音楽の喜び フルートとともに

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クバンツのフルート奏法試論

2021-05-05 23:21:20 | フルートレッスン
雨のGW。
信楽方面にドライブ。

山は藤の花が盛りです。
車の中からはうまく撮れず、信楽駅の藤棚でようやく近寄って撮れました。

例年なら陶器市で賑やかですが、今年は市は中止。
静かなGWでした。


ヨハン ヨアヒム クバンツ(1697年オーバーシェーデン-1773年ポツダム)は、フルートの名手でCPEバッハや、ヴァイオリンの名手ベンダなどと同じ時期にフリードリヒ大王の専属の宮廷音楽家として仕えました。
55歳の時に「フルート奏法試論」を書き、それは当時のフルート奏法を今でも広く知らせています。

私の持っているこの本は、
ハンス ペーター シュミッツ著増永弘昭訳 昭和61年出版 シンフォニア出版
吉田雅夫監修
です。
クバンツのテキストに、シュミッツが解説を書くというスタイルで現代でも理解できる点、テレマンやバッハはどう考えていたか?などの他の情報も得ることができます。

例えば、装飾音について、クバンツは協和音ばかりの曲に不協和音を前打音で入れることで、聴覚を元気づける…。と書いています。

この後にJSバッハはこの考えよりも手が込んだ複雑な奏法を使っていて、テレマンはこのようなわかりやすい考え方の主唱者であった。とシュミッツさんが補足説明しています。

トリルや装飾音についてだけでなく、音楽家の心得や、フルートを吹くに当たっての才能とはどういうことか?
について当時の人はどう考えていたのか?

多角的に知ることができて、とてもおもしろい一冊です。