音楽の喜び フルートとともに

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un peu

2009-06-28 23:13:21 | 名曲

買ったプリンターを使うことになったので、実家の父に古いプリンターをお下がり。捨てるつもりだったのですが、モノクロ、ワードしか使わない父に、カラー調整がだめになっただけのプリンターは、ちょうど良いと言われて、親子でリサイクル。買ったプリンターも中古格安品。とはいえ新品同様。日本橋ばんざい

夫と息子がPCを設定している間に、Sさんとアンサンブル。
ゴーベールのソナタ第一番 

2楽章 15小節の短い間にテンポの変化を表す調合がたくさん書かれています。

Cedez un peu ~  a Tempo~  Pressez un peu~  a Tempo~ ~ Poco rit.~ Allegretto modelato~ Cedez

ゆらいでは戻る。しかも、un peu(少し)付き、ドイツ音楽ほどはっきりと確固とした変化ではなく、イタリア音楽ほど豊かで大きな変化ではない。
理性とエスプリの国フランスの音楽らしい変化。まさにゆらぎという感じです。

テンポだけでなく、
同じフレーズの繰り返しに見えて、調合をひつとだけ変えてみたり、まさに木漏れ日にゆれる木の葉の光りと影のような小さなゆらぎを、調性の変化を通して表現していきます。
ゴーベールは、調性を本当によく理解していたのだと思います。
少し暗めの♯系短調で始まり、♭を一つ入れて、別世界の明るさを表現したかと思うと、現実のハ長調世界の戻る、と思うと幻想的な明るい♭系に行ってしまう。
繊細で小さな変化が繰り返されますが、ドビュッシーのように生々しいうねりのようなカオスには決して行き着かず、琳派の絵画のように端正でそして穏やかな感じです。

ささいで小さなものこそ強く、美しい。ゴーベールの音楽を演奏しているとそんな気がしてきます。