春の紅葉は赤い実がついています。
緑の紅葉も美しいです。
緑の紅葉も美しいです。
たまに外へ出て、こういう景色を見ると、普段移り行く季節を十分に味わうこと無く過ごしていることに気づかされます。
フィリップ ゴーベール(1879~1941年)はフルートをする者にとってとても大切な作曲家です。
パリ音楽院のフルート科の教授を務め、ヴィルトゥオーゾとして活躍し、オペラ座の音楽監督、指揮者としても活躍しました。
多くのフルートとピアノの曲を残しました。
中でも1938年に書かれた「ソナチネ」は、派手さはありませんが、春先の柔らかな風や、水辺に浮かぶ睡蓮の花。
銀色の翼と水色の薄い線の入った身体を持つ小さな糸蜻蛉が、緑の草にそっととまる。
そんな繊細な自然のうつろいを描いているように思えます。
調性がふわふわと移動していき、拍子もうつろい。
古い定型的な音楽から逸脱しています。
しかし、調性破壊というような激しいものではなく。
過去の音楽への尊敬と憧れを持ち続けています。
2つの大戦という過酷な時代にあって、このような音楽を書いたゴーベールの静かな力を感じます。