さて、今日は午後から時間があったので、昨日残したシューベルトのしぼめる花、序奏と変奏を、フェランディススタイルで演奏してみました。
シューベルトの書いた歌曲集「美しき水車小屋の娘」。
若者が水車小屋の娘に恋をしますが、失恋し、川に身を投げて死ぬという連作の散文詩があります。
その中の詩の一つ「しぼめる花」
「彼女が僕にくれた、お前たち花の全ては、僕と一緒に墓に埋められるがいい。ー中略ーいつの日か、彼女が墓の側を通り過ぎながら『あの人は誠実だった』と心の中で思うなら! その時、すべての花が咲き出るがいい!五月が来たのだ、冬は去ったのだ。」
感じやすく、繊細で、取り扱い注意の若者。些細なことで、落ち込み鬱々とし、全てを破壊する。消極的復讐・・・。
年代は違いますが、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」を彷彿とします。
その序奏は、情熱を秘めた陰鬱で長いフレーズ、しかもピアニッシモ。センシティブな若者の内面のイメージ。
ブレスコントロールがとてもむずかしいです。
フェランディスがマスタークラスで言っていたロングトーンで吹くときには、頭上を指して、「この上から、
下まで、使って息を入れると、長い音はいくらでも吹けます。」
不思議でしょ。
頭の上から足元まで息が循環している感じ。
イメージしながら吹いてみると、確かに長く安定して吹けます。
テーマはppのままレガートでHからEまであがりますが、音程を取る時に、眉間のわさびポイント、鼻の奥を開き、歯と唇の間に息を入れて吹いてみると、なめらかにいけます。
いろいろ応用できますが、バリエーション7のタンギングで延々続くスケールは、口先だけでなく、つま先から、腹を使って切るようにすると、ffでも楽に最後まで行けます。
学ぶは「真似ぶ」から来ているそうです。
身につくまで時間はかかるかもしれませんが、しばらく真似を続けたいと思います。