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NHK山田洋次が選んだ日本映画百選  伊丹十三監督「タンポポ」

2012-08-23 16:42:04 | 日本映画
1985年作品。

伊丹十三の2作目である。

ラーメンを題材にし、「シェーン」ばりのウエスタンにした映画だが、むしろ、伊丹の食に対する衒学映画でもある。

トラック運転手と助手、町はずれのラーメン屋で、ご当地のヤンキーと喧嘩になり、倒され、そこの女将に介抱されるが、ラーメンの作り方を教えてくれと頼まれる。

女将は、夫を亡くし、小学生の子どもが、彼はいじめられっ子。

そんな縁でラーメン屋改造計画が始まるが、一方で、食にまつわるエピソードが、唐突に展開する。

それがまた、食=性の感じで、エロっぽく演出される。

また、妻の死にぎわに駆けつけ、オムライスを作れと言ったら、瀕死の彼女がオムライスを作り、死んでしまう。

食と死とのコラボだ。

ラストは、むき出しにされた乳房にむさぼりつく赤ん坊の姿。

食と生だ。

数々の食にまつわるエピソードは、なるほどとうならされ、伊丹の食に対する学の深さに感心する。

今にして思えば、役所広司や渡辺謙など贅沢な配役だ。

すっぽん料理、北京ダックなど、高級料理もでてくる。

ラーメンが食べたくなる、そんな映画だ。



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