ひろの映画見たまま

映画にワクワク

山田洋次が選んだ日本映画100本、今井正の「にごりえ」

2011-06-28 20:00:23 | 日本映画

1953年の映画である。

原作は、樋口一葉、短編三作をオムニバス形式で。

当然舞台は明治時代、白黒の飾りのない映像は、その時代を浮かび上がらせる。

主人公は女性、いずれも、貧しい社会の理不尽を背負っている。

そして、相手の男性に翻弄される。

今井正は、この貧しい中で生きる女性像を描かしたら一品だ。

この映画がその真骨頂といえるかも。

出演者は、 丹阿弥谷津子、久我美子、淡路恵子。

脇は、文学座の面々が固める。

中で、一番感じたのは、

貧しい一家の娘が、残飯を店に買いに行き、帰る途中、ぬかるみに転び

ご飯を台無しにし、帰るに帰れない。そこえ母が見つけてくれる。

なにもいわずに。一緒に帰る。

このシーンがあるおかげで、娼婦屋で幅を利かせる女の心が覗け

ラストの顛末へと結びつく。

貧しさの中に清貧に生きる女たちのいきざまに共感する。

 

 

 

 

 

 

 

コメント (2)
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