1955年作品。
織田作之助原作のこてこて大阪です。
化粧問屋のボンボンが、女房子供がいながら、新地の売れっ子芸者と駆け落ち。まあよくある話だ。
舞台は、昭和初期の大阪。
だが、原作によるところも多いが、どこまでもずるがしこく、でも一つ抜けているどうしようもない見栄っ張りの弱者を、実に軽妙に演じあげた森繁久彌。まだこのころは、円熟味はないが、若さがあり、問屋の面々を相手にいきがる姿など滑稽の極みだ。
それが、また弱い男と知りながら、惚れてしまった弱み。怒りながらも許してしまう惚れた女の性。芸者としての綺麗さに長けた淡島千景の受けの演技。
それを知りながら甘えてしまう男の狡さ。
男と女の機微が、執拗に描かれる。豊田演出のさえだ。
どろどろの男女話でありながら、どこかしゃれているのは、誰のせいだろうか。日本映画ならではの恋話。千日前横丁の街並みがよく似合う。
織田作之助原作のこてこて大阪です。
化粧問屋のボンボンが、女房子供がいながら、新地の売れっ子芸者と駆け落ち。まあよくある話だ。
舞台は、昭和初期の大阪。
だが、原作によるところも多いが、どこまでもずるがしこく、でも一つ抜けているどうしようもない見栄っ張りの弱者を、実に軽妙に演じあげた森繁久彌。まだこのころは、円熟味はないが、若さがあり、問屋の面々を相手にいきがる姿など滑稽の極みだ。
それが、また弱い男と知りながら、惚れてしまった弱み。怒りながらも許してしまう惚れた女の性。芸者としての綺麗さに長けた淡島千景の受けの演技。
それを知りながら甘えてしまう男の狡さ。
男と女の機微が、執拗に描かれる。豊田演出のさえだ。
どろどろの男女話でありながら、どこかしゃれているのは、誰のせいだろうか。日本映画ならではの恋話。千日前横丁の街並みがよく似合う。