タイ映画で、初めてカンヌ映画祭グランプリを受賞した。
ただ、この映画、よくわからない、不思議な映画だ。
タイ北部の山村に住む中年のブンミおじさん。
腎臓を患って、死が近いので、亡き妻の妹と彼女の息子トンを呼び寄せ、
三人で食事しているところへ、亡き妻が現れる。
このあらわれ方が、自然なのだ。
19年前に亡くなり年を取らないからわかいままだが、まわりのひとは、特に驚くでもない。
さらに、失踪していなくなっていた、息子がサルの面をかぶったような状態で現れる。
目は赤く光り、暗い場面では不気味だ。
そして、死が近づいたブンミおじさんが、前世を想像し、戦闘シーンなどが画面にあらわれる。
途中、きれいな滝のほとりへみにくい女王が訪れ、水もに映った美しい自分の姿に満足する。
そして、滝つぼに入っていき、大きな魚が股間ではね、恍惚となるなどわけのわからぬシーンが出てくる。
ブンミおじさんらは、山の洞窟へ入っていく。
腎臓病で、透析をしているおじさん、死に場所を求めてなのか。
途中まで、森の中のシーンが多く、実に薄暗い。
それが後半、あかるくなり、現実的になるが、そこでも離脱現象が起こる。
僧侶のシャワーシーンもえんえんとうつされる。
とりとめのない説明だが、それがこの映画の真実だ。
中で思わせぶりなセリフもあるが、
ようは、変わった映画。テンポものろく、眠りに誘われる。