことは、ほぼ30年前に、一度しか
私は読んでいなかったのでしょうか‥ねえ?
訊いてみたところで、答えるのは自分ひとりしかいないし、その自分があやふや
なのだから、どうしようもありませんが‥。

眠る前に読み始めて、今日の午後続きを読んで。

そうか、こういう話だったのだなーと思いました。
作家の処女作には、その後の作品の「元」になるものが詰まっているとは
思っていましたが、まさか、ここに、そんなにいろんな断片があったとは!です。

当時の私は何も知る由もないわけで‥作家ご本人だって、この作品を書いて
いた時には、その後自分がどういう作品を発表していくかなんて
知っているはずがないわけで‥。
小説を読む楽しみって、こういうところにもあったのだなーと今さらながらに
感じました。

それにしても、当時の私、何にも知らない、知らないだらけのただの学生
だったのです。その事実はよーく知ることになりました。
知らないながらにも、それなりに考えて感じて思って、選んで捨てて、
苦しんだり悲しんだりもしてたんだなあと思いますが、でもそれにしても
20代になるかならないかの頃って、何にも知らずに生きていたんだなと
思います。

今そう思えるってことは、それからの時間がいくらかは無駄にはなって
いなかったってことだよね、とわかり、すこし安心したりもするのですが‥
みんなそういうふうにして大人になっていったのでしょうか。


コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする