中に何が書いてあるか知るだけではなく、描かれているものを
眺めるだけでは満足できず‥。
本が好き、と一度でも思ったことがあるあなたなら、本そのものを
手にとり、指で触り心地を確かめ、わくわくしながら表紙をめくり、
見返しに使われている色に驚き、そしてそっと本を顔に近づけ、
紙の匂いをかぐことでしょう。
新しい絵本をみかけたとき、みつけたとき、自分の思っていることを
(絵本に対する期待みたいな?)その本が越えていて、そして、それを
贈りたいと思う人の顔がすぐに浮かんだとしたら、それはもう何たる喜び!
ことしも受けとり手にふさわしい絵本を見つけることができました。
(そうして、友も喜んでくれたことがわかりひとあんしん)
10月9日の末盛さんの講演会の時に、まだ書店に並ぶ前の本が会場で売られて
いたのでした。
原書が出版されてから30周年を記念して、今年スイスで新装版が刊行されたのを機に、
日本語版も装いをあらたに「末盛千枝子ブックス」シリーズの1冊として、現代企画室から
復刊されたのだそうです。
恥ずかしながら、コルビジュエといえば、上野にある西洋美術館を作った人‥くらいしか
知らなかった私は、この本に色々おしえてもらいました。
鉄筋コンクリート様式の建物を考案したとか、都市そのものから立案計画していたとか‥。
あとがきで、建築家の原広司氏がこう書いています。
なぜ、ル・コルビジュエは、あたらしい時代をきりひらくことができたのでしょうか。
答えはふたつあり、そのひとつは15億の人びとが「みな同じように」幸せになれる
ための建築を、考え、実現しようとしたから。
もうひとつは、建築や都市も「童話」や「お伽ばなし」のように、自由に、美しく
つくりあげるものだと考えていたからです。
私にとっても贈った友にとっても、すてきな1冊の本ですが、絵本はやはり
ちいさいひとのためのもの。
この絵本が多くのちいさいひと、わかいひとの目に留まるといいなあと思います。
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