先週の金曜日から、今年度の小学校での読み聞かせが
始まりました。
初回は、ペアさんと6年生のクラスへ。
最初にペアさんが五味太郎さんの、この絵本を読みました。
選書段階でメールをいただいて、初めてこの絵本のことを知ったので、
どんな内容なのか、とても楽しみでした。
ももたろうは有名だけどさあ、ももたろう以外にだって、知られてないだけで、
「きゅうりたろう」や「りんごたろう」だって、居たかもしれないじゃない?
と、話を運んでくるあたりの、五味太郎節(?)に、思わず頬がゆるみました。
そのあとも、一見そうみえたかもしれないけど、本当は違うかもしれないよ。
鬼がわるものだって、誰が言いきれる?話してみたら意外にいいやつかもよ、と
「だれもが知ってる」ことに、次々とゆさぶりをかけてくるかと思えば、実は
異文化交流ともとれる内容だったことに気がついたりもして‥。
興味深く、面白い絵本でした。
(6年生だったら、そのあたりのこと察しがついたんじゃないかな。)
私は、GW中に偶然見つけたこの絵本を読みました。
表紙に描かれている「しろいひと」がかみさまで、前に居るのが
「ぼく」。本文中では「わかもの」と呼ばれています。
人によっては、こういうとりとめもない姿をしていて、こんなフレンドリーに
話しかけてきて、水の上を歩くことはできるのに、泳げなくて、
宙に浮かぶことはできるのに、木に登ることもできない神様なんて、
と思うかもしれません。
姿かたちを変えて見せるのが大好きな「かみさま」は、うさぎになったり、
カウボーイ風になって見せたり。
ゴリラをわかものが怖がると、大急ぎで、「ぼくのとうさんそっくり」な男の人に
なってわかものを安心させます。
そんな優しい「かみさま」に、わかものは
「うちに オムレツを たべに こない?」と さそいました。
アサツキをちょっぴりいれた、大好きなオムレツを作って食べたあと、
わかものは
「いい てんきだね。ねえ、ぬままで およごうか?」
この、「かみさま」との対等な感じ、私はとても新鮮に感じました。
ゆうひが ゆっくりと しずんでいきます。
わかものは きから、かみさまは くうちゅうから おりて、
いわに こしかけました。
「そなたも そらを とんでみたいかな?」と かみさま。
「ううん、ぼくは みずの なかを およげるほうが いいや」
それから ふたりは ながいこと、
それぞれの すきなものに ついて はなしました。
やがて かみさまは、ほしの またたく そらを みあげて いいました。
「そろそろ かえらなくては。 つまが まっているからね」
不思議なことに(いや神様だったら不思議じゃないかも)、「かみさま」は
わかものの名前を知っていました。
変身した時も、わかもののおとうさんそっくりな男性になったし、もしかしたら
天国に居るお父さんが、かみさまとなって、わかものの様子を見に来たの
かもしれない‥そんなふうにも読み取れるお話です。
「ももたろう」のあと、真剣にお話を聴いてくれていた6年生は、どんなことを
思ったのでしょうね。
いろんなことを思いながら、いろんなことを楽しみながら、今年度も
小学校の図書ボランティア(読み聞かせ)、がんばっていこうと思います。
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